
「無謀だわ」とナミが呆れて言った。
ナミは、船員も船も装備も食料もないまま、小舟で世界で最も危険な場所である”グランドライン”へ突入するなんて無謀過ぎるので、船員と大きな船を用意する為、近くの島に立ち寄ることとした。
その頃、近くの島では、村の若者ウソップが海を眺めていた。
今日もいつもと同じ、退屈な日が明ける。

代わり映えのない平和な村に、代り映えのないウソップの声が響いた。
「たいへんだー!みんな大変だーーーっ!!!海賊が攻めてきたぞーーっ!!!」

でも、誰も本気にする者はいなかった。
ウソップのホラ吹きが聞こえると、そろそろ仕事を初める時間だ。
でも、”ほらふきウソップ”をとっちめてやろう、と今日も家々から人々が出てきて、ウソップを叱責さながら追いかけた。
そんな退屈で平和な日常の、平和な毎日の出来事にウソップは満足していた。

そんなウソップの元に、村の少年「ピーマン」と「にんじん」が現れた。
「おはようございます!キャプテン・ウソップ!!」「ウソップ海賊団、参上しました!」
一足遅れて駆けてきた「たまねぎ」は「大変だーーー!海賊がきたーー!!」と大慌てで報告した。


本物の海賊が来たと聞いて、当初は逃げ腰だったウソップ船長だったが、相手が小舟で3人だけと知って、俄然やる気が出てきた。
その3人の海賊とは、ルフィ、ゾロ、ナミで、3人に見つかったウソップは大見栄をきった。
「おれはこの村に君臨する大海賊団を率いるウソップ!!!このオレの八千万の部下達が黙っちゃいない!!」と言うも、誰も信じてなどいなかった。

「うそでしょ」 「ゲッ!ばれた!」
そんなやりとりをするウソップという男が、ルフィには面白くてたまらなかった。
すぐに意気投合した4人は、村のめし屋で海賊の話で盛り上がった。

ルフィ達が、仲間とでかい船を希望していると聞いて、ウソップは「この村で船があるとすりゃ、あそこしかねぇな。この村に場違いな大富豪の屋敷が1軒だけある。」と、ある富豪を紹介した。
「主といっても、病弱でいたいけな少女さ。1年くらい前、可哀想に病気で両親を失い、残されたのは莫大な財産と、でかい屋敷と、十数人の執事達。どんなに金があって贅沢できても、こんなに不幸な状況はねぇよ。」
「でも、仲間はいるぜ。オレが船長になってやってもいいぜ!!!」
と言うウソップに、3人は丁寧にお断りした。
その御屋敷では、カヤお嬢様が、ウソップに会いたい、と漏らしていた。

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