去年(2013)自主上映で観た外国映画は18本。1年間にスクリーンで観た映画は、全部で47本。一昨年までは100本以上観ていたのが、今となると自分でも信じられません(^^;
色々な理由で、映画は「録画して家で観る」ことがメインになってしまいました。(そういう方法では、この他に100本くらい観ています)
でもスクリーンで観るのが好きなのは、今も変わりません。
去年は、温暖化その他についても日本丸の行く末?についても、なんだか「先が見えなくなる一方」みたいな年でした。(少なくとも私はそう感じました。今年に入ってからも、ますます自分が「少数派」でしかないのを痛感させられています)
個人的には、気力・体力とも「地面スレスレ」状態が続くせいで、いろいろなコトに無関心になっていく一方だった年でもあります。(こちらは漸く、少しずつマシになってきました)
2006年の分から書いてきたこの1年分の「ひとこと感想」も、いつ「どーでもいい」になるかわからない(^^;ので、取りあえず気が変わらないうちに、書き始めることにします。
・・・・・と、ここまで書いたのが実はお正月のこと。
では、以下鑑賞順に。
☆『オレンジと太陽』(監督:ジム・ローチ 脚本:ロナ・マンロ 原作:マーガレット・ハンフリーズ 2010 イギリス)
ホテルの一室を整えて母親のその後の消息を本人に告げるシーンは、その映像の美しさが余計に切なくて・・・。
http://blog.goo.ne.jp/muma_may/e/58627c47707088896d12ea3c96b48bbe
☆ 『マリリン 7日間の恋』(監督:サイモン・カーティス 原作:コリン・クラーク 2011 アメリカ=イギリス)
こういう胸の痛くなるような美しさ(愛おしさ?)って一体何なんだろう・・・マリリンの写真に出会うたび、いつもそんなことを思ってしまう自分。
http://blog.goo.ne.jp/muma_may/e/f0bb1b54e664715e509a9221ef29eed8
http://blog.goo.ne.jp/muma_may/e/b7dca0ad7588f252272e29bb706da545
『ソハの地下水道』(監督:アグニェシュカ・ホランド 2011 ドイツ=ポーランド)
映画には「におい」はないし、太ったネズミにかじられる危険性もない・・・総毛立つ思いでソンナコトを考えた。でも、後味はとても良かった映画。
http://blog.goo.ne.jp/muma_may/e/b7acc4ea2903ac0fc540c2624addf667
『シェフ!』(監督・脚本:ダニエル・コーエン 2012 フランス)
メモには1行、「ほどほどに楽しいコメディ」とだけ。(観た後、同時上映だった『屋根裏部屋のマリアたち』が始まったら、そちらの方にアタマが全部行ってしまったらしく、ストーリーも全然覚えていない。2人のシェフさん、ゴメンね~(^^;)
『屋根裏部屋のマリアたち』(監督・脚本:フィリップ・ル・ゲイ 共同脚本:ジェローム・トネール 2010 フランス)
コミカルなレイアウトのチラシが可愛い(^^)。(この映画で主人公の妻を演じているサンドリーヌ・キベルランは、地味~に見えて、実はとても瑞々しく魅力的な女性。最近、『シャンボンの背中』という映画をTVで観て、さすがフランスの女優さん~♪ と)
http://blog.livedoor.jp/hayasinonene/archives/28668432.html
『東ベルリンから来た女』 (監督・脚本:クリスティアン・ペッツォルト 2012 ドイツ)
あのラストの後、ヒロインがどうなったか・・・9年後には、ベルリンの壁は崩壊するんだけど、それまでどう生き延びたかが気になって・・・。
http://blog.livedoor.jp/hayasinonene/archives/28829761.html
『塀の中のジュリアス・シーザー』 (監督・脚本:パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ 2012)
観ているうちに、刑務所の中が古代ローマに見えてきた~。
http://blog.goo.ne.jp/muma_may/e/f367cf1bcc525a487bd3e8092d328b15
『別離』 (監督・脚本・制作:アスガル・ファルハーディー 2011 イラン)
去年のベストテン上映会で、2012年の外国映画1位として上映されたイランの作品。(以前録画して家で観たことがあったけれど、勧められてスクリーンで再見。)「あーわかるわ~」「現実ってホント、そうなのよね~」と思うシーンが多々ある映画で、とにかく中身がギッシリ詰まっているというか、現代イランの日常がいかに新旧さまざまなモノの混在した中で営まれているか・・・に、何度観ても胸が詰まる思いは変わらなかった。そしてそれらは、日本にいる私にも地続きの問題だったりするのだ。
