むじな@金沢よろず批評ブログ

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【速報】馬英九起訴!

2007-02-13 17:38:01 | 台湾政治
自らを「クリーンでハンサム」だと称してきた国民党主席馬英九氏が、市長時代の特別支出費の横領着服事件で13日午後4時起訴された。
容疑名と根拠条文は貪汚治罪条例(汚職犯罪摘発特別法)第5条第1項第2款「職務の機会を利用して財物を詐取」罪など。
台北地方検察署は起訴状の中で、特別支出費の領収書が不要な部分のうち1117万6227元を個人の口座に振り込み、着服したと認定した。
ただし馬夫人の関与、部下の市政府職員の文書偽造罪については起訴猶予とした。

国民党の規則では、起訴されたら公職を辞任することになる。馬は主席を辞任しなければならず、このままだと総統予備選挙にも出ることはできない。
ただ、国民党内では馬の人気は残っているので(というか、外省人最後の希望の星だから)、規則を改正して、馬が予備選挙、さらに総統候補になるように準備するだろう。
しかし、おそらく馬の主席辞任を受けて連戦が主席に戻り、これまで恨みがある馬への嫌がらせをすると思われるので、馬が復活することは容易ではない。

もちろん起訴されたから有罪になるとは限らない。しかし、今回の起訴状を見ると、陳水扁の国家機密費事件と違って、物証は固めてあり、着服の流れもはっきりしている。だから有罪は堅いだろう。何よりも、馬英九はこれまで陳水扁をダーティと罵倒して自分はクリーンだと大見得をはっていたので、これは馬英九にとって大きな打撃となる。
とにかく、これで国民党内部は馬英九、連戦、王金平の間の駆け引きが活発化し、大きく混乱、動揺することになる。
李登輝がおかしくなっているので、緑・本土・独立派陣営はすでに民進党でまとまりつつあるので、李登輝の変節に続く、国民党側の混乱と動揺は、民進党に有利に働くだろう。

馬英九の起訴状本文は
http://www.tph.moj.gov.tw/public/Attachment/721317131976.doc

南方快報における速報と論評は
http://www.southnews.com.tw/polit/ma_in_9/specil/005/00/0015.htm

起訴状本文をざっと読んだところ、監察院への資産報告などと銀行個人口座への流入額を詳細につき合わせ、さらに使途も明確に書き込むなど、着服の事実が詳細に指摘されている。

陳水扁の国務機密費の起訴状は、こんな詳細かつ具体的な指摘はなく、ほとんど推測推定ばかりのとんでもない代物だったが、今回の起訴状は起訴状としてちゃんとしている。
馬英九の犯罪事実はほぼ確定的だが、陳水扁に対するものは言いがかりだといえる。