むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

中国人は反中共派も嘘つきが多い 袁紅冰「台灣大劫難」も大嘘のまみれたトンデモ本

2010-03-28 01:37:18 | 中国
中国人っていうのは所詮嘘吐きなんだな。反体制だろうがなんだろうが、みんな嘘つきだから困る。共産党一党独体制を批判していても中国人なのだ。反体制だから、まともなんだと勘違いしたら駄目だろう。法輪功を見ればわかるw。
台湾海峡の「対岸」という言葉を台湾の国民党系がよく使うが、対岸というからなんとなく同じように勘違いするんであって、台湾海峡を隔てて、完全に世界観も異なる東側世界なのだから、あの世=「彼岸」というべきだろう。
最近台湾の深緑と日本の右派の間で、なぜか好評だが、実際には大嘘という本に袁紅冰という亡命中国人が書いた「台灣大劫難(台湾大災難)」という本がある。
著者の触れ込みでは「中国共産党の内部機密文献にもとづいて台湾併呑計画を暴露したもの」ということで、そうした宣伝を真に受けて、「これは大変だ」などといっている人間が、台湾の深緑の一部と日本の右派に多い。さらに「これほど大変な本を台湾人や日本人の多くは深刻に受け止めていないのは、危機感のなさの現われだ」などとむしろ台湾人や日本人の大多数を叱咤しているありさまだ。自分自身がトンデモ本の著者のため、宣伝のお先棒を担がされているという根本的な無知を反省しようともせずにw。
しかも「中国にとっては機密を暴露されて大変なので、親中派の馬政権が流通に圧力をかけているので、本は街でほとんど見かけない」だの
「陳雲林が『手の内をばらされて、困った』といっている」
などという、これまた嘘がまことしやかに流されて、台湾の実情を知らない日本の右派がこうした根も葉もない噂話を信じ込んで「大変だ」と騒いでいるw・
ところが、私は本屋で一読して、その共産党チックな大仰な文体もさることながら、内容が完全に出鱈目、妄想、嘘だと確信した。したがって買う必要もないので、買わなかったが、こんなトンデモ本の類を信用するのは、軍事・政治・情報の基本を知らない、それこそ平和ボケの人が多いのではないか。

■米国の出方について議論しない「台灣大劫難」
そもそも中国による台湾併合計画だというなら、中国がそうするための最大の「障害」(もちろん中国から見て)は米国のプレゼンスと介入なんだから、その点をしっかり論じる必要があるのに、見たところ米国の出方について論じていない。そのわりに日本について論じている。もちろん日本も台湾におけるプレゼンスは大きいし、台中戦争となれば、その前線である日本の役割は大きいのは確かだ。しかし、諜報・軍事レベルになると、米国の役割抜きでは考えられない。台湾海峡は第7艦隊の庭なのだから。
また昨年の88水害の後も、中国は台湾にまったく手も足も出なかったなか、米軍はグアム、韓国、沖縄からヘリを飛ばしてきた。
台湾が米軍の支配下にあることは明白だ。
これについて論じようとしない点で、「中国共産党の内部機密文書」としてはお粗末である。いくら中国の現指導部が毛沢東時代よりも頭が悪くなったといっても、米国の出方を考慮しないほど愚かではあるまい。
米国の出方を議論しない「台湾併合計画」など、単なる妄想かペテンである。

■「台湾の本屋に流通していない」というデマ
「中国にとっては機密を暴露されて大変なので、親中派の馬政権が流通に圧力をかけているので、本は街でほとんど見かけない」なんていう話はどこから出てきたのか?
私が見かけたのは、国民党営の三民書局だったし、軍系の「黎明」でも売られている。いや売られているところはむしろ国民党政権系が多いんですがねw。
もし「街で見かけない」としたら、あまりに内容がひどいから、誰も買わないだけだろう。それをいかにも「自分の本は売れるべきだ」と思い込んでいるところが、中国人らしい誇大妄想といえて、笑える。
そもそも馬政権が親中派なのは確かだが、今の台湾で政府が圧力をかけて一般の書籍の流通を止めることなど、不可能。そもそもそんなことするための法的根拠がなくなっているし。
まして無能な馬政権がそんなことはもっと不可能。
いくら民度と民主化が後退しているといっても、李登輝時代の初期に戻るほど後退するわけじゃないし、馬政権が弾圧の能力があると思っているとしたら、馬政権への買いかぶりにもほどがある!w
馬政権の問題は、馬鹿すぎることが親中であることより、さらに大きな問題なわけだから、もし万が一出版規制の能力があったら、ここまで評価がぼろぼろになることはないよw。

