外食はほとんどせずに家で食事を作って食べるのだが、朝食はたいてい卵料理とサラダを用意するだけ。夕食も帰りが遅いので15分以内でスピーディーに仕上げることをモットーとして台所に立つために、とにかく時間をかけて料理するなんてことはほぼありえない。しかし、それほどレパートリーもないし、簡単料理にも限界があり(少しずつは増えているが)、たまには一品でもいいので、時間をかけてつくったものをゆっくり食べたいと思うようになってきた。
先週は、ペンネとからめるミートソースを、ひき肉とトマトから作ってみたが、まあまあの出来だった。今日は東京から戻って家で仕事をしていたこともあり、「時間をかけて煮る料理」に挑戦することに急きょ決定。ほとんど思い付きではあるが、牛筋の煮込みを作ってみようと思い立ったのであった。正直、「生の牛すじ」なんてこれまでの人生で一度も購入したことはない。とりあえず国産牛の250グラム程度の牛すじを買い、1時間下茹でしてあくをとり、その後、2時間かけて煮込んだのだった。大根も入れてコトコト、コトコト。仕事をしていながらも、やわらかくなっているのか、いないのか、とにかく気になるものである。
3時間煮込んだのだにもかかわらず、「とろけるほど」にはならなかったが、結構、やわらかく、いい味に仕上がる。そうそう、こうして器によそってみると「ネギがない!」ということに気が付くが、雨降りなのであきらめる。ネギなしの牛すじと大根の煮込みに七味唐辛子をかけて、アルコールなしで、サラダとともに夕食。家に長くいるときは「夕食作り」が目下のところ、最高の息抜きとなっている。この歳になってこういう世界にはまるとは自分でも驚きである。