【ストーリー】
南町奉行所の筆頭与力が亡くなった。
奉行・鳥居耀蔵の鶴の一声で後任は三人の有力候補の中から入れ札で選ばれることになり、奉行所内では激しい選挙運動が勃発!
この騒動に目を付けた泉屋の愛人・お袖は、候補の一人・日暮に近づき泉屋を彼の後ろ盾とさせたが、これには『日暮を筆頭与力の地位に就かせることで泉屋を奉行所御用達商人にする』という目的があった(それを手柄に泉屋の後妻になることが真の目的)。
だが投票までもう時間がない…そこで泉屋は殺し屋を雇い、別の候補の後ろ盾・檜屋を始末した。
その死は溺死に見せかけられたが、主水は遺体の首筋に刺し傷があることを発見し、市松に疑惑の目を向け始める。
この事件は檜屋の女房を頼み人とした仕置の案件となってしまい、市松との対決に気が滅入る主水であったが、当の市松には下手人の心当たりがあった。
その男は畳職人・勘助-彼は畳針を得物とする市松の殺し屋仲間だったのだ。
その頃、別の候補の後ろ盾・越後屋までお袖に殺され、主水たちはその悪事の証拠と彼らが勘助を使って檜屋殺しを行ったことを知る。
【知ってるゲスト】
志村喬、神田隆、稲野和子、内田勝正、近藤宏、花紀京、永野達雄
【名シーン】
①ついに鳥居耀蔵登場!
↑これまで話には度々登場した奉行・鳥居耀蔵が登場。
演じるは志村喬さん。
ちょうど「新仕舞人」の七人の侍回を見たところだったけど、
志村喬さんは七人のリーダー・勘兵衛を演じている。
②主水の予想
千里(ちさと)は三候補の投票数を予想する賭けをはじめた。
主水も声を掛けられるが…。
主水「恐らく一票も入らないんじゃないかな。
考えてもみなさい。
あんな馬鹿に大切な票を入れる奴が、どこにいるもんですか。
ま、入るとすれば己が己に入れる一票くらいなもんじゃないですか」
主水は一候補に一票と予想し、合わせて三文を賭ける。
↑大阪から来た研修に来た同心・千里に扮するは花紀京さん。
③市松vs勘助
市松は勘助を殺すため、飲みに誘う。
だが、用心深い勘助は鉄板を仕込んだ襟巻を身に着けていた…。
勘助「首切りの浅右衛門でも、年老いてからは一太刀では難しかったらしい」
市松「俺はまだ年は取っちゃいねえ」
勘助「俺のことだよ…夜の仕事は、あのわずかな隙間を掴みにくくなった…」
市松「そんなもんかね…」
竹串でちくわを食べていた市松は素早く勘助の胸を刺す。
勘助も畳針で市松の胸を突いていたが…針は市松の手に刺さって遮られていた。
↑仲間であった勘助との静かな対決。
EDの尺八アレンジBGM「沈痛」がいい味を出している。
↑老いを気にしていた勘助。
全盛期なら市松と相討ちだったかもしれない。
静かな対決のあと、いつもの殺しBGM「仕置」が流れるのもグッド。
④結果発表!
入れ札の結果発表が始まったが、そこに奉行がやって来た。
奉行は筆頭与力は自分が兼務すると言い出し、三候補は怒鳴られてしまう。
鳥居「村野、参考までに結果を読み上げろ」
村野「はっ…樋口又二郎殿、一票。水沼清之進殿、一票。日暮三吉殿、一票…」
鳥居「ふっふっふっほほほ…自選の一票だけか。人望がないの」
予想が当たり主水はガッツポーズ!
主水「ざまあみやがれ、見事な仕置だ。ところで配当は…」
計算高い主水さんで終わり。
↑村野様の司会が個人的に面白かったです。
↑「人望がないの」の一言で全てを終わらせた奉行。
最初と最後にちらっと出ただけなのに、すごい存在感でした。
↑珍しく賭けで勝った主水さん。
胴元の千里も寺銭二割もらえて大喜び。