■「陳雲林が困っている」というデマ
「陳雲林が『手の内をばらされて、困った』といっている」という話にいたっては、著者自身がでっち上げて吹聴しているだけじゃないのか?
昔の江南事件しかり、イスラエルによるハマース幹部暗殺しかり、ロシア情報機関による反体制ジャーナリスト暗殺しかり、諜報機関というものは、本当に痛いことを暴露されたら、まずは暴露される前に相手を暗殺するはずであり、事前にできなかれば事後に行う。まして中国ほどの独裁政権なら間違いなく暗殺する。しかも、深緑や日本の右派が主張しているように(日本の親中国派もそう勘違いしているが)「馬政権になって台湾では中国の影響力が強まっている」というのであれば、なおさらこんな本は初めから出版されずに、著者は闇に葬られているはずだ。機密の暴露が本当なら。
ところが本は堂々と出版されて、著者も堂々と出版記念会を開いているし(この時点で、「機密の暴露」は100%嘘だとわかるがw)、「機密文献を暴露されて、共産党幹部が困っている」というのは完全に大嘘だ。中国人の筆者なら、このくらいの誇大妄想かつ厚顔無恥な大嘘をつくだろうね。というか、嘘の手法からいって、まさに中国人そのものだ。

■本当の機密暴露なら米国や日本で出したはず
中国の内部機密文献は、共産党幹部のドラ息子が留学している米国には筒抜けになっているのは知る人ぞ知る話だが、袁紅冰がどれほど大物かわからないが、内部機密文献にアクセスできるほどでは絶対にないだろう。
そもそも本当に機密の暴露なら、出版市場がはるかに大きく影響力も大きい米国、英国、フランス
、ドイツ、日本あたりで翻訳出版を先に出すべきだろう。それができないのは、そのレベルに達していない駄本である証拠。
台湾で出したのは、所詮まともな中国研究者などおらず、テキストクリティークもできないところだから、容易に騙せると思って出したんだろう。
こんな大嘘で固められた誇大妄想の駄本なんて、米国や日本だったら、すぐに専門家から「偽書」というレッテルを張られて、あとはトンデモ本愛好家の間で喜ばれるだけだから。
台湾だからある程度騙せるわけで。

■反体制派も所詮は共産主義教育の申し子
いくら中国共産党を批判しているからといっても、所詮中国人は中国人。中国というあの風土で、共産党によるイデオロギー教育をみっちり受けたあの世代の思考は、西側で多元的な価値観にもまれて育った日本人や西欧人にとっては、彼岸というべき、まるっきり異世界だ。
台湾人の一部が騙されているのは、台湾もかつて国民党イデオロギー教育で東側と同じような風土で育っているからだろう。ただそれでも「自由中国」と称していただけはあって、台湾はそこそこ自由な空間は昔からあったことは事実だ。

