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むじな@金沢よろず批評ブログ

台湾、国際情勢、アニメなどについて批評

レバノン再訪、なんとYaraと寿司がブレークしている!

2009-01-17 17:17:41 | 中東
レバノンに2年半ぶりの訪問で気がついたことは、3年くらい前にデビューして名前の珍奇性から「何者?」といわれていて清純派女性歌手のYara(ヤーラー)が今回大ブレーク、毎日どこかで彼女の新曲を耳にすることになった。それと、寿司レストランもブレークしており、SushikoとかJapanese Please!とか、ちょっと怪しげな寿司レストランがたくさんできていた。

まずヤーラーだが、
最新ヒット曲 Ma Yhimmak(心配しないで)
音楽:http://song7.6arab.com/Yara_Ma-Yhimmak.ram
ビデオクリップ:http://www.youtube.com/watch?v=fu6f0w4hzTs
・・・確かに名曲だわな。
エリッサのいとこだとか、ロシア人の血が入っているという噂もあるようが、芸能情報を扱っている人によれば、違うという。ただエリッサと同じく純粋なレバノン人でマロン派キリスト教徒らしいが。エリッサのいとこという噂が流れているのは、最近の見せ方がエリッサを真似ているからそういう誤解が出ているのだとか。
ただブレークしたが、本人がエリッサ流にしたり、ナンシー流にしたり、いまだにヤーラー本人のスタイルを確立しきれていないのが今後の課題と不安材料だろうとか。

次に寿司。
Sushikoに入ってみたが、メニューを見ると米国経由のようで、アボガド巻きとか、チーズ巻きとか、妙なのばかり並んでいる。味噌汁も大きなお碗に入っていて、レンゲで飲むって変なスタイルだった。


握っているのもフィリピン人。それはいいんだけど。
ただ、わりと評判がよいチーズ巻きはけっこういけた。味噌は赤だし系でちょっと妙だったが、全体的には悪くなかった。
ただ内装の壁にへんてこりんな絵が飾ってあったのは意味不明。



12月19日から1月6日までクアラ経由でレバノンに行っていた

2009-01-17 16:54:24 | 中東
遠出するとアナウンスした後、12月19日から1月6日までレバノンに出掛けていた。
2年半ぶり3度目だ(写真はベイルートの中心街「殉教者広場」に飾られていたクリスマスツリーと大モスク、12月22日午後8時ごろ撮影;モスクとクリスマスツリーの取り合わせはレバノンならでは?)。
前々から紹介本を書こうと思っていたのだが、前回帰ってきてからすぐにシオニストとヒズブッラーとの戦争になり、その後も政局不安で、二の足を踏んでいた。昨年5月にドーハの会合で、レバノンで対立する親反シリア両派が妥協し、さらに9月にはシリアとも正式に外交関係が締結されたことから、まあ落ち着いただろうと判断し、今回情報をアップデートする目的もあって訪問した。
この時期にしたのは、キリスト教徒が多く聖地にも近いレバノンのクリスマスと年始を味わいたかったということもある。昨年末から今年始にかけてはイスラームのヒジュラ暦新年とそれに前後する行事(犠牲祭とシーア派のアシューラー)も立て続けにあった行事のあたり年になったこともあって、ほとんど休みモード。当初、あわよくばまた追加取材しようと思っていた目論見は、ほとんど達成できなかった。というか、レバノンが年末年始をこれだけ見事休みモードになるとは思わなかったよ。日本並みだ。
もっとも、ちゃんとした宗教観にもとづいたクリスマスは満喫できたし、入出国でいろいろなすったもんだがあって普通ではありえない体験もしたし、イラクの元王家ハーシム家の女性(つまり世が世なら王女)にも偶然会うことができたし、前2回にどういうわけか見過ごしていたスール第二遺跡も堪能できたし、収穫は多かったといえる。

