院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

芸術絵画と商業イラスト(3)

2014-10-14 20:34:25 | 文化

Amazon より引用。)

 私はアンディ・ウォーホールの上の作品を少しもよいとは思いません。

 技巧も美的価値もありません。あるのはゴシップと功名心だけです。それに比べると、 前回示したロード・オブ・ヴァーミリオンのCG画集のほうが優れています。でも、ウォーホールのシルクスクリーンのほうがCGより何万倍も高価なのが現実です。

 ウォーホールの作品の価値はビートルズのサインと同じように(歴史的な価値があると)考えればよいのでしょうか?(これについては 2013-12-08 ですでに述べました。)

(「芸術絵画と商業イラスト」のシリーズはあまり人気がなかったので、このテーマはこれで終わりにします。)

芸術絵画と商業イラスト(2)

2014-10-14 00:02:09 | 文化

(高橋真琴の美少女画。セブンネットより引用。)

 上村松園の美人画は日本画芸術の最高峰のひとつで、価格はきわめて高価です。確かに松園の美人画はすばらしい。

 では、上の写真の高橋真琴の美少女画はどうでしょうか?たぶん原画でさえ松園の美人画よりずっと廉価でしょう。ここにも昨日述べたのと同じ「何が価値なのか?」という問題が含まれています。

 さらに言えば、歌麿の美人画は江戸時代のブロマイドとして庶民に親しまれたものですが、当時は手頃でも現在は非常に値段が高い。このような例を出せば際限がなくなるかもしれません。

 最近、下の写真のようにコンピュータカードゲームのキャラクターを美しく描いた画集さえ発行されています。たぶん原画もCGです。CGですからいくらでも増産することができます。こういう領域の美人画はどのように位置づければよいのでしょうか?技巧的にもこのCGは、松園や高橋や歌麿に劣らないと私は思います。(CGのイラストレーターは複数ですが個人名が残ります。工房で複数で描いたのは東郷青児も狩野派も同じですが、名を残したのはボスだけです。)

 松園や歌麿には歴史的な付加価値があるというなら、松園と歌麿の価値はビートルズのサインの価値に近いことになります。


(SQUARE ENIX 刊。)