■アジア冷戦構造は崩壊していない、台湾と日本は同じ世界だが中国は「彼岸」にある
アジアの冷戦構造は崩壊していない。かつてのベルリンの壁に匹敵する隔たりが、台湾海峡にある。
まして曲がりなりにも民主化した今となっては、台湾は確実に西側に属しており、中国との隔たりはさらに大きくなっている。
私は1996年と2004年に、バルト三国も旅したことがあるが、ソ連の遺産が残っていた1996年には「ソ連だったところ」にしては、バルトの民度は高く、欧州に近いと思えたが、EUに加盟した後の2004年や「やっぱり20年前までソ連だった」だけに、「壁の向こう側、東側の異質な人々」と思わざるを得ず、失望したのを覚えている。
また旅先で会った元東ドイツ人も、論理がおかしくて「さすが共産党教育のオッシーww」だと思ったものだ(もちろんオッシーでも、メルケルみたいなバランスが取れている傑物はいるが、あれは例外だろう)。
東欧世界は中世には西欧よりも発展していた時期もあったのだが、再版農奴制と戦後共産主義の二点では大きく見劣りし、特に人間の思考という点では今でもやはり「彼岸」である。
台湾にとっては、中国は文化的に近いとか先祖の片方がやってきたとかいうナチス的な「文化的民族的同一性」はあまり意味がない。問題は近代以降100年以上も日本の植民地や冷戦構造の西側に属していて、日本との関係が深い点が重要なんだから。
台湾人が今、中国よりも日本に親近感を感ずるのも、かつて西ドイツ人が東ドイツなんかよりもフランスにより親近感を持ったのと同じことで、世界観の異同の問題に由来する。
アジアでは中国、ベトナム、北朝鮮で共産党体制が健在だ。たしかにベトナムと北朝鮮は取り込む必要があるとはいえ、それはかつてのユーゴと同じ役割であって、戦後初期のトリエステAゾーンとBゾーンの違いと隔たりのようなものは確実に存在する。

■中国人の嘘に騙されるな
日本の右派は、中国人の嘘に騙されるなといっているわりには、相手が中国共産党を批判していると、「味方」だと勘違いして、すっかりその大嘘に騙されるナイーブな人が多い。
しかし袁紅冰のペテンを見ればわかるように、中国人はどんな反体制派であっても、西側人とは思考方式が異なる異世界の異人種なのだ。そこにもやはりペテンがある。
法輪功などがいい例だろう。
だから、私は基本的に中国人は信用しない。王丹だろうが、阮銘、林保華、曹長青だろうが、その言動には極端な反共イデオロギー色が見られるだけで、要するにまともな中道派はいない。中国で育った人たちは、さすが共産主義に洗脳されてきただけに、その思考パターンは西側に出てからも変わらない。盲信の対象が共産主義から反共主義になっているだけのことだ。
だから、曹長青にいたっては米国共和党右派マンセー、イラク戦争マンセーで、ホンジュラスのセラヤ政権はサヨクだから打倒しろ、オバマ政権も左翼だから駄目だという単なる極論を展開することになる。
東ドイツの共産主義青年団の人間が、ベルリンの壁崩壊後スキンヘッドになって外国人襲撃やっているのと同じ構図。
それって、共産主義から実は脱皮できていないってことになる。
だから、中国人は信用できないの。

アイドルグループS.H.E.の新曲、台湾語ラップ「 我愛雨夜花」

2010-03-28 01:34:14 | 台湾音楽
いやーー、台湾のアイドルグループでは実はS.H.E.が一番好きなんだが(かといってアルバム全部集めるというほどじゃないが)、ようやく台湾語の歌を新アルバムに入れてくれた。 76チャンネルMTVで流れていたので、気づいた。
その名も「我愛雨夜花」(goa2 ai3 u2-ia7-hoe)。台湾語歌謡の名曲(私はあまり好きではないが)「雨夜花」の旋律を使った同曲へのオマージュで、トラッドな味わいのあるラップだ。
S.H.E.は若手アイドルの中では台湾語がうまいほうなので、わりと安心して聞ける歌になっている。

