Naomi's Letter

ソプラノ・佐竹由美のブログです。
定期的に公演や、近況をお知らせいたします。
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木下牧子さん新作歌曲 

2008-09-13 | Weblog
昨日は作曲家・木下牧子さんにお誘い頂いて、野崎由美さんのソプラノリサイタルに伺いました。オール日本歌曲プログラムで、前半は畑中良輔・山田耕筰・團伊玖磨各氏の作品、後半はすべて木下牧子さんの歌曲作品。
冒頭から、しっかりと安定した声で、そして確実に言葉の世界を自分の表現として歌っていらっしゃる事に、感心いたしました。特に畑中先生の「八木重吉による五つの歌」は、とても素敵な作品だなぁと感じ、歌ってみたくなりました。基本的に私は八木重吉の詩が好きなのかもしれませんね。
さて、とても楽しみにしていた木下牧子さんの新作(野崎さんの委嘱作品)歌曲集「古風な月」は、中原中也、北原白秋、島崎藤村、立原道造、新実南吉の5人の詩による連作歌曲。これだけ個性豊かな詩人の作品を、言葉を生かした見事な作品に仕上げていらっしゃって、さすが。どの曲も1曲だけ取り出しても十分聞き応えのある、とても響きの美しい作品です。そしていつもながら、木下さんの詩の選び方のセンスは抜群!私は特に中原中也、立原道造、新実南吉の詩が曲と共に、とても印象に残りました。委嘱作品なので今後どのように出版されるか分からないのですが、きっと将来、大人気の作品になるのではと思います。楽しみですね!
その他、大変難しい木下さんの作品「涅槃」もとても良く歌われていて感心!私も挑戦してみたくなりました。そう思わせてくださる演奏に触れて、とても楽しい一夜でした。
それにしても、日本歌曲の世界は奥が深い・・・まだまだ知らない名曲が沢山あるのでしょうし、これからも生まれてくるのでしょうね。日本人として生まれたのですから、これから少し頑張って勉強してみたくなりました。

写真は26日に行われる木下牧子さんの作品展(室内楽)のものです。
以前お知らせしましたが、もう一度お知らせさせていただきます。
私が歌いますのは今回はヴォカリーズですが、その他室内楽作品と、また歌曲作品とは違った木下さんの世界に触れることが出来るのではと思います。よろしければ是非、お出かけください!

木下牧子 作品展3『室内楽の夜』
9月26日(金) 津田ホール 19:00開演 
全席自由:4000円

〔プログラム〕
ピアノのための「夢の回路」

ソプラノと室内楽のための「ヴォカリーズ」

フルートとパーカッションのための
「夜はずべてのガラスである」

パーカッション・アンサンブルのための
「ふるえる月」

パーカッション・ソロ+アンサンブルのための
「打楽器コンチェルト」  (初演)        他

マネジメント:新演奏家協会03-3561-5012
前売り:CNプレイガイドcnplayguide.com 0570-08-9990まで。