ちなみに、キャリアはマレーシア航空のクアラルンプール経由で、行きは予定では12時間待ちがあったこともあって、初めてマレーシアにも降り立った。これも面白かった。

帰国したのはレバノンを離れて丸一日たった7日夜だったのだが、このときもちょっとしたハプニングがあって、すぐには体を休めることができなかった。それもあって、休息時間をいつもより長めにとったため、ブログは実に1ヶ月強のご無沙汰となってしまった。

その報告、感想はまた追々書いていくことにする。

メイ・シディアックって見事復活したんだ BBCドーハ・ディベーツに登場

2008-10-09 03:46:24 | 中東
2005年9月、私が初めてレバノンを訪れたときにあったテロ事件の被害者として、私自身印象が強い人気キャスターのメイ・シディアック(May Chidiac、宗派はマロン派で、政治的に反シリア)が見事に返り咲いたようだ。BBCワールドで月一回放映されているThe Doha Debatesという番組で4日(5日にかけて何度か再放送があった)見かけた。
http://www.thedohadebates.com/news/item.asp?n=3069 Democracy 'halted' in the Arab world というテーマで主催者側が
This House believes that progress towards democracy has halted in the Arab world
と投げかけて、それに対してパネラーが二人ずつ賛否に分かれて議論するもので、メイ・シディアックは「反」つまり「中東においては民主化は着実に進んでいる」という立場で議論を展開していた。英語はすごくうまいというわけではないが、それでもレバノンの知的女性らしくなかなかハードかつタフに論戦に挑んでいた。
メイは「私自身は悪意ある勢力によってテロに遭い、片手と片足を失ったが、それでも私はレバノンにおいて言論の自由は保証されており、民主主義は着実に進んでいると思う。イラクにおいても進展が期待されるし、その他のアラブにも広がっている」と主張していた。
このテーマについては、日本でも高木規矩郎氏の論文「イスラムと民主主義」『イスラム科学研究』第4号(早稲田イスラム科学研究所)pp.41-76 で中東のオピニオンリーダーへのアンケート調査結果から、民主化が進んでいないという認識が中東知識人に多いことが紹介されている。

もちろんここで問題となるのは民主主義の定義と内実だろう。先進国型民主主義の基準がどこまで非温帯気候地域の多い中東にそのまま適用できるか、先進国型を基準にして「民主化が進んでいない」と論断できるのかという問題がある。
そういう意味では、メイ・シディアックの主張も基準は欧米型にあるとはいえ、中東なりの民主主義のあり方という点では決して後退していないという論点を含んでいたという点では、わたしも同感である。

しかしメイ・シディアックはなかなか強い女性であり、強いジャーナリストである。
3年前にテロにあった直後レバノンで見た報道では、意識不明の重態で、片手足が吹き飛んでいた状態から、よく立ち直り、また活発に言論活動を行っているというのは、敬服する。
まして自身がテロに遭うという不幸にもめげず、レバノンの民主主義に希望を見出している点でも、民主化の踊り場に来ているといえる韓国や台湾、あるいはタイやフィリピン、インドネシアといったアジアの民主主義国にとっても、学ぶべきところは多いと思った。

今度レバノンに行くときに是非会ってみたい。できれば台湾にも呼んでみたいものだ。

アラビア語レヴァント方言の辞書

2008-05-31 01:51:55 | 中東
久しぶりにアラビア語の話題を。これはいい辞書だ。
J. Elihay. The Olive Tree Dictionary: A Transliterated Dictionary of Conversational Eastern Arabic (Palestinian) . Jerusalem: Minerca Instruction and Consultation.
レバノンのポップス音楽やキリスト教文化を研究するうえで、アラビア語レヴァント方言の理解は必須。しかし、どういうわけか、レバノン、シリア、パレスチナ、ヨルダンを含むレヴァント方言の辞書、特にアラビア語から英語を引けるまともな辞書がないので困っていた。
最近、NHKラジオ講座講師もやったことがある栄谷先生のブログに上記辞書が紹介されていて、米国Amazon.comを見たら、70ドルとそんなに高くなかったので注文してみた。期待していなかったが、実際届いたのを見ると、なかなか良さげ。
英語からアラビア語を引ける詳細なものには、ジョージタウン大学から出ている 
Karl Stowasser & Moukhtar Ani (Eds.). A Dictionary of Syrian Arabic, English-Arabic.
があるが、アラー英があるほうが助かる。見出し単語数は1万近く、単語の異形も見出しになっている。見出しには動詞の派生型や名詞の複数形も併記、用例は2万近く。

