大人のいない国 鷲田清一 内田樹 プレジデント社

「両親が同一の価値観を持つ家庭というのは、比喩的な
言い方を許してもらえれば、北朝鮮化された家庭のことである。
思想統制された国家から知的なイノベーションや創造的な芸術が
生まれることがきわめて困難であることに人々はすぐ同意して
くれるが、構成員が同一の価値観をわかちあう家庭から
イノベーティブで成熟した市民が育つ可能性はきわめて低いと
いうことにはほとんどの人は同意してくれない
しかし原理的にはこの二つは同じことなのである。
私たちの社会から成熟した大人が消滅しつつあるのは、その当たり前のことを
私たちが忘れたからである」
　価値観の同じ人になどあったことがないので、夫婦で同じ価値観なんて
　うらやましいと思っていましたが、あまり良い事でもないのか?と考えました。
　子どもは複数の大人の異なる意見の元にそだち、葛藤を繰り返し成長していくのが
　いいのだそうです。
　

まさお君がくれたもの 講談社

こういう本もあったのかと、意外でした。
まさお君がもういないとは知っていたけれど、
こんなにも愛されて、こんなにも愛して、
幸せな一生だったねーとホロリでした。

求めない 加島祥造 小学館

読みたいと求めたときは、図書館は予約がいっぱいで
もう忘れかけていて、詩のコーナーを眺めたら
ありました。
　求めない―
　すると
　しばしば
　求めたら来なかったことが
　やって来るよ
　(ただし、すぐにではない
　 あなたの忘れたころにだよ)
　　　　　　まさにこのことでした。