主人公夫婦の娘の未来をどう想像するかによって後味が変わりそうだけれど、観た直後は気が滅入った私も、今こうして思い返してみると、「大丈夫~それでも人生は続く。両親は貴女のことホントに愛してるんだから」と思う。口数が少なく内気な表情の少女の顔が、今も忘れられない。
『最終目的地』(監督:ジェームズ・アイヴォリー 原作:ピーター・キャメロン 2008 アメリカ)
シャルロット・ゲンズブールも真田広之も、実年齢よりかなり若い役柄を自然に演じているのに感心して観ていた。(役者さんってスゴイなあ)
http://blog.goo.ne.jp/muma_may/e/74eb09cdb731c7147fbfa97078b2be71
『もうひとりのシェークスピア』( 監督・制作:ローランド・エメリッヒ 脚本・製作総指揮:ジョン・オーロフ 2011)
舞台やお芝居に纏わる話もミステリーも好きなので、「シェークスピア別人説」に基づく物語・・・なんて聞くとわくわくしてしまう。ただ、この時代(16~17世紀)のイギリスの歴史に疎いせいもあって、観ている間はお話についていくのが結構大変だった。(例えば3人も伯爵が出てくると、名前も顔も区別できない瞬間が・・・(^^;) おまけに、この脚本でのエリザベス一世の行状が凄まじい?ので、人間関係が複雑で(息子がゾロゾロ(^^;) 込み入ったストーリーに辛辣な会話、豪華な舞台装置と凝った演出。ノホホンな私にはちょっと目まぐるしすぎるような作品だった。
それでも・・・私はこの映画がキライじゃない。その一番大きい理由は、主人公エドワードの人物設定と、演じている俳優さん(リス・エヴァンス)が気に入ったからなんだろな~と。ああいう人なら、あんなお芝居や詩を書くかもしれないな・・・という気にさせられるから。私がこれまでに読んだり観たりしたシェークスピア本人の人物像としては、この「オックスフォード伯」がいちばんしっくりくる・・・というか。
(リス・エヴァンスは『 ノッティングヒルの恋人』でしか知らなかったので、エドワードを見ながら自分の眼がなかなか信じられなくて困った(^^;けど、 ヴァネッサ・レッドグレイヴのエリザベス一世はとっても可愛らしかった~♪)
『アンナ・カレーニナ』(監督:ジョー・ライト 脚本:トム・ストッパード 2012 イギリス)
メモには「キーラ・ナイトレイの美しさと演技力のお蔭で最後まで観ていたような感じ。演出が凝っていて面白いのと、調度や衣装の美しさも眼を楽しませてくれるけれど、私としては“音”の使い方がオモシロイと思った」なんて書いてあるけれど、オモシロイと思ったはずの「音」のことはサッパリ思い出せない(^^;。(聴覚的な記憶は、私はすぐに消えてしまう)
今浮かぶのも、とにかくキーラの一人舞台を観ていたような印象だけ。でもこの女優さんは好きなので、演技力だけが問われるような役柄ばかりじゃなく、たまにはこういう(オーソドックスな意味で)「美しい」姿も見られると嬉しい~(^^)。
『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』 (監督:ジョン・マッデン 2011 イギリス=アメリカ=アラブ首長国連邦)
メモには「人生に一旦区切りをつけて、インドでホテル暮らしを始めたら・・・というイギリス人熟年男女7人の物語は、チラシの謳い文句通り、まさに“名優たちの演技合戦”だった。群像劇は元々好きなので、ただただ俳優さんの演技を見つめていた感じ。ただ・・・インドという場所の雰囲気、あの賑やかさ、人の多さ、騒音や立て込み具合・・・などなど、私はもうダメだな~とも。」
ああいう熱気や色彩刺激は、イギリスの年配者から見たら異文化そのものなのかもしれないけれど、私はこの映画の登場人物たちほどエネルギー・レベルが高くないのがよく判った・・・らしい。(熟年といっても、みんな元気なんだもん。って、それほどの年齢じゃなかったのかな?(^^;)
『ハナ 奇跡の46日間』(監督:ムン・ヒョンソン 2012 韓国)
出演者たちは卓球の猛特訓をしたとか。(試合の臨場感に、部活でほんのちょっぴり卓球やってた頃のコトを思い出した~(^^))
http://blog.goo.ne.jp/muma_may/e/e058243f14db4c9f24c51a1d0e4e97fc
『愛、アムール』(監督・脚本:ミヒャエル・ハネケ 2012 フランス=ドイツ=オーストリア)
観る人によって感想が全然違いそう。(でも、色んな意味で「他人事」とは思えなくて・・・?)