しかも印刷字体は、ジョージタウンのアラー英が非常に見難いのに対して、このオリーブツリー辞書は非常に見やすい。用例はジョージタウンほど多くないが、それでもツボを押さえていて、十分だ。しかも巻末に英語から引ける索引もあるのが嬉しい。ただとどいたとき、装丁にJerusalemとあったので「ゲロゲロ、ユダヤかよw」と思ったが、逆にイスラエルのものだけに、細かい気配りがあるのも良い点だろう。アラブ国家だとこうは行かない。
ちなみに、著者はフランス人キリスト教徒で(でも苗字がもろセム系なのは、なぜ?)、最初ベイルート、それからイスラエルでアラビア語を学んだらしい。
また、サイズもA5版よりやや大きめで700ページ以上、重量も2KG近くあるので、携帯には向かないところも玉に瑕か。ただ字体を小さくしてサイズをコンパクトしたら、見難くなるから一長一短というところか。

12月2日NHK「新シルクロード・レバノン編」は解説に誤りが多すぎ!

2007-12-24 01:10:40 | 中東
 先日日本に戻った際、NHK総合で12月2日(日)午後9時~9時49分から放映されたNHKスペシャル「新シルクロード 激動の大地をゆく(全7集) 最終集  祈り 響く道」で、シリアとレバノンを取り上げていたが、解説がかなり不正確で噴出してしまったw。

 たとえば、最初にシリアのマアルーラを「イエスが生きていたころの教えをそのままに伝えている村」みたいに解説していたが、これは間違い。マアルーラは宗派的にはギリシャ・カトリックなので、原始キリスト教そのものでもなんでもない。信仰と典礼の形式でいうなら、よっぽどホムスに総主教座があるシリア正教(シリア教会)のほうが原始キリスト教に近いだろう。
 強いていうなら言葉で、「言葉は歴史的イエスの母語であったアラム語の系譜を受け継ぐ現代シリア語を今でも話しているところ」といえるが、それもイエスのころのアラム語とは違うし、海外移民には現代シリア語を保持しているコミュニティもいくつかある。

 また、レバノンに入ったところでマロン派の説明もかつて単意論宗派として出発した時代の教義を説明していて、それが現在もそうであると誤解を与えるものだった。マロン派は典礼と組織がカトリックとは独自性を保っているとはいえ、教義上はいまでは完全にカトリックと同一で、単意論だったころの面影はないはずである。

 こんなことは、ちゃんとしたものの本を調べればわかることなのだが、NHKともあろうものが、いまどきこんな間違いをしているのはいかんね!

ちなみに番組のHP:http://www.nhk.or.jp/special/onair/071202.html

エジプトで野党・独立系紙が抗議活動

2007-10-11 19:15:02 | 中東
久しぶりに中東の話題。読売新聞オンラインで次のような報道があった。
(引用開始)-----------------------------------------------------------------
編集者の禁固刑判決に抗議、エジプト22紙が発行自主停止
 【カイロ=福島利之】エジプトの独立系や反政府系の新聞22紙が7日、ムバラク大統領(79)の健康問題を扱った新聞の編集者が禁固刑を受けたことに抗議し、同日付の新聞の発行を停止した。
 政府系のアル・アハラム紙などは発行停止に参加しなかった。
 発端は、反政府系ドゥストゥール紙など4紙が8月、数度にわたりムバラク大統領が「重篤」と報じたこと。4紙の編集者は9月13日、「誤った情報を流し、公共の利益を害した」として禁固1年、罰金2万ポンド(約40万円)の判決を受け、現在、裁判は上訴審で続いている。
 ムバラク大統領が、しばらく公の場に姿を現さなかったことが健康不安説につながったとみられている。大統領は8月31日付のアル・アハラム紙のインタビューで「うわさは気にしていない」と報道を否定した。
(2007年10月7日22時27分 読売新聞)
---------------------------------------------------------------(引用終了)

