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もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

「黒一点」~バリ7日目

2017年08月23日 | バリ

 「紅一点」の対義語というのはないらしい。なので「黒一点」という言葉は便宜的に使っているだけであり、本来は正しい日本語ではない。しかし、この写真、まさに色彩からも「黒一点」である。
 数日前にアートセンターのイベントで女性たちによるガムラングル―プ(gamelan wanita)を鑑賞した。既婚女性のグループで、演奏のレベルも非常に高く、もはや、今のバリにおいてガムランは男性だけが演奏するものではない。私が留学していた三十数年前には考えられなかったことである。
 最後の演目は、フラグメンとよばれる舞踊劇で、踊り手はパントマイムのように動き、それにダランとよばれる語り手がセリフや歌を加えていく芸能だった。私はダランもまた女性であることを期待したのだが、残念ながら「黒一転」の男性のダランだった。
 もちろんバリに女性のダランがいないわけではない。しかしその数はガムラン奏者のように多くない(ごく少数)し、このグループの周辺でも女性のダランは見つからなかっただろう。やはりまだバリ人にはダラン=男性のイメージが強いし、観客の誰もがこの光景を当たり前のように受け入れている気がした。しかしあと数年もすれば、女性のガムラン奏者にバリ人の誰もが違和感を感じなくなったように、女性のダランが当たり前に活躍する時代が来るのだろう。それだけバリ芸能における女性の活躍は顕著なのだ。

 


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