院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

英語による世界支配

2006-11-18 08:12:16 | Weblog
中東のTV局アルジャジーラが、アラビア語の他に英語による放送を始めたという。そうでないと、世界中に理解してもらえない。

 インターネットは90%以上英語の世界である。今や世界の共通語は英語になってしまった。

 北里柴三郎の時代には、一流の論文はドイツ語で書かれた。私が若い頃も、医学論文はドイツ語が重用された。

 私はカルテをドイツ語で書く最後の世代になってしまった。紹介状などをドイツ語で書くと、若い医者は読めない。だから、日本語か、せいぜい英語で書くようにしている。

 日本精神神経学会の学会誌(日本語)は、昔は「それに載れば一流」と言われていて、私もそれに載って喜んでいたけれども、すでにその学会誌は世界的に見れば三流四流である。

 ドイツ人が学術論文を英語で書くようになった。学術用語としてのドイツ語は過去のものとなった。

 日本人も論文を英語で書くようになった。多くの人が読めない言語で論文を書くのはムダだということのようだ。その分、日本語の学術雑誌への投稿が激減している。

 英米の学者にとって英語は母国語である。だから、他国の学者に比べて英語を書くのは容易である。ここでまた、英米とその他の言語の国々との間に格差ができてしまった。

 くやしいが、ノーベル賞級の研究であっても、日本語で書かれているとノーベル賞はもらえない。最先端の論文が次々と日本語で書かれ、他国の研究者が遅れまいと日本語の勉強を必死になってやるようになることが、私の夢である。

 一時、ロシア語で数学や物理学の優れた論文が書かれた時期があった。その時には、英米の学者が競ってロシア語の勉強をした時代が実際にあったのである。

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