脳辺雑記帖 (Nohhen-zahts)

脳病と心筋梗塞を患っての独り暮し、Rondo-Nth の生活・世相雑記。気まぐれ更新ですが、気長にお付合い下さい。

自分主義者の、トランプ劇場。

2017年01月28日 18時01分23秒 | 社会時評
アメリカでおかしな男が大統領になってしまった。移民排斥でメキシコ
国境に壁を建設するとか、マスコミとも喧嘩腰、観ていると、まるで三
流政治コメディの主演俳優か。半ば飽きれ冗談かと思っていたが、全て
本気のようだ。自分中心にディール(取引)感覚で、世界を引っ掻き回そ
うとする。これが自由と民主主義の国、今後のアメリカ大統領とは‥。

トランプ氏は、歴代大統領では支持率最低だが、それでも米国民の半分
は彼を支持しているのだろう。トランプに眼を注ぐのと同程度に、彼を
支持し彼に期待する現今のアメリカ国民像というものについても、よく
よく考えておくべきだと思う。

アメリカ民衆史に通じている訳でもないが、ひょっとして戦前の米国民
の大衆意識、モンロー主義時代の「大国アメリカ」という無意識(或い
はその幻影)にアメリカ社会が遡行し始めているかのような‥、一部そ
んな印象も、私にはある。

トランプ氏に鼓舞されて、極右主義が米国内外で蠢動している様子であ
るが、彼には右・左のイデオロギーはなく、利益であるか否かが判断の
基軸であり、極私主義のビジネスマンというのが、私の感じるトランプ
像であるが、これは偏見なのかどうか、自分でもまだ未判明である。

トランプ氏が歴代大統領と大いに異なるのは、彼は大統領である前に、
自分の信念や妄念で周囲を突き動かそうとする「カリスマ」である点だ。
その資質には、どうしても危険な匂いがつきまとう。ヒトラーのような
タイプかどうかは知らないが、米国民は今まさに、「カリスマ」を求め
ているという時勢なのかもしれない。

昨今「ポスト真実」という言葉を耳にするようになった。世界は、客観
的事実よりも、感情や信念に訴えるものが影響力を行使する時代になっ
たとかいう。トランプ氏はまさにそのような時代を象徴する人物に見え
るが、それでは世界は再び、国家が理性を喪い、狂信的な指導者の下に
鎬を削る時代へと振り戻りつつあるのだろうか?

アメリカのいち指導者が、そんな愚かな時代の幕開けを画するのならば、
我が国は、先の大戦とは逆に、平和主義と自由と民主主義の国是を以て、
アメリカと外交その他で対峙すべきである。極東に理性の国家あり、世
界に冠たるニッポンの国家理性を、アジアの「真実」を示すべきである。

‥と、皮肉交じりに書いてはみたものの、
トランプ氏の美質、時代を新たに切り拓く可能性の方も、しばらくは見
守るべきであろうか。この稀代の不動産ディベロッパー氏が、21世紀
世界の新たなるフロンティアとして称賛される局面もあるものか、私も
固唾を飲んで、慎重に模様眺めである。











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