エジプトの言論報道の自由度というのは、フリーダムハウスの評価では、1から7までの段階(1に近いほど自由)で5から6だから、80年代前半までの韓国や台湾並みというところなはずだが、反政府や独立系紙が22紙もあるということは、当時の韓国や台湾よりははるかに活発で自由だといえる。欧米の自由度評価は、中東(イラン、エジプト、シリア)に不当に厳しいところがあるようなのの、おそらく実態としては80年代後半の民主化が始まった韓国・台湾並み、4くらいといったところではないだろうか。
というか、レバノンも含めて中東の自由度って、さじ加減がよくわからないところがあるけど。
ちなみに、反政府系ドゥストゥールは、NHKラジオアラビア語講座講師もつとめたことがある榮谷氏のブログでも、「エジプトの新聞にエジプト方言による記事」として話題になっているが、なるほどフスハーだけでなくて口語方言でも記事を書いたりしているように、いろんな意味で開明的な新聞だということか。ひょっとしてリベラル野党のガド(未来党)と関係あるのか?
ただ、読売やフランスRFIなどの非アラブ圏の報道では、22紙が具体的にどれかが書かれていない(当たり前だけど、書かれても読者には意味がないから)。しかし、こういうのは興味があるので、アルジャジーラやアルハヤーなどアラブ系メディアも検索したところ、22紙の名前がすべて載っていたのは、意外にサウジ系のロンドンにある汎アラブ紙「アッシャルクルアウサトass-sharq al-awsaT」だった。
http://www.asharqalawsat.com/details.asp?section=3&article=440412&issue=10541
それによると、アッドゥストゥール(規律)以外に、アルワフド(ワフド党機関紙)、アルミスリー・アルヤウム(今日のエジプト)、アルアーラム・アルヤウム(今日の世界)、ナハダ・ミスリ(エジプト復興)、アルバディール(代わりになるもの)、アリウスブーア(週間)、アルアラビー(アラブ人)、サウト・アルアマ(国民の声)、アルアンワール(毎日)、アルムージズ(概要)、アルマール(金融)、アルフルサーン(ペルシャ人)、アルマウキフ・アルアラビー(アラブ人の立場)、アルジール(時代)、週刊ではアルカラーマート(尊厳)、アルアハーリー(同胞)、アルハミース(木曜日)、アルジャマーヒール(大衆)、アルファジュル(夜明け)、アルジール(時代、既出のものと同一か不明)、アルバホラーウィーヤ(下エジプト)、電子メディアのイフワーン・アウン・ラーユン?(困難なときの友?)、アルワイー・アルミスリー(エジプトの知)、アルミスリーユーン(エジプト人たち)、バラーディー(同胞)。
(それにしても、アラビア語をカタカナだけで表記するとマヌケだなあ。豊富な子音の判別ができないから、これからカタカナからアラビア語に再転換することが困難。まあ、逆に日本語をアラビア語にするときもマヌケになる。母音と長短音の区別ができないから)

それにしても、アルハヤーやアルジャジーラに比べてわりと保守的なはずの同紙が、サウジ以外とはいえ反政府抗議運動を詳細に載せるのは、どうなんだろう?

ハリーリー暗殺2周年記念デモに30万人

2007-02-16 03:39:07 | 中東
もう日付は翌々日になってしまったが、2月14日はレバノンでラフィーク・アル・ハリーリー元首相がシリアの情報機関によるものと見られる爆弾テロで死亡してから、2周年であり、首都ベイルートで追悼兼反シリアのデモが行われた。フランス語ロイターによると、30万人が参加したらしい(写真はアンナハールより)。

レバノンはここ数ヶ月、いろいろと混乱が続いてきた。ハリーリー暗殺の真相究明をめぐって、親シリア系のヒズボラが内閣を離脱して反政府側に周り、連日座り込みや反政府デモを展開。さらに先月は大学で反シリアのスンナ派と親シリアのシーア派学生の小競り合いが乱闘・暴動に発展。さらに今回の2周年追悼デモの直前には反シリアのキリスト教地区でバスが爆発して死傷者が出た。

