思い出横丁なんて言うよりも、
やっぱりしょんべん横丁ですよね、ここは。
学生の頃は高くてあまり来れませんでした。
二十代の頃は深夜に泥酔して先輩に連れて来てもらっていたので、
しっかりとした記憶には残っていません。
確か、餃子とラーメンとチャーハンを食べていたはず。
三十代の頃はスプーンが六本木だったので、
縁遠くなってしまいました。
四十代になって、金銭的には何とか払えるようななったけど、
何せ家が習志野だったので、
本当にたまにしか訪れませんでした。
五十代半ばを過ぎた今、
諸条件が揃って来やすくなっています。
そんな訳で先日の「つるかめ食堂」の確認に引続き、
「ささもと」と「岐阜屋」を確認してきました。
「ささもと」はシネスイッチ銀座のそばにあるあの「ささもと」と同じなんですが、
まったくもって同じ店とは感じられません。
同じなのは良い仕入れと一部高めの価格設定、
そしてローカルルール。
ビールやワインと赤身の刺身や焼きは高め。
焼酎(氷や「何とか割」的な物は無い)やモツ焼きは良心的。
ローカルルールは、
「焼酎は3杯まで」と
「キャベツ煮発注は終了の合図」です。
新宿店は「女性のみはお断り」との噂もありますが、
ボクは女性のみで行った経験が無いので真偽は分かりません。
美味しいですね、この店は。
ボクはすごく好きです。
今や観光客向けの努力に舵をとる他店に比べて、
地に足がついた営業をしています。
しっかり食べてしっかり飲む人を、
ベタベタせずにクールに迎える姿勢が良いです。
だからといって意を決して訪れる外国人には、
きちんと対応しています。
食べログくんたちがブツブツ言いそうな「ささもと」には、
ぜひともこのままのポリシーで続けて欲しいものです。
「ささもと」で肉刺し・串焼・煮込み(キャベツ串の煮込み)をいただいた後は、
「岐阜屋」に異動して締めの炭水化物を摂取します。
この店の従業員の「来た客は、何とか詰め込んで座らせる」という姿勢は大したものです。
怒号に近い会話が従業員の間で飛びかっています。
とにかく詰め込むためには、
料理を早く出さなくちゃダメ。
見切り発車をして焼き続けている餃子は、
発注したと同時に供されます。
こちらも負けじとテーブルに置かれた瞬間に食べ始めます。
相手のペースに会わせてばかりだと忙しないので、
ボクはこの店ではホッピーを飲みます。
自分で調合しながらペースをつかむのです。
そして木耳と玉子のあんかけ。
チャーハンも同時に発注しました。
ハフハフしながら美味しそうに食べていると、
隣の席の外国人が熱い目線を送ってきています。
外国人向けのガイドブックにも紹介されたことのある岐阜屋ですが、
ラーメン・チャーハン・餃子・野菜炒めくらいまでしか載っていません。
彼らにとってはホッピーの中を追加しながら木耳を食べる人は
想定外なのでしょう。
フッフッフッ。
新宿はもっともっと深いんですよ!
本来は地元で働くオッサン達のために存在すべき横丁が、
外国人観光客やあまり飲まないカップルなどに媚びているように感じました。
まぁそれもしょうがない。
それぞれが生き抜かなくちゃならないんだから。
でもこのままだと、横丁はテーマパークになってしまいます。
長い目で見ると亡びる方へ向かっているのでは?
だからこそ、「ささもと」や「岐阜屋」には変わらないで欲しいものです。