(九州電力中央変電所。PANORAMIO より引用。)
九州電力がソーラー発電による民間からの電力の買い取りを中止するそうです。理由はこれ以上受け付けると送電網が足りなくなるといいますが、本当でしょうか?
私は送電網が足りなくなるのではなく、買い取り資金の政府援助がなくなるのだと見ています。「メガソーラーによる売電」を政府が言い出したのは随分前で、法外に高い買い取り価格でも政府がめんどうを見てくれるはずでしたが、最近その見込みが怪しくなったからでしょう。
高い買い取り価格によって最初のうちだけ売電業者やソーラーファンドを儲けさせて売電制度を軌道に乗せて、一定期間が経ったら市場経済に任せて安い買い取り価格に落ち着かせようと政府は考ていたのだと思われます。(これ、実は売電業者やソーラーファンドへの税金の投入です。)
ですが、このやり方だと早い者勝ちで、高い公定価格のうちに儲けておいて、あとは知らないよという無責任な売電業者ばかりが名乗りをあげることになりました。遅れて市場に参入する個人のささやかな売電は値切られることになって、個人による売電はペイせず設備投資額を回収できなくなる恐れがあります。すでに同じ失敗をドイツがしています。
つまり、九州電力は高い公定価格でソーラー電力を買い取っても、政府が保障してくれるという確信がもてなくなったから電力を買うのを中止したのだろうと、私は睨んでいます。(政府から補償されない分を電気代の値上げでまかなったら本末転倒です。)
同じような問題は北海道電力でも起こっているとすでに述べました。(2013-12-10)
ドイツでの売電制度の失敗を繰り返さないでおこうという北海道電力と九州電力の姿勢は、これから売電を考えている庶民にとって、とても良心的な方針転換だと私は感じます。メガソーラー構想には、もともと無理があったのです。