以前にも書いたが、私が現在最も興味を持っていて関係している台湾、韓国、レバノンは、程度や背景や理由は違うとはいえ、いろいろとゴタゴタが続いている。台湾は李登輝の発狂、馬英九起訴(と国民党の無理な内規改悪)、陳水扁の無策;韓国はウリ党の空中分解;レバノンは親反シリア勢力間の国内政争。いずれも、地政学的位置が絶妙なため、大国覇権の介在が問題を複雑にしている側面もある:台湾は日・米・中、韓国は日・米・中・ロ(・朝)、レバノンはさらに複雑で米・仏・イラン・シリア・サウジ(+湾岸)・エジプト・その他欧州諸国(つまり台湾と韓国では日本自身が複雑化させている元凶なんだが)。だからこそ、私の興味をひきつけるのだが、しかし観察しているとやはり疲れるのは否めない。

http://tempsreel.nouvelobs.com/actualites/international/proche_moyenorient/20070214.OBS2379/300_000_libanais_se_rassemblenta_la_memoire_de_rafic_ha.html
 300 000 Libanais se rassemblent a la memoire de Rafic Hariri (Reuters)

レバノン英字日刊紙デイリー・スター
http://www.dailystar.com.lb/article.asp?edition_id=1&categ_id=2&article_id=79548
 Healthy crowd marks Hariri anniversary
http://www.dailystar.com.lb/article.asp?edition_id=1&categ_id=2&article_id=79550
 Opposition accuses Geagea and Jumblatt of using speeches to poison mediation efforts
http://www.dailystar.com.lb/article.asp?edition_id=1&categ_id=2&article_id=79549
 Organizers help ensure strong presence from Chouf, South
http://www.dailystar.com.lb/article.asp?edition_id=1&categ_id=2&article_id=79544
 Rival camps share admiration of Hariri - but not his inheritors
http://www.dailystar.com.lb/article.asp?edition_id=1&categ_id=2&article_id=79543
 Demonstrators come by car, by boat - and yes, by bus
http://www.dailystar.com.lb/article.asp?edition_id=1&categ_id=2&article_id=79542
 Tight security helps prevent widely feared clashes
Head of isf says every single member of his force was on duty
http://www.dailystar.com.lb/article.asp?edition_id=1&categ_id=2&article_id=79515
 Siniora vows 'justice,' links perpetrators to Hariri killing
http://www.dailystar.com.lb/article.asp?edition_id=1&categ_id=1&article_id=79539
 Crowds use commemoration to display wide variety of mottos/ Demonstrators chant for unity while waving party flags
http://www.dailystar.com.lb/article.asp?edition_id=1&article_id=79532&categ_id=17
 Lebanon must emulate Rafik Hariri, not just honor his memory Editorial

レバノン仏字日刊紙ロリアン・ルジュール
http://www.lorient-lejour.com.lb/page.aspx?page=article&id=334252
 ≪ Non ≫ au terrorisme, ≪ oui ≫ a la vie
http://www.lorient-lejour.com.lb/page.aspx?page=article&id=334257
 Considerations sur le 14 fevrier : la veritable bataille
http://www.lorient-lejour.com.lb/page.aspx?page=article&id=334208
 RETROSPECTIVE - Deux ans apres l’attentat du Saint-Georges, l’anatomie d’une crise/ Une bataille a l’enjeu simple et enorme : la liberte du Liban
http://www.lorient-lejour.com.lb/page.aspx?page=article&id=334209
 Joumblatt se dechaine contre ≪ l’oppresseur de Damas ≫
http://www.lorient-lejour.com.lb/page.aspx?page=article&id=334210
 Hariri : Nous sommes prets a prendre des decisions courageuses, mais la solution passe par le tribunal
http://www.lorient-lejour.com.lb/page.aspx?page=article&id=334211
 Tueni tourne en derision le dernier communique d’el-Qaeda
http://www.lorient-lejour.com.lb/page.aspx?page=article&id=334258
 Gemayel lance un appel au dialogue, loin des slogans creux et des revendications redhibitoires
http://www.lorient-lejour.com.lb/page.aspx?page=article&id=334259
 Geagea : Oui a la participation effective, non au tiers de blocage

