まだ9年

　

震災からまだ9年です

新聞より心に響いた短歌

　凍蝶の羽が崩れる　生き返りそうな気がした夜明けの浜辺

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　佐藤涼子

　あちこちに木通のように悲しみがぶら下がっている人住まぬ家

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　数又みはる

夕刊より心に響いた短歌

　亡きひとの言葉識りえぬ悔しさに叫びし日あり風つよき浜

　日も月もとりとめのなきかたちしてこの九年の薄明かりなり

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　梶原さい子