Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

感極まって・・・

2008年06月17日 | 大学
 ここ数回、民族音楽学の授業で口頭伝承について講義をした。最後に1990年代の韓国映画「風の丘を越えて」(原題「西便制」)を見ることにした。韓国の芸能パンソリの伝承方法と、時代に翻弄される古典芸能の姿を描いた名画である。私は大学院のときに、なぜか韓国文化論の授業をとっていて、その授業の中でこの映画について何時間かをかけて講義を受けた記憶がある。韓国文化の基層をなす「恨」という言葉について学んだ。自分でもそのことに興味をもち『恨の人類学』という本を読んだ。
 先週の後半の授業から見始めて、今日は後半だったが、正直、危惧していたことが一つ。私が涙もろいということである。とにかく舞台、ドラマ、映画など何をみてもすぐに感情移入してしまって泣いてしまうのだ(これは絶対、父親ゆずりである)。これだけはどうしても感情を抑えられないのである。一人のときはいいのだが、学生がいるとかなり恥ずかしいものがある。数年前、学生達と歌舞伎座で歌舞伎を見たのだが、熊谷陣屋の首実検の場では、もう顔がぐしゃぐしゃになるくらい涙を流して、学生に心配されたほどである。「君たち悲しくないわけ」と聞くと、「何言っているのかよくわからないので」と言われたときは、そんなものかと思った。
 今日の授業でもやはり、「冷静に、冷静に」と自分を抑えても、こみあげてくるものを押さえることができない。「もういいや」とあきらめた瞬間、涙が頬をつたう。研究室で学生三人と見ているわけだから、絶対バレバレである。だいたいティッシュで顔を拭きながら見ているわけだし。ビデオを終ったあと簡単に講義をしたが、もう涙の動揺と恥ずかしさで、話がうまくまとまらない。まったく情けない。学生達は今日、この話題で盛り上がっているんだろうな・・・あーあ。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。