レバノンのアラビア語最大日刊紙アン・ナハール
http://www.annaharonline.com/HTD/OULA070215-1.HTM
http://www.annaharonline.com/htd/SEYA070215-7.HTM
http://www.annaharonline.com/htd/SEYA070215-14.HTM

レバノンのアラビア語親シリア系日刊紙アッ・サフィール
http://www.assafir.com/Article.aspx?EditionId=564&articleId=1526&ChannelId=12156
http://www.assafir.com/channels.aspx?EditionId=564&ChannelId=12158
http://www.assafir.com/Article.aspx?EditionId=564&articleId=1455&ChannelId=12158
http://www.assafir.com/Article.aspx?EditionId=564&articleId=1456&ChannelId=12158
http://www.assafir.com/Article.aspx?EditionId=564&ChannelId=12158&ArticleId=1457

元レバノン・現サウジ資本系アラビア語日刊紙アル・ハヤー
http://www.daralhayat.com/arab_news/levant_news/02-2007/Item-20070214-c1d854b0-c0a8-10ed-016a-8823c2c4e52d/story.html


ハリーリー暗殺追悼事業で作られたマージダ・エル・ルーミーの歌 sawfa nabqaa(私たちはここに留まる)
オンライン
 http://song.6arab.com/majda-alroomy_sawfa-nabky.ram
ダウンロード
 http://song.6arab.com/majda-alroomy_sawfa-nabky.rm
歌詞
 http://www.majidafans.com/en/lyrics.asp?CDID=16&SID=136

レバノンで反シリア派政治家また暗殺

2006-11-22 15:11:52 | 中東
ラフィーク・アル・ハリーリー元首相暗殺に関する国際特別法廷設置をめぐってそれを推進する反シリア派と反対する親シリア派が対立、政局が混迷していたレバノンで、再び政治指導者の暗殺事件が起こった。
(本当は昨日夜の時点で、CNN速報で気づいたのだが、詳しいことがわからんので、日が改まるのを待った)
キリスト教右派政党ファランヘ(アラビア語ではカタエブ)運動党反シリア派幹部でもあるピエール・アミーン・アル・ジェマイエル工業相が21日午後5時15分ごろ(レバノン時間)、ベイルート東部ジュダイデ(シン・エル・フィールとも)地区を車で移動中に武装した複数の男たちに銃で撃たれ、死亡した。ピエール氏は1972年9月生まれ、享年34歳。
武装勢力は少なくとも1台の車で同相の車に激突し、3人が自動小銃で至近距離から同相を撃った。同相は頭部と首を少なくとも2度銃撃され、搬送先の病院で死亡した。
レバノンでは、反・親シリア両勢力の対立激化で、先週、親シリア派閣僚6人が辞任して政界は混乱、親シリア派でシーア派政治勢力ヒズボラ(ヒズブッラー)が倒閣の大規模デモを呼びかけていた矢先だった。
反シリア派の指導的人物の暗殺は、昨年12月12日の有力紙アンナハール編集長ジブラーン・トゥエーニー氏の暗殺以来。2005年以降、05年2月14日元首相ラフィーク・アル・ハリーリー、6月2日左派ジャーナリストのサミール・カッシール、6月21日元共産党書記長ジョージ・ハーウィー、7月12日国防相エリヤース・アル・ムッル(重傷、他1名死亡)、9月25日キリスト教女性キャスターのメイ・シディアックなど反シリア派の有力政治家や言論人が次々に殺されたり、暗殺未遂にあっている。
ジェマイエル氏が国際法廷設置に最も積極的だったこと、またこれまでの暗殺事件や最近の流れからみて、暗殺事件にはシリアまたは親シリア勢力の介在が指摘されている。反シリア派のシニョーラ首相、反シリア派勢力最高指導者サアド・アル・ハリーリー議員らはシリアの関与を示唆している。しかし、今回の暗殺事件では、シリアとイランも真っ先に暗殺を非難する声明を発表している。国連安保理も非難する議長声明を採択した。
同相はキリスト教マロン派の有力者の出身で、祖父ピエール氏はファランヘ党創立者で、父はアミン・ジェマイエル元大統領(在任期間1982─88年)。叔父(父の弟)のバシール・ジェマイエル氏も大統領に選出されたが、82年の就任前に何者かに暗殺され、アミーン氏が大統領となった。ファランヘ党はシリア支配下では指導部が親シリア派に乗っ取られたが、昨年の自由化後、反シリア派が立ち上げたファランヘ運動党が活躍していた。

