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もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

配色の難しさ

2016年04月18日 | バリ

 インドネシアではよくおかずのせご飯(ナシ・チャンプル)を食べる。なぜかといえば、言うまでもなく「美味い」「早い」「安い」からである。じゃあ、すき家の牛丼、C&Cのカレーと変わらないといわれれば個人的はそうともいえるが、当然、こっちはインドネシア料理である。バリだってロンボックだってジャワだって、インドネシアのどこに行っても星の数ほどナシ・チャンプル屋はあるが、チェーン店というものはほとんど存在せず、すべて個人経営であることから、味は千差万別なのだ。もちろん、自分に合うものもあれば、合わないものもある。だからこそ、誰にもそれぞれお気に入りのナシ・チャンプル屋があるだろう。だから多くの場合、ナシ・チャンプルは一人で食べることが多い。
 ところで、店によって確かに味は違うのだが、「色」は似ているのである。野菜ものを除けば、なんとなくインドネシア風ケチャップやしょうゆで煮たり、油で揚げたりしているために、どれも「茶色」がかっている。茶色に濃淡はあるが、茶系なのだ。レバーの煮込みも、テンペの甘辛も、ミーゴレンも、ガドガドのソースもどれもこれも茶色がかっている。そこが問題だ。つまり、食べ物の彩なるものが存在しないのである。これは写真をとるときに困りもので、なんだか知らない人には美しくもなく、美味しそうにも見えないという。私の父はあるとき「残飯」に見えたといっていた。紙につつまれて、それがどばっと机の上に広げられれば、知らない人にはそんな風にもみえるらしい。
 最近は父の指摘もあって、なるべく美しく撮影しようと試みている。彩の野菜を添えるとか、飲み物を並べるとか。この写真もそんな努力の一枚である。しかしこうして眺めてみると、机の色も決してきれいとはいえない茶色だし、ホット・レモン(ジュルック・パナス)の選択もいまいちだった。やっぱり黄色は茶にカモフラージュされる気がするからだ。次は思い切って、ピンク色のソーダ・グンビラを注文して、美しく撮影してみようと思う次第である。


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