J友さんが4回もご覧になったとか、昨日はTVで一番興行収入が多かったと報じていたので、これは私も1回は観とかなければと思い、一年ぶりに映画館に行きました。一年前に見たのは、1983年の35歳のジュリーが演じた「恋人よ我にかえれ」でした。
平日の午後の映画館は、会場にパラパラと客がいるのみ、私と同世代の女性の姿が殆どでした。一緒に観客が盛り上がれる、応援上映の回ではないです。ジュリーを見ている視点も入れて、映画を観ました。以下はネタバレありです。

映画はライブ・エイドの映像で、フレディの歌う姿から始まる。バンド側の視線から見る観客の姿、見たことも無いような巨大な会場には、いったい何万人の観客が入っているのか。この大歓声の数万のうごめく観客を前に、バンドが燃えないはずがない。反対にさいたまスーパーアリーナの時のジュリーの心境も感じました💦
曲と題名は一致しないけど、よく聞き知ったクイーン曲が流れると、もう初っ端からこの映画に心を掴まれている!と、そう自覚した。
そして物語は学生のフレディがバンドに加入するところから。 自分達でお金を工面してアルバムを作り、レコード会社の目に留まり、世界ツアーへと飛び出してゆく。ツアーの先にはもちろん「日本」も。自宅?に日本の神社のお札が貼ってあった(笑)フレディは日本が大好きだっだそうです。
ところで「ツアー」ではない、正しい初音は「トアー」やった~! 全然違うやん(笑)
彼らはどんどんその存在感を増し、スターダムに駆けあがってゆく。テンポよくさっさと成功するバンドに、この辺はタイガースがなんば一番でスカウトされて、東京に出て、人気者になってゆく姿と全く重なって見えた。
フレディの衣装の華やかで攻撃的なスタイルも、ビジュアルを見ているだけで楽しい、やっと日本もジュリーが華やかに着飾りだした頃か。70年代の初めはまだ世界的には保守的で、下半身を写すなとか、BBCは口パクしかダメとか、へ~ やはり隔世の感があります。
グループ活動だと必ずあるのが、グループ内部の軋轢で、御多分にもれずフレディにソロ活動の声がかかる。思いどうりにできないことに不満を感じていたフレディは、ソロ活動を開始、多額の契約金と共に。グループを続ける事の難しさや、お互いに妥協をしたくない姿勢はわかる。この辺は金で簡単に動かない我がジュリーさまの偉大さを思います。
フレディが英国産まれではなく、マイノリティの出身であったとか、実はゲイだったとか、そんな事も映画で初めて知った。孤独感を深めてゆくフレディの姿は、こちらの心にも痛みを覚えるほどで、どうにもならないもどかしさを感じた。
が、ここまで映画を見ながら思ったのは、これは「特別な物語」と言うほどのもの? これはよくある有名バンドの成功譚ではないのか、なんで何度も観たいのか理解できない・・しかし、ここから1985年のライブ・エイドへと、物語はなだれ込んでいく。
ライブ・エイドの映像、20代の頃によく聞いた音楽、ジュリーの曲じゃないのに、このわたくしまで俄然、血沸き肉踊ってしまった~ 
『俺たちの生死は誰も気にしていない♪』心にグサリと刺さる歌詞、かと思えば青春の甘酸っぱい歌詞、フレディの高い声に心が思わず揺さぶられずにはいられないの。
今まで、クイーンの歌詞なんて全然知らなかった。熱狂する観客に、やっとクイーンの本質の一端がほんのすこ~っしだけ、見えた気がした。『罪を犯していないのに罰をうけてきた♪』それは誰の事、ジュリーが非難された姿をまた投影してしまった。
ジュリーが遠い・・なんてもんじゃないほどの、遥か彼方の遠~い所で歌っているフレディ達に、観客は同じフリして同じ足踏みを刻む。ドンドン ドン! ドンドン ドン! フレディが観客を煽る姿はジュリーと変わらない、いつのまにか私もあの数万人の中の観客の一員になって静かに熱狂していた。心が気持ちがクイーンの音楽に共鳴し震える、そのうちに涙がジワジワ~と溢れて来て、もう止まらない。鼻水まで出てきた


これは何の涙なんだか、自答してもわからない。ただ私は彼らの演奏と歌に興奮して、入り込んでしまったのは間違いない。この爽快感、この高揚感


ジュリー以外のアーティストのパフォーマンスに涙したのは初めての経験で、観客が何回も観に行きたい!楽しい!一緒にパフォーマンスしたい!と思う気持ちが、やっと理解できました

(でも多分、これ1回だと思います・・が、ライブシーンは何度でも見たい!)映画に感動を伝えたくて拍手をしたかったが、誰もしないので 小さく拍手して帰った。
その人生は少なからずの部分で共通点がある が、我らがジュリーとフレディの明らかな違い。フレディはエイズで45歳の若さで亡くなってしまった、でもジュリーは70歳を迎えても歌い続けてくれている。今年も我が町まで来てくれる、こっちから逢いにも行ける、それはなんという幸せか。

ジュリーは心と身体の均衡を強い気持で自分で守り続けてきたのだろう。
まだ観に行っていない方には、おすすめします。パンフまで買っちゃったわ!