S.H.E 我愛雨夜花 @youtube

メジャーなアイドル系は出す曲は北京語ばかりだったが、2年くらい前に蔡依琳が台湾語のオールディーズなナンバー「墓仔埔也敢去」のカバーを出したり、男は興味がないが周杰倫もアルバムに一曲は必ず台湾語を入れているみたいだし、阿妹もAmit阿密特という名前で「好膽你就來」アイドルの間でも台湾語ナンバーを出す傾向が出てきている。それについにS.H.E.も加わったことになる。いいことだ。

youtubeにアップされている別のバージョン、HIT FMのバージョンでは、「三人とも台湾語はあまりうまくないので」といっているが、S.H.E.は若手アイドルの中では、台湾語はうまいほうだと思う。
3年くらい前になると思うが、三立台湾台の「黃金夜總會」という台湾語主体の歌謡バラエティ番組に出演したときに、澎恰恰、賀一航と台湾語で掛け合いをやっていたが、南部出身のEllaはかなりうまかった。というか、普通に掛け合いができていた。
台北の外省人家庭出身で北一女→師大というインテリコースのSelinaでもかなり台湾語はできていたし、Hebeも新竹の純粋ハッカ人で、人見知りする性格のためか、このときはあまり話していなかったが、ハッカ語もできるし台湾語もうまいという話はある。

ところが、台湾語運動界は、あまりこういう動きと連動しようという頭がなくて、Amit阿密特の「好膽你就來」のMVが、教会ローマ字がバックに流れる部分があるということで、かろうじて話題になっただけだ。うーん、頭が固いね。
特に、S.H.E.、台湾語運動界を含めた深緑系の間では、2008年に「中國話」という中国マンセー歌を歌ったことで自由時報にもバッシングされたためか、なぜか不評。
でも、中国のネットでは間歇的に「S.H.E.は台独派だ、ボイコットしよう」というう噂が流れるわけだが、2008年だかに台湾高鉄で移動中に李登輝と出くわしてサインをねだったという話もあるし、三人ともオフでは中国なんか行かずに日本に行くわけだし、中国でバッシング対象になるのもまんざら理由がないことではなさそうだけど、深緑はそう思わないらしい。

そもそも、台湾のメジャーな芸能人はみんな中国でもコンサート開いて稼いでいるし、マネージメントは香港人が多いから、マネージメント会社にいわば操られているアイドルたちとしては、本心では中国が嫌いだが、営業上いやいやながらも中国と付き合っているというのが本当のところだろう。だからこそオフの時はそろいもそろって中国なんかには行かずに、日本に行く。台湾アイドルのプロフ集なんか見ていると、「行きたい国」では日本が多く、欧米や東南アジアもあるが、中国と書いているやつは外省系も含めてゼロ。これが本心だろう。

まあ、深緑って、思い込みが強いから、芸能人やビジネスマンみたいに「表と裏の使い分けが必要な人たち」にも「思想的忠実性と一貫性」を求めて、それに反すると、「やつらは中国派」とレッテルを貼ってしまう癖がある。でも、運動家と芸能人じゃ、住む世界と論理が違うんじゃ?自分の生きかたを勝手に他人にも強要しちゃ駄目だよ。てか、こういう視野の狭さと、幼稚な身勝手さって、台湾人全体の傾向だけどさ。
台湾には本当の意味での思想的過激派などいなくて、深緑だって台湾ナショナリズムを深めていないところがあるんだが、それでも深緑が過激派扱いされがちなのは、そうした「異分子排撃の排他性の論理」が強いためだろうね。
大体、「台湾独立は近づいている」といいながら、そうやってS.H.E.までも「中国派」だといって排除しちゃったら、台湾独立なんてぜんぜん広がりがないことになっちゃうw。芸能界にも台湾独立が広がっていなかったら、どうやって独立するんですか?ww
いっていることが自家撞着、内部破綻しているわけだが、もっとも台湾人はフィリピン人と同じで論理的なつながるを求めることが苦手w。
まあ、このあたりが台湾人が漢民族なんかじゃなく、徹底してマレー系だからなんだろうけど。論理がなくて支離滅裂なのはマレー系の特徴。一方、漢民族なら間違っていても論理はある。台湾人が漢民族だったらとっくに独立していたのに、と最近つくづく思う。

と脱線したが、S.H.E.の新曲。なかなか良い。AMITのも良かったが、曲調はかなり演歌っぽいから、トラッドでそれでいて現代的な趣のこういう曲のほうが、若者には聞きやすいだろう。