ここで、日本語の記事でいくつかおかしなところ:
CNN日本語
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200611220005.html
では「昨年暗殺されたハリリ元首相の息子サード・ハリリ氏」と書いているが、これはサの長音ではなくて、サの次がアインという重い咽頭音なのでサアド。

朝日新聞
http://www.asahi.com/special/MiddleEast/TKY200611210496.html
では「伯父バシル氏はレバノン内戦中の82年」となっているが、バシールは今回殺されたピエール(ジュニア)の父アミーンより6歳年下だったので伯父ではなくて、叔父。

日経新聞
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20061121AT2M2103A21112006.html
では見出しにも記事にも「キリスト教勢力の代表格」と書かれているが、ピエール・ジェマイエルとカタエブは、キリスト教政治勢力の名門ではあっても、今では代表格とはいえないのではないか?代表格といえば、反シリア派ではサミール・ジャアジャア、親シリア派ではミシェル・アウン(元は反シリア派の急先鋒)だろう。

まあ、レバノン政治は合従連衡が激しく、どんぐりの背比べみたいな指導者が林立していて、わけわからんのだけどね。

その他、レバノン英字、仏字、アラブメディアの記事URL:

★Daily Star (Lebanon, English daily, anti-Syria)
http://dailystar.com.lb/article.asp?edition_id=1&categ_id=2&article_id=77063
Chronology of political killings since February 2005

http://dailystar.com.lb/article.asp?edition_id=1&categ_id=2&article_id=77064
Pierre Gemayel's assasination

http://dailystar.com.lb/article.asp?edition_id=1&categ_id=2&article_id=77061
Minister Pierre Gemayel killed by gunmen

http://dailystar.com.lb/article.asp?edition_id=1&categ_id=2&article_id=77062
Industry minister Pierre Gemayel quick biography

http://dailystar.com.lb/article.asp?edition_id=1&categ_id=2&article_id=77081
Pierre Amin Gemayel, 1972-2006

http://dailystar.com.lb/article.asp?edition_id=1&categ_id=2&article_id=77082
Assassins claim Pierre Gemayel in broad daylight
Gunmen also kill 1 bodyguard, wound another and at least 1 bystander

http://dailystar.com.lb/article.asp?edition_id=1&categ_id=2&article_id=77083
March 14, Phalange call for 'peaceful' response at slain minister's funeral

http://dailystar.com.lb/article.asp?edition_id=1&categ_id=2&article_id=77084
World unites in condemnation

http://dailystar.com.lb/article.asp?edition_id=1&categ_id=2&article_id=77085
Hariri says Siniora unity offer 'remains in effect'

http://dailystar.com.lb/article.asp?edition_id=1&article_id=77066&categ_id=17
editorial
Don't let one family's latest tragedy become that of a whole country

http://dailystar.com.lb/article.asp?edition_id=1&categ_id=1&article_id=77077
Suleiman exhorts army to stay 'unified' but assassination forces cancellation of Independence Day celebrations


