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もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

はじめてのお裁縫

2007年09月28日 | 家・わたくしごと
 息子が学校の家庭科の授業で、はじめての裁縫を経験している。小学校5年になるまでボタンの付け方一つ教えていなかった親も悪いのだが、それにしても子どもにとっては、何もかもが初めての体験であり、作品を完成させるために必死である。
 彼が最初に作ろうとしているのはブックカバーである。模様の入ったフェルトと緑色のフェルトの生地を縫い合わそうとしているのであるが、これが彼にはホームワークを数十頁こなすに匹敵する大作業なのだ。実際、授業でやってきたのであるが、その結果は「あまりにも」ひどく、どうひいき目にみても褒めることができない作品であり、両親は彼にほどいて最初からやりなおすことを勧めたのである。こういうときは、大喧嘩になることが想定されるのだが、しかし、彼自身もその成果に満足できていなかったようで、かくして家で最初からこの作業が行われることになったのであった。
 しかし息子は忙しいのである。夜は私以上に忙しい。塾、ガムラン、英語、テニスと習い事を終え、10時過ぎからこの裁縫にとりかかるのであるから。「母さんは夜なべをして、手袋編んでくれた・・・」という「裁縫=夜作業」を正当化した歌詞があるが、わが子の場合も同様である。まず夜は電気があっても暗いので、針に糸が入らない。
「お母さん、針に糸が入らない」
「夜だと暗くて、お母さんも入れられないでしょう」とまず怒られる。
やっているうちに母親が作業を見ては、
「そうじゃないでしょう!ここは、こうやって・・・」というと
「わかってるよ!」と言い返す息子。ところが,
「お母さん、玉止めがぬけちゃった。どうしよう。」と情けない声を出すと
「お母さんは他の仕事をしているから待ってなさい。」と怒られる。
 本人は必死なのであるが、母親と息子の掛け合い漫才を見ているようで、傍観している私は結構、その会話を楽しんでいる。
 さて、やっとのことで、二箇所のステッチが数日かけて終わったのだが、私の目にも一本目よりも二本目の方が明らかに上達しているように見える。さて、本日は息子の小学校の前期終業式なのだが、家庭科の授業があってこのブックカバーを完成させるという。たぶん、今日、学校で作業した部分も家でやりなおしになるんだろうな。ちなみに息子は、私にこういっている。
「このブック・カバー、お父さんの本棚にあった村上春樹の『ダンス・ダンス・ダンス』の大きさに合わせて作ったんだよ。」
 ということは完成品はもらえるのだろうか?


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