院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

インパクト・ファクター

2012-01-08 14:04:30 | Weblog
 その論文がどれだけの価値があるかどうかは、読者の評価によって決まるのが理想であるが、測定が難しい。そこで、その論文が他の論文に何回引用されたかを論文の価値としようということに、今のところなっている。その数をインパクト・ファクターという。

 インパクト・ファクターは個々の論文の価値を表すだけでなく、雑誌の格も表すことができる。概して日本の学術雑誌はインパクト・ファクターが低い。(国文学や日本史の雑誌を除く。)

 多くても日本の雑誌はインパクト・ファクターが2に届かない。理由はもちろん日本語で書かれているからである。

 屁みたいな論文が英文雑誌に載っている。それよりずっと内容の深い論文が日本語雑誌に載っていても、インパクト・ファクターは英文雑誌に遠く及ばないのが現実である。

 北里柴三郎の時代には、ドイツ語雑誌がもっとも権威があった。いまや、英文雑誌がもっとも権威があり、ドイツ人も英文で論文を書くようになってしまった。インターネット上も90%以上が英文。

 楽天という会社は社内共通語を英語にしたという。まったく、英語覇権主義としか思えない。このような時代はいつまで続くのだろうか?もっとも、ドイツ語やフランス語に較べれば、英語は男性名詞女性名詞などがなくて簡便だが、論理的には曖昧さを許す言語だと言われている。

 ところで、昔はインパクト・ファクターを計るのは大変だったが、現在ではほとんどの学術雑誌が電子化されているので、簡単にインパクト・ファクターが算出できるようになった。

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