ムルマンスク便り

-夏の完全白夜、冬のオーロラ- ロシア連邦北西部にあり北極圏最大都市ムルマンスク市(ムールマンスク)の現地情報をお届け。

生まれたままの姿で海に抱かれよう/ソチ市近郊(6) アドレル

2008-08-25 00:00:00 | ムルマンスク⇔ソチ 3866kmの旅
アドレル(АДЛЕР)は、ソチ駅から電車で40分(20ルーブルくらい)、マルシュルート135で60分(20ルーブルくらい)。

アプハジア自治共和国との国境付近に位置するアドレルはその昔村でしたが、アドレル・ソチ国際空港の建設により一気に栄えました。小さな空港ですが利用者は多く、特に夏季はひっきりなしに運行しています。夏季限定ですが、ムルマンスクへの直行便もあります(週2便)。

浜辺はソチ市街ほどではないですが賑やか。空港が近くにあるので、浜辺で寝そべっていると発着便の往来の音がとても大きく聞こえます。航空機ヲタの方なら、飛翔している航空機の容姿から機種を言い当てられるかもしれません。それくらいの距離です。

浜の近くには、白亜の壁と鱗模様の屋根が印象的なロシア正教会があります。ロシアの著名なイコン画家、アンドレイ・ルブリョフの「三位一体」のレプリカが、教会入口に掲げられています。

また、アドレルには有名なスポットがあります。

ここはソ連時代から、ヌーディストビーチ(Нудистический пляж)があることで有名です。またはナチュリストビーチ(Пляж натуристов)とも呼ばれるそうですね。

追記:弊ブログ人気ランキング見るとこのページが多いようなので、ヌーディストビーチ関連情報は続編「やっぱ黒海は気持ちイイ~♪ですねぇ。(2009.09.25付)」も併せてお読みください。[2014.01.09]

なんでも、およそ20年前に誕生したロシアで最も古いヌーディストビーチとのこと。ソ連邦崩壊の数年前といったところでしょう。あの頃は既にイデオロギーもグダグダだったとはいえ、状況を知らない人が聞いたら、ソ連という国がますますわからなくなるでしょう。

日本にはそのような専用区画はありませんですが、非公式では存在するようですね。大型SNSのmixi内には1,300名ものコミュニティ参加者がいて、情報交換されているようです。

ヌーディストビーチといえばむしろ、フランス、ドイツ、アメリカ、カナダなどが有名です。ロシアのそういった情報はなかなか見つけにくいのですが、筆者が調べた限りでは現在、モスクワ(5箇所)、サンクトペテルブルク(1箇所)、クリム(1箇所)、アドレル(1箇所)の4都市9箇所に専用区画があるようです。結構あるものですね。

筆者が訪れたときには、そのようなアドレルの園の人々に会いませんでした。
いるときは白昼堂々と日光浴をされているらしいのですが、時間帯や季節を見計らって出かける必要ありかも。浜辺の傍にはビーチバレーコートもあります。アドレルの園の人々が対戦するのでしょうか?

ここのビーチの良さは、日本人が一人もいない、というところだと思います。四方八方知り合いどころか、日本人が一人もいないので、視線や盗撮などに対する不安が薄らぐかもしれません。外国人向けの案内は全くありませんですし、皆さんロシア語で話しますので、ここまで来ようとする外国人は極めて稀です。更に、この専用区画はかなり奥にあります。

ヌーディズムを実行している人は、自然回帰志向であったり、衣服の拘束からの解放感を味わう目的を持った人です。彼らは、他人に裸を見せたり見られたりすることを楽しむ露出行為や、性的活動が目的ではありません。

従って利用される際は、裸=性と結び付けて彼らの活動を"性的なもの"と捉えないよう常に意識し、撮影行為や性行動などを止め、彼らの平穏を脅かすことが無いようにお願いしますね。平和に活用ね。
(*^▽-)bネッ

<画像>
1コマ目 アドレルの位置
2コマ目 アドレル鉄道駅舎(左上)
      アドレルの教会(右上)
      列車内の様子(左下)
      列車内の様子(中下)
      教会のイコン、A・ルブリョフ作「三位一体」(右下)
3コマ目 浜辺の様子(左上)
      誰かが浜辺につくった石のアート。太陽マークの下にАДЛЕР2008と書いてあります(右上)
      スタローバヤの看板(左下)
      浜辺からみえる飛行機(右下)
4コマ目 浜辺の様子(左上)
      美化を呼びかける看板。Чистота - это красота.(清潔-これは美である)(右上)
      別の専用ビーチを案内する落書き(電話番号つき)(左下)
      筆者妄想図(右下)



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2 コメント

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「ソチ(Сочи)」という歌を聴きましたが、 (スタヤーチ)
2008-09-07 23:03:24
ヴィーカ ツィガノヴァ(Вика Цыганова)さんの「ソチ(Сочи)」という歌を聴きましたが、「Голый ходит по пляжу」という部分はこのビーチのことでしょうか?
返信する
Голый ходит по пляжу (MOPAchka)
2008-09-10 06:11:43
スタヤーチさん、初めまして。カキコありがとうございます。

ヴィーカ・ツィガノヴァが95年に発表した、アルバム「Эх, не грех(嗚呼、悪くは無い)」の中の楽曲「ソチ」ですね。歌詞2番目最初のところ。
該当箇所を、露文ではなく和訳したものを掲載します;

 ここでは人々は悲しみを知らない
 裸の人々が浜辺を行く
 私は海辺に沿って散歩に出かける
 椰子の木の下で跳ね踊る

ソチでの想い出を綴った歌、といったところですね。

でも、ソチ市街にはナチュリスト専用区画は無く、近郊ではアドレルにしかありません。

まぁソチ市でも稀に、崖下の死角になりそうなところに、そのような方はいます。ソチ旅行中、電車の車窓から偶然目撃したことがあります。

或いは、「悲しみなどを背負っていない全く身軽な人」の比喩で「裸の人」と表現したのかもしれませんね。

いずれにしても歌詞の真意は、この歌の作詞をされたワジム・ツィガノフ氏(ヴィーカさんの旦那さん)に訊いてみないとはっきりしたことは言えません。

***
ここでヴィーカ・ツィガノヴァを知らない方に解説。

日本から近い、ロシア連邦沿海州の政令都市、ハバロフスク出身の歌手。もうすぐ45歳。ウラジオストク市にある極東演劇単科大学卒業後は沿海州を中心に主役レベルの大役を次々と演じるほどの才能の持ち主だった。演劇で成功していた88年には、音楽ユニット「モーレ(海)」のヴォーカルとして音楽活動もし始めた。そのとき作詞担当だったワジム氏と結婚。91年に1stALBUM「グリャーイ・アナルヒヤ(彷徨え無秩序)」を出す。ソ連崩壊したてだったころ、放浪者や愛国主義者の代弁をするような作品やロマンス作品、ポップス、ロックなど様々なナンバーを出し好評を得た。2000年半ばには自分の服飾ブランドTSIGANOVAを立ち上げ、こちらの分野でも最高の道を歩んでいる。

・・・多芸多才&運の良い才媛なんですね。ビックリ。
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