Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

大阪公演終了しました

2013年11月03日 | 家・わたくしごと
 昨日、大阪公演を無事終えました。いらしてくださった方々、本当にありがとうございました。大阪音楽大学音楽博物館での公演で、初めてこの博物館にうかがわせていただきました。展示スペースの特設舞台で、用意した席は完売だったようです。
 大阪でやるのだから、大阪版の「クンバカルナの戦死」に多少アレンジしましたが、やはり聞きなれないものなどを取り入れようとすると無理があることは承知しているので、舞台で使用した《六甲おろし》などもだいぶyoutubeなどで勉強しましたが、やはり関西出身の演奏者にお任せしました。おかげで大盛り上がり。やはり観客で大声で歌う方もいるなど、大阪を強く感じました。
 ダランとして満足いくワヤンの上演というのは、早々できるものではなく、今回もたくさんの反省点があります。毎回、それの連続ですから、いつになったら「これで完璧」になるのか?いやあ、それを目指してまだまだ舞台をこなさなくてはなりませんね。次のワヤンは来月の光塾。その後、2月は神戸、3月は東京、名古屋と続きます。12月、2月はトゥンジュク梅田一座により「スタソーマ物語」ですが、3月の公演は、サンディアムルティ演奏のバテルで、再び「スプラバ使者に立つ」です。

静大のゴン・クビャルにみる楽器商の自己顕示?

2013年11月01日 | 浜松・静岡
 昨日、静岡大学に行ってきたが、この大学所蔵のゴン・クビャルのレヨンの彫刻に刻まれていた文字が、I WAYAN BERATHAである。静大の学生達はこれが人の名前だということを知らなかったらしい。もちろんバリとかかわらなければわかるはずがないだろう。しかし、このブログの読者の三分の一くらいは、レヨンの台に刻まれた名前があの偉大な作曲家、演奏者、教育者、楽器商であるイ・ワヤン・ブラタ氏であることをご存じなはずだ。
 楽器を研究する私のような研究者にとっては、このバリの楽器がどこから売られたのかということは重要な情報であり、この楽器が楽器商としてのブラタさんにより売られたことは明白なので、音響解析などの考察などに役立つものだ。しかし、こういう楽器はひじょうに少ないのではないだろうか?楽器の台に文字や、年号が入れられたものは調査の過程の中で散見される。たとえば、その楽器を所有するガムラングループの名前だとか、設立の年、あるいは村や集落の名前が入れられたものは何度も見たことがある。しかし、楽器商の名前が掘られた楽器は珍らしい。
 それにしてもこれをどう捉えればいいのだろうか?商売を有利にすすめるための「看板」のような役割をはたしているのだろうか?そうはいっても、個人の名前を彫りこむとはなかなかの商売人である。ところで、今度、私の知人であるデンパサールで有名な楽器商にも、こうした名前を彫りこむことについて聞いてみようと思う。なんて言うだろうね。