大震災後に原発事故。日本は今大変な時期にあります。筆者も毎日固唾を飲んで日本の行方を見守っています。
それでも炉心爆発がなかったのは不幸中の幸い。TEPCOにより工程表公開されたこと等を受け、海外での反応も徐々にひと安心に変わりつつあるようです。
ところで現在彼方此方のメディアで、放射線量の報道が頻繁に行われています。シーベルトだの、レムだの、シーピーエムなど・・・。放射線科学、量子力学などを学んでない方々にとっては???の連続でしょう。しかも「通常の▲●■倍」というとてつもなく大きい倍数を聞き、心臓が飛び出そうな思いをしたことでしょう。
科学の世界では、旧単位系(cgs)と国際単位系(SI)があり、世界では後者の方が使われます。
旧単位系(cgs)・・・cm(センチメートル)、g(グラム)、s(秒) 等
国際単位系(SI)・・・m(メートル)、kg(キログラム)、s(秒) 等
しかしロシアでは、研究機関を除き、前者がよく使われるようです。放射線分野は長年従事しているベテラン技師が多く、放射線という生物にとってナーバスな問題を考える際単位に振り回されたくないということで、従来の単位を使うようです。
というわけで、ロシアでは旧単位系の「レントゲン」という単位を使う慣習があります。レントゲンRとシーベルトSvの定義は厳密にいうと違いますが、レントゲン(単位:R)は、
1[R] = 8.77[mGy] ≒ 8.77[mSv]
と換算されます。mはミリ(=0.001)。よく耳にするマイクロμはミリの下(1000分の1)の単位で、0.000001です。
上記を予め知識に入れたところで・・・
ここで、ロシアじゃ放射線どーなのよ、とお思いになっている方多いと思いますので、書いておきます。
ロシアの空間放射線量データは、ロスアトムが発表しています(といっても原発周辺での値で大まかですが)。単位はRでもSvでも見ることができます。
http://www.russianatom.ru/
ムルマンスク州に関してはムル気象センターが毎日発表しています。観測ポイントは50箇所。単位はμR/時。
http://mtrs.ecoinfo.ru/mtaskro/USR/w3dvmax.exe
ムルマンスク市では5[μR/時]が平均です。
参考までに、数年前の冬に撮影したムルマンスクの気象情報の写真(上)をご覧下さい。冬将軍様が来ムルしてたときの写真です。一番下が空間放射線量情報。4[МКР/Ч]というのは4[μR/時]ということです。
ちなみに電光掲示板上から順に、気温マイナス28℃、気圧755mmHg(≒1007hPa。水銀を基にした旧単位系)、風速6m/s、1時間あたりの空間放射線量4μR(マイクロレントゲン)。
Svに換算すると、大体0.035[μSv/時]となります。2011年5月3日現在の東海地方のそれと大体同じです。
ロシアでは、自然界レベルとして10[μR/時]≒0.09[μSv/時]前後が普通のようです。
でもなんだかんだ生きてます。
だから、報道でよくいわれる「通常の▲●■倍」とかいうアオリ情報に怖がらず、冷静に対応するように心がけましょう。
あと欲しいのは、水の情報ですね。
ロシアの水道水の放射性物質残留量データは、残念ながら見つけられませんでした。
ロシアには、もっとグラースノスチ(情報開示)してほしいですね。
ブログランキング【くつろぐ】
それでも炉心爆発がなかったのは不幸中の幸い。TEPCOにより工程表公開されたこと等を受け、海外での反応も徐々にひと安心に変わりつつあるようです。
ところで現在彼方此方のメディアで、放射線量の報道が頻繁に行われています。シーベルトだの、レムだの、シーピーエムなど・・・。放射線科学、量子力学などを学んでない方々にとっては???の連続でしょう。しかも「通常の▲●■倍」というとてつもなく大きい倍数を聞き、心臓が飛び出そうな思いをしたことでしょう。
科学の世界では、旧単位系(cgs)と国際単位系(SI)があり、世界では後者の方が使われます。
旧単位系(cgs)・・・cm(センチメートル)、g(グラム)、s(秒) 等
国際単位系(SI)・・・m(メートル)、kg(キログラム)、s(秒) 等
しかしロシアでは、研究機関を除き、前者がよく使われるようです。放射線分野は長年従事しているベテラン技師が多く、放射線という生物にとってナーバスな問題を考える際単位に振り回されたくないということで、従来の単位を使うようです。
というわけで、ロシアでは旧単位系の「レントゲン」という単位を使う慣習があります。レントゲンRとシーベルトSvの定義は厳密にいうと違いますが、レントゲン(単位:R)は、
1[R] = 8.77[mGy] ≒ 8.77[mSv]
と換算されます。mはミリ(=0.001)。よく耳にするマイクロμはミリの下(1000分の1)の単位で、0.000001です。
上記を予め知識に入れたところで・・・
ここで、ロシアじゃ放射線どーなのよ、とお思いになっている方多いと思いますので、書いておきます。
ロシアの空間放射線量データは、ロスアトムが発表しています(といっても原発周辺での値で大まかですが)。単位はRでもSvでも見ることができます。
http://www.russianatom.ru/
ムルマンスク州に関してはムル気象センターが毎日発表しています。観測ポイントは50箇所。単位はμR/時。
http://mtrs.ecoinfo.ru/mtaskro/USR/w3dvmax.exe
ムルマンスク市では5[μR/時]が平均です。
参考までに、数年前の冬に撮影したムルマンスクの気象情報の写真(上)をご覧下さい。冬将軍様が来ムルしてたときの写真です。一番下が空間放射線量情報。4[МКР/Ч]というのは4[μR/時]ということです。
ちなみに電光掲示板上から順に、気温マイナス28℃、気圧755mmHg(≒1007hPa。水銀を基にした旧単位系)、風速6m/s、1時間あたりの空間放射線量4μR(マイクロレントゲン)。
Svに換算すると、大体0.035[μSv/時]となります。2011年5月3日現在の東海地方のそれと大体同じです。
ロシアでは、自然界レベルとして10[μR/時]≒0.09[μSv/時]前後が普通のようです。
でもなんだかんだ生きてます。
だから、報道でよくいわれる「通常の▲●■倍」とかいうアオリ情報に怖がらず、冷静に対応するように心がけましょう。
あと欲しいのは、水の情報ですね。
ロシアの水道水の放射性物質残留量データは、残念ながら見つけられませんでした。
ロシアには、もっとグラースノスチ(情報開示)してほしいですね。
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「ロシア取材情報」さんのブログからの情報です。
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