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院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

花見の思い出

2008-04-06 09:13:50 | Weblog
 妻と二人で花見に行った。名もない近くの公園である。

 すでに芝生にシートを敷いて、バーベキューをやっているグループがあった。ただシートを敷いただけで、夜桜の場所取りをしている人もいた。

 私が初めて花見に行ったのは幼稚園のころである。父の仕事の組合の集まりだったか、トラックの荷台に乗って出かけた。ネクタイをしてめいっぱい正装した私の写真が残っている。

 娯楽の少ない時代、花見は庶民の一大娯楽だった。弁当の思い出がない。たぶん粗末な弁当だったのだろう。当時は貧しかった。

 幼児だった私は酒も呑まないから、当時の花見は私にとって、寂しいものでしかなかった。花も美しいと思わなかった。

 私が満開の桜を美しいと思うまで、あと数年待たねばならなかった。美しいと思ったのは、小学校2年生のとき、東京の目黒川の橋の上でだった。しばし見ほれた。

 未だに花見はすたれない。父が逝って18年になる。

    咲き満ちてこぼるる花もなかりけり  虚子