What’s ノーマリゼーション?

福祉について考えるUMEMOTOのブログ

食いものになる福祉 ~介護報酬の不正受給~

2006-01-25 21:11:06 | 介護保険
福岡にあったNPO法人「ふれあいの家青葉園」(04年に解散)の元代表理事の女性が介護報酬を不正受給したとして北九州などに告発されていた事件で、県警は24日、ホームヘルパーとして契約していた飲食店経営の女性を詐欺の疑いで逮捕した。
調べでは、その女性は青葉園が運営していた訪問介護事業所に所属していた02年の6~9月、要介護認定者数人の家に行って介護したように装い、青葉園を通じて介護給付費を請求。国保連に計約二百数十万円を不正に受給した疑いがある。女性は園から6割程度を報酬として受け取っており、また同僚数人から名義を借りて架空請求を繰り返していたという。【朝日新聞】

その他にも、静岡県沼津市の介護施設「介護ステーションさくら」(杉山一夫社長)が介護報酬を不正に請求していた疑いがあり、県が介護保険法違反の疑いで調査を進められている。県によると、同施設は03~05年、架空の訪問介護や、生活援助を身体介護として申請するなどして、約9千万円の介護報酬を不正に受け取った疑いがあるという。また、居宅介護支援事業でも実施していない居宅サービス計画を作るなどして、約1千万円を不正に受け取った疑いがあるという。【asahi.com】

明日26日には、来年度から改定される介護報酬が策定されることになっている。
今回の目玉は、新予防給付における一連の報酬がいくらに設定されるか、だろう。関係者の間では、現状より高くなることはないだろうと予想されている。その分“成功報酬”というこれまでにない仕組みが新たに作られることになる。そのことによって「頑張っている事業所もそうでない事業所も横並び」という不満は少しは解消されるかもしれない。
“成功”をどのように評価するのかも、26日以降に示されることになるだろう。介護サービス事業者は、これから4月までの間、新たなサービス導入に向け本格的に忙しくなる。

そのような中でも、介護報酬の不正受給である。来年度さらに高くなる介護保険料のことを考えると、腹立たしい限りである。何のために保険料を払っているのか。一部の人間の私腹を肥やすためではない。
介護報酬の不正受給が分かったところで、多くのお金が変換されずにいる。事業所は指定取り消しになり、実質的には返済することができないからだ。2年前までの不正受給総額は25億円。この2年で大幅に増加しているはずである。

最後に北海道でも・・・

北海道函館市内にある「慈愛会病院」による詐欺・贈賄事件でも、介護療養型病床や介護通所リハビリテーションで医師数を水増しするなどして介護報酬を不正受給したほか、発覚を恐れた幹部が02年11月ごろ、野呂善市・元道議
(収賄罪で有罪判決)に道への口利きを依頼し、02年度の実地指導などが見送られた疑いがあるとして、当時の理事長らが詐欺と贈賄の容疑で逮捕、起訴されている。道の関係者は最終的な不正総額は、19億円近くの可能性もあるとみている。【asahi.com】