ロスがないスピーカーケーブルの太さは？ vol.13

『ロスがないスピーカーケーブルの太さは？　vol.12』の続きです。

これまでスピーカーケーブルの適切な太さについて考えてきました。

今回は構造について考えてみます。

リッツ線と呼ばれるケーブルがあります。



細い銅線を並列にたくさん使用して表皮効果を利用することでロスを減らそうというケーブルです。

表皮効果とは交流電流が金属に流れるとき、表面近くで電流がたくさん流れ

深くなるほど流れにくくなるという現象です。

これは周波数によって電流が流れにくくなる深度は異なり、

1KHzでは表面から2.1mmでの電流値は表面の36.7%ほどになるといわれています。

つまり直径1cmの銅の棒であっても中心付近にはほとんど音楽信号は流れず

表面から2.1mmの薄皮のような部分に63.3%の音楽信号が流れるということです。

そこで細い線をたくさん束ねて並列に接続して使うことによって

音楽信号がたくさん流れる表面部分を増やし、

ロスを減らそうというスピーカーケーブルがリッツ線ですが・・・

そもそも、

2スケアの銅線が円柱だったと仮定すると

2=r^2×3.14

ｒ=0.8

直径1.6ｍｍの円柱になります。

直径1.6ｍｍの円柱に2.1ｍｍの深度の部分は存在しません。

つまり、2スケア程度の電線であれば、それ自体で十分に表皮高価の恩恵を受けており

これを0.2スケアの電線１０本を束ねたところでたいしてかわりません。

リッツ線による表皮効果の恩恵を受けるのは人の腕ほどの太さのスピーカーケーブルを使う場合でしょう・・・。

次回に続きます。



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