坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

身近になったアートフェア G-tokyo2011

2011年01月21日 | 展覧会
枝をぴーんと張った木立が晴れた空に向かって伸びています。冬の木立は青葉茂れる頃とまた違った力強い生命感を感じさせます。
春に向けて徐々にアートイベントも始動。昨年から始まった〈G-tokyo2011〉(森アーツセンターギャラリー・六本木)は、世界に発信する15のトップギャラリーが集結。会場は各ブースに区切られ、個展形式やグループ展などで各ギャラリー一押しのアーティストの作品が身近に鑑賞できます。現代アートというと、分かりにくいという面があるかと思いますが、直感でこの作品面白い!と思われたら、オーナーのギャラリストに声をかけて聞いてみるチャンスです。昨年も会場内は熱気がありましたが、今年はさらに2ギャラリーが加わり、会期も9日間と延長されました。小山登美夫ギャラリー、ミヅマアートギャラリー他グローバルマーケットに参画しているギャラリーが一堂に会して行われ、アクセスも六本木ということで通常は全部はなかなか見て回れないこともありアートの最前線に触れる絶好の機会となります。アートフェアはその場で作品を買うことができるチャンスであり、気になっている作家の資料を集めるのにも有効です。
掲載作品は、参加ギャラリーのケンジタキギャラリーに出展するアルフレッド・ジャー「Untitled(Water)」1990年
©Alfredo JAAR Courtesy of Kenji Taki Gallery
ジャーは、チリ生まれのNY在住の作家で、3つのライトボックスの光によって浮かび上がる青い海の写真とベトナム難民のポートレイトなどのインスタレーション作品です。
会場の多様な作品を通して現代の空気に触れるのもいいと思います。

◆G-tokyo 2011 /2月19日~27日/森アーツセンターギャラリー