やっぱり本も好き

忘却率がUPしているのでメモとして

八日目の蝉 角田光代 中公文庫

2011年04月02日 07時29分51秒 | 
図書館に行く度探していたけど、いつも借りられているらしいので、買いました。
どうなるんだろう?とその逃亡劇にハラハラし、つい目がしょぼしょぼするのもかまわず一気読みしました。
母性の物語、幸い同性なので、共感しました、異性の頼りなさ加減にも。
傑作と新聞の評にも載っていましたが、オーケストラの演奏のように、いろいろな要素を含みながら
最後は凪いだ海のような終わり方。
 海は陽射しを受けて、海面をちかちかと輝かせている。茶化すみたいに、認めるみたいに、なぐさめるみたいに、
 許すみたいに、海面で光は踊っている。
 この最後の言葉が、最初赤ちゃんを見た時にも使われている、どうしようもない人間というものへのやさしいまなざしに溢れた物語。