むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

李登輝がまたまた妄言

2007-09-15 01:06:42 | 台湾政治
米国の干渉発言が続いたことで、世論的にも注目され、盛り上がっている「国連加盟のためのレファレンダム実施」への動き。この世論の流れに水をさすように李登輝が12日と13日、国連加盟およびレファレンダムに反対する発言を展開した。
いわく「旧の総統がいろいろと口を出すべきではない。来年の新しい総統に委ねるべきである」「米国も反対しているし、タイミングがよくない」「台湾が国連に加盟する資格は欠けている」「レファレンダムを総統選挙と同時するのは(前回のように失敗する可能性が高いから)ダメだ」。

ただし、これらの発言はそれほど注目されず、三立テレビ「大話新聞」13日も最後にちょっとだけ批判して終わり、民進党の草の根の党員や支持層からは「李登輝はやっぱり焼きが回ったか」と呆れ顔、李登輝の影響力の低下をまざまざと見せ付けた形だ。
李登輝と親しい謝長廷も困惑顔でコメントも少ない。李登輝はせっかく贔屓にしている謝長廷を困った立場に追い込んでしまった。罪作りな話である。

そもそも陳水扁は、14日に本人が反論したように「旧の総統」ではなく、現職総統である。確かに任期残り僅かに何をやっているんだと思わないわけではないが、今回のレファレンダムも米国の反対が逆効果となってむしろ盛り上がってしまっているという現実がある以上、陳水扁は「旧総統」などではない。むしろ旧というなら、辞任して7年以上もたつ李登輝本人があてはまるし、「もはや辞任して7年もたつ老人がいまだに偉そうな口をきくな」というのが、緑陣営でも多い意見である。
それから、辞める間際に言うなというが、李登輝自身だって辞める前年の1999年7月に「二国論」をやっと言い出したのだから、他人のことを言えた義理ではない。
しかも「米国が反対しているし、タイミングがよくない」というが、二国論だって米国が反対したんだし、タイミングというのは台湾のほうから作ることだってできる。実際、米国が反対したことによってむしろタイミングは絶好となって、台湾の世論は盛り上がったのである。それが見えないとしたら、李登輝ははっきりいって台湾の現状を知らない、単なるボケ老人だというべきだろう。

また「台湾が国連に加盟する資格は欠けている」にいたっては噴飯ものである。もちろんこれは「中華民国体制が残存しているから」という側面をさしているのだろうが、それはあくまでも台湾国内の外来独裁体制清算の問題であって、対外的には台湾は領土、人民、政府を持っている「一つの国」であることは間違いないのだから、「資格が欠けている」というのは当たらない。そもそも国連加盟国といっても、ソマリアのように無政府分裂状態の国、中国のように公用語すら全土に通じない国、無能な首相が続いて格差が広がっている日本のような国、人口が1万人にも満たない国なんてのもあるんだから、台湾のほうが「中華民国体制」があるとして、よっぽど国としてはまともだ。こんな立派な台湾を「資格がない」というなら、李登輝はソマリアや中国やナウルを知らないだけだし、中国と口裏を合わせているようにしか見えない。

「総統選挙と同時にやるのは失敗する可能性がある」というのも、やってみなければわからず、やる前から言うのはナンセンスである。そもそも2004年当時はレファレンダムがあまり周知されなかったのであって、今とは環境も条件も違う。老人はとかく昔のことにこだわって、状況の変化についていけない嫌いがあるが、李登輝はその口だろう。

とにかく、李登輝はもはや老醜以外の何者でもない。早くくたばってほしい。

ただし、李登輝の不規則発言を伝えるニュースを見ていた米国人は特にニュースの内容は見ずに「李登輝は立派な人だ」といっていた。これは4月にパリから帰る機内であったフランス人もそういっていたし、日本人の間でも圧倒的な評価を誇るように、どうも李登輝って、「外国人受け」するキャラのようだ。ゴルバチョフと似ている。ゴルバチョフも李登輝も国内では社会混乱や汚職の横行などもあって、良いイメージはもたれていないのだが、海外ではやたらと人気が高い。しかし、国内的に見れば害悪のほうが多い。私も台湾に住んでからは、李登輝に対して評価が厳しくなった。


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