私が大学生のころ、すなわち1970年代初めには、システムエンジニアは大変な高給取りだった。今の価格なら年収4,000万円ほどになるだろう。
なぜかというと、コンピュータ技術者が細分化されておらず、システムエンジニアはプログラミングはもちろん、システム設計や、果てはマシンの修理までしなくてはならなかった。すべてができる人材は少なく、売り手市場だった。彼らには数学科出身者が多かった。私が大学でコンピュータを教わった先生も数学の助教授だった。
システムエンジニアはスピードを速くするために、アセンブリ言語でプログラミングした。だから、トランジスタで組まれた回路の、どこがレジスタでどこがスタックかといった知識が必要だった。
コンパイラはすでに実用化されていた。システムエンジニアはコンパイラの中身を知っていた。そのため、彼らはXの2乗と書くべきところを、X*Xと書いた。Xの2乗と書くと、コンパイラはXのπ乗でも計算できるルーチンに入ってしまい、計算時間が何十倍もかかるからだ。X*Xなら掛け算のルーチンですむ。
今、システムエンジニアは高給取りではない。現在の高給取りは、ビッグデータを扱える人物である。それでも5年後には普通の月給取りになるだろう。それだけ技術の進歩が速いということだ。
なぜかというと、コンピュータ技術者が細分化されておらず、システムエンジニアはプログラミングはもちろん、システム設計や、果てはマシンの修理までしなくてはならなかった。すべてができる人材は少なく、売り手市場だった。彼らには数学科出身者が多かった。私が大学でコンピュータを教わった先生も数学の助教授だった。
システムエンジニアはスピードを速くするために、アセンブリ言語でプログラミングした。だから、トランジスタで組まれた回路の、どこがレジスタでどこがスタックかといった知識が必要だった。
コンパイラはすでに実用化されていた。システムエンジニアはコンパイラの中身を知っていた。そのため、彼らはXの2乗と書くべきところを、X*Xと書いた。Xの2乗と書くと、コンパイラはXのπ乗でも計算できるルーチンに入ってしまい、計算時間が何十倍もかかるからだ。X*Xなら掛け算のルーチンですむ。
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