長生き日記

長生きを強く目指すのでなく良い加減に楽しむ日記

582 ウスカワマイマイ11 飼育雑録

2018-05-04 23:45:18 | 日記
  これまで書いたように8か月ほど飼っていて気付いた点をメモしておく。条件を管理していたわけでないからあくまでいい加減な経験と直感上のことである。卵の孵化、子供の成長、親の活動と産卵は高温(20℃以上35℃以下くらいか)と高湿度(かなりのびしょびしょ状態、ただしそれが長期間継続するのは環境的によくなさそうで、たまに軽く乾燥するがよい)が必要である。餌は野菜くずなので食べ残し、糞の手入れを怠ってもアンモニアがそれほどは出ないのが幸いだが、そういう状態は好きではなさそうで、掃除してやると活動がよくなる。野外なら移動すればよいのだろうが、狭い飼育・高密度条件では真面目にあるいは愛して増やすなら掃除、土替えをまめにすると良いだろう。雌雄同体なので産卵させるのは楽である。メダカのようにオスメスいるかなあなんて心配しなくてよい。二匹が交接して精子を交わし両者とも産卵に至るようだ、一回の交接で数回分の産卵用の精子が供給されるのかもしれない(交接目撃頻度は多くはない、短時間にこそっとやっているのかもしれない)。全体として飼いやすいし、可視的なので、小学生から高校生の観察日記などには好適であろう。成長(殻外径など)、孵化の日数などがまあ順当だろうが前述のように温度湿度で大きく異なるから、小学生高学年以上ならそういうモノだと気づかせるのが良いだろう。いまウチに千匹近くいるのは全て初めの6匹に由来するので、遺伝的多様性が低いのが心配である。カップルが複雑になるとやがて遺伝的にも多様になるのだろうか。ミトコンドリアDNA解析すればいろいろわかるのかもしれないがとりあえずはそんな必要はないだろう(僕は嫌いだし)。マイマイ受難と科学競争状態がこのまま進むと、50年後くらいに日本各地のウスカワマイマイの系統解析とか論文を書きたがる人がでてきて、「ん?東京では変な集団が優占しているな」とか解析されて、文献に長生き日記が登場したり(なんてことはないか)。そうそう、一月に沖縄に行った時、いろいろなマイマイがいたのだけれど、ウチのウスカワマイマイにそっくりなのもいた。一応気にはしているので、それを持ってきて交雑させたりはしなかった(落ちていた殻は拾ってきた)。
写真は拾った殻。 板橋のは例のビルより数百メートル北側のごみが捨てられている植え込みで見つけたもの。生きているのは見つからなかった。この殻の色はあまり関係ないだろう、風化の土合による。板橋の二つは殻の径と高さの比率がちょっと違うが成長の程度で変わるのか、個体変異かよくわからない。ウチのは中くらいまで左のように扁平だが大きくなると殻が盛り上がる気がする。残念ながら(幸いにも)、親世代の6匹を含め大きいのがまだ死んだことないので標本にできない。