Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

二つの値段

2008年09月23日 | バリ
 インドネシアには二つの値段があるとよく言われる。インドネシア人が屋台でコーヒーをすすると、私の調査村では1,000から1,500ルピア。でも写真のカフェオレは、デンパサールのちょっとお洒落なカフェで、価格は約20,000ルピア。別に観光客が行くわけでもないのに、10倍以上の開きがある。たぶんヌサドゥアのホテルで飲めば、その倍くらいはするだろうから、バリには地元向け価格が大きく二つ、そしてリッチな観光客向けの価格が一つ、計三つの価格があるということになるんだろう。
 インドネシアのテレビ・ドラマや映画を見ていると、お洒落なカフェがたくさん出てきて、ジャカルタやバンドゥンの富裕層の高校生たちが集っている。バリもそんな風に変わりつつあるのだろう。そしてこんなカフェでデートするのが若い世代の理想なのかもしれない。それにしたってコーヒー1カップが、日本円で約230円は決して安い額ではないし、ケーキだって食べれば、日本と変わらない。
 私はたまにこうしたカフェに出かける。現地の人々と同じ生活をすることを美徳と考えていた若い頃には考えられなかったが、今はカフェに出かけてコーヒーを飲みながら読書をすること自体が、外国人観光客だけに許される特権的行為ではなくなっている。高度成長するインドネシア。そしてそんな変わり行く環境の中で、歳を重ねて少し成長した私は、1,500ルピアと20,000ルピアを行き来できる生活スタイルを誰に恥じることもなく楽しむことができるようになっている。これでいいんだろうか?、いや、これでいいんだよ。自問自答する私・・・。


豪華な昼食

2008年09月23日 | バリ
 帰国日、いつもは7,000ルピアのところ、奮発して9,000ルピアで昼食を買う。ぼくの昼食はデンパサールにいる限り、仕事から戻った時間に店屋によってテイクアウトして帰るのである。
 街のあちこちにこうしたナシ・チャンプルとよばれる食べ物を売る店はあるが、自分に合った店を選ぶというのがなかなか難しい。実はこの店、私の大好きな味付けで、さらにそれを言い当て、以前、私にこの店を教えてくれたのは、当時バリに留学していた沖縄のガムランメンバーだった。店頭にはGOALと書かれていて、とにかく「サッカーおたく」が経営している店である。店員もすべてサッカーのユニフォーム。店の机のデザインはすべてサッカーコート、店内の装飾もサッカーもの一色。しかし、ナシ・チャンプル屋である。
 こんな店が観光地にでもあれば、相当に繁盛するのだろうが、スポーツ・バーならぬサッカー・チャンプール屋。地元のおじさんやおばさんが、細々と集うのみで、サッカーファンが集まるという様子もない。いや、待てよ。自分が知らないだけで、夜は地元のニイニイが集まる「スポーツ・バー」になってるかもしれないぞ。