バリでANEKAといえば、知る人ぞ知るバリの伝統音楽のカセット、CDのレーベル名であり、またそれを作成する会社名である。会社というのは少々大げさで、実はANEKAはタバナンの街にある小さな電気屋なのだ。この電気屋がANEKA Recordの本社なのである。
このお店、戦後中国系インドネシア人(私の調査地ではこの店主をホキと呼んでいたが、だいぶ前に亡くなった)がつくった電気屋だったのが、1970年代初頭、カセットの普及とともに録音した伝統音楽を売る商売を始めたのだった。この店に入ると右側の壁にはカセットとCDが今でもびっちりと並べられており、店主はどのカセットにどんな曲が入っているのかがほとんどわかっているのである。
30年前に私の留学した頃と店構えは全くといっていいほど変わっていない。この店に来るたびに思うのだが、時間の経過をほとんど感じさせない。観光化の中で変わりゆくバリを目の当たりにしながら、こんな風景に会えるとまだまだバリも捨てたもんじゃない、と思うものだ。
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