http://blog.goo.ne.jp/muma_may/e/df9c708118a0738ca837e2a5a1d28fc0
『愛について、ある土曜日の面会室』(監督・脚本:レア・フェネール 2009 フランス)
メモには、「2日前に観た『愛、アムール』とはある種対照的で、“若い人が作った”とはっきり判る作品。でも、物語としてはこちらの方が、私には共感し易いと思った」などと。
タイトル通り、フランス・マルセイユにある刑務所の“面会室”を舞台に群像劇が展開するのだけれど、登場人物たちのみんながみんな「共感を呼ぶ」ような設定じゃないところが、私には寧ろ面白かった。若い恋人たちはいかにもその年齢らしく感情的(軽率?)に行動するし、それに巻き込まれる(協力する?)男性も何を考えてのことか(私には)よくわからないトコロがあるし、いくらなんでもあんな危険な依頼を引き受けるだろうか・・・というような話もあって。それでもそういうゴタゴタした感じ?が、それはそれで、刑務所の面会室という舞台に似つかわしくも思われて・・・アレコレひっくるめて、「若い作り手による作品」と感じたのだと思う。(個人的には、異国での息子の死の真相をどうしても知りたいと、アルジェリアから出て来る母親の話が一番胸に浸みた)
『マリー・アントワネットに別れをつげて』(監督:ブノワ・ジャコー 2012 フランス=スペイン)
メモには、「主役(朗読係の少女)を演じた女優さん(レア・セドゥ)が印象的だった」。(あとは本物のベルサイユ宮殿にロケしたという風景や王宮内の美しさ、王妃たちの衣装の豪華さなどに、ちょっと触れているだけ)
多分、私はこういう後味の悪い話は、元々苦手なのだ。階級社会と文化の享受の問題が土台にあって、しかも女性の間での感情的なあれこれ(憧れ・嫉妬等々)が絡む。(私の嫌いなモノばっか) 育ちの良い王妃の無邪気さ、悪気も何もない残酷さ。一方は、豊かさや美しさ(=文化?)への憧れがそのまま王妃への憧れである貧しい朗読係。そもそも{素敵な女性」に憧れる少女の気持ちというのが、私はワカラナイのかも・・・という気もしてくる。
それでもラスト近く、誰何されて毅然と答える彼女の姿は「印象的」だ。それまでは終始不機嫌そうで、ただただ「思いつめ」て「走り回る」彼女の姿は、あの年齢の少女がいつの時代にも見せるもの・・・とも思うので、余計にラストの彼女の表情が痛ましく思えて、気が滅入ったのを思い出す。
『カルテット! 人生のオペラハウス』(監督:ダスティン・ホフマン 脚本:ロナルド・ハーウッド 2012 イギリス)
ストーリーはもうオボロ~なのに、メモを見ていたら、まずエンディング・ロールを思い出した。「実在の音楽家たちの、若き日の写真と名前・肩書き?などが次々現われて・・・最後の最後に、“Quartet”の文字と共に、名前のない4枚の写真が出る。ほんの一瞬で消えてしまったからよくは判らなかったけれど、あれって主要な役4人(俳優さん)の“若き日”だったんじゃないかなあ」
その写真で見たマギー・スミス?の美しさに、ちょっとショックを受けた。この映画では音楽家たちだけれど、同じく芸術という意味で、俳優さんたちにも共通のものがあるかも・・・という気がしたのかもしれない。
引退した音楽家のための“家”が舞台なので、皆、好きな場所で悠々と自分の楽器を奏でる。クラリネット(だったっけ?)の柔らかい音色、厚みのあるチェロの響き・・・私にとっては、そんな人生最終章?の音楽の本物感(としか言いようが・・・)を楽しませてもらった作品。(確かに、音楽家は死ぬまで音楽家なんだろうな・・・と。雑音・騒音なんて、本当に耐えがたいだろうと思う。『愛、アムール』の音楽家夫婦を見た時も、その気持ちだけは凡人の私にも解る気がしたので)
☆『天使の分け前』(監督:ケン・ローチ 脚本:ポール・ラヴァティ 2012)
下の感想には「最高の娯楽作品!」なあんて書いたものの・・・あの(愛すべき?)行き当たりばったりなヒトたちは、すぐまた警察に捕まっちゃうのかも。(急に金遣いが荒くなったりしたら当然) そういう危惧(当然の予見?)もちゃんと描くトコロが、この監督さんの「冷静さ」だとは判っていても、主人公ロビーだけでも、家族を連れて上手く逃げ切るの祈ってしまう自分(^^;
http://blog.goo.ne.jp/muma_may/e/bcba645bac3ab8ba60baa3515e456ef6
2013年高知のオフシアター・ベストテン選考会で選ばれた外国映画部門のベスト10は以下の通りです。
① マリリン 7日間の恋 (監督:サイモン・カーティス) 主催:市民映画会
② 天使の分け前 (監督:ケン・ローチ) 主催:シネマ・サンライズ
③ 塀の中のジュリアス・シーザー (パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ) とさりゅう・ピクチャーズ
④ ソハの地下水道 (アグニェシュカ・ホランド) シネマ・サンライズ
⑤ ニーチェの馬 (タル・ベーラ) 県立大文化学部
⑥ オレンジと太陽 (ジム・ローチ) シネマ・サンライズ
⑥ 愛する人 (ロドリゴ・ガルシア) シネマ・サンライズ
⑧ 愛、アムール (ミヒャエル・ハネケ) こうちコミュニティシネマ
⑨ もうひとりのシェークスピア (ローランド・エメリッヒ) シネマ・サンライズ
⑩ 屋根裏部屋のマリアたち (フィリップ・ル・ゲイ) 市民映画会
『愛する人』は以前に家で観たことがありますが、この監督さんの映画は好きなので、スクリーンで観る機会を逃したのが残念です。(父上の訃報をニュースで知りました。ご冥福をお祈りします)
『ニーチェの馬』は・・・またいつか観る機会があるかなあ。(あっても観る体力がない?・・・かも)
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