★L'Orient Le Jour (Lebanon, french daily, anti-Syria )
http://www.lorient-lejour.com.lb/page.aspx?page=article&id=327291
Chronologie des assassinats politiques au Liban

http://www.lorient-lejour.com.lb/page.aspx?page=article&id=327311
Pierre Gemayel tombe sous les balles des terroristes

http://www.lorient-lejour.com.lb/page.aspx?page=article&id=327315
Pierre Gemayel assassine' hier, a` Jdeide', d’une dizaine de balles a` la te^te

http://www.lorient-lejour.com.lb/page.aspx?page=article&id=327320
Le 14 Mars appelle au calme et promet de poursuivre les assassins

http://www.lorient-lejour.com.lb/page.aspx?page=article&id=327322
De'pendance

http://www.lorient-lejour.com.lb/page.aspx?page=article&id=327303
Portrait
Il a rejoint la le'gende des he'ros de l’inde'pendance

http://www.lorient-lejour.com.lb/page.aspx?page=article&id=327304
Les Gemayel, une famille qui a marque' la vie politique du Liban

http://www.lorient-lejour.com.lb/page.aspx?page=article&id=327305
Vives condamnations dans les milieux politiques et appels a` la retenue

http://www.lorient-lejour.com.lb/page.aspx?page=article&id=327287
Hariri accuse la Syrie d’e^tre implique'e dans l’assassinat de Pierre Gemayel


★Al-Jazeera english (Qatar)
http://english.aljazeera.net/NR/exeres/01C61A48-E1F9-42B7-829B-CDCCC25A335E.htm
Lebanese Christian leader shot dead

http://english.aljazeera.net/NR/exeres/7F21C532-0312-4F66-8A61-D968EB62A7A6.htm
Pierre Gemayel's father urges calm

http://english.aljazeera.net/NR/exeres/2587F2D7-14B9-4082-AA90-9EEAF62F5277.htm
The Gemayel dynasty

★Al-Jazeera arabic
http://www.aljazeera.net/NR/exeres/519AF98C-81D6-4039-A267-1B86DE390F37.htm
http://www.aljazeera.net/NR/exeres/FCEDED6F-64A3-473D-A21A-6B0235EEBC34.htm


★Al-Hayat(London, Saudi-and-Hariri-affiliated daily, anti-Syria)
http://www.daralhayat.com/arab_news/levant_news/11-2006/Item-20061121-0c616afb-c0a8-10ed-01a4-77df59a6b40a/story.html

AnNahar (Lebanon, Arabic daily, anti-Syria)
http://www.annaharonline.com/HTD/OLA061122-1.HTM
http://www.annaharonline.com/HTD/OLA061122-4.HTM
http://www.annaharonline.com/htd/MAHLY061122.HTM
http://www.annaharonline.com/htd/SEYA061122-14.HTM

アルジャジーラが英語放送開始!

2006-11-15 23:51:50 | 中東
アルジャジーラが英語放送開始!
アラビア語で自由な報道を続けるニュースチャンネルとして有名なアル・ジャジーラ(カタール・ドーハ)が15日から英語ニュース放送を正式に開始した。
英語のHPも一新され、56kは現在のところタダで試験視聴できる、BBは登録したうえで見られる(URLはhttp://english.aljazeera.net/NR/exeres/1EBB4C7F-7F2E-4257-A04C-56678862E31A.htm)。
スタジオはドーハのほか、ロンドン、ワシントン、クアラルンプールにもおかれた。
ちなみに台湾の民進党と国民党の国会議員も12日にマレーシアのスタジオに呼ばれて、台湾の内政や対中関係について話をしたらしい。
ここで開局にあたって台湾の政治家を呼んだという趣向が心憎い。
アルジャジーラは台湾では親中派の中天と提携し、北京に支局を置いているが、それとは関係なく昔から中国には批判的で、台湾の緑陣営には好意的だった。米国という大国も向こうに回してきただけに、中国ごときは怖くなんかないのだろう。この点は、アラブ人の心意気を感じる。
同局アラビア語ニュースHPから英語放送開始を伝える記事:http://www.aljazeera.net/NR/exeres/F906BC41-D559-4CEA-BD15-6DF657863465.htm

friends of aljazeeraというブログ:http://www.friendsofaljazeera.org/

東京新聞(共同電)
アラブの視点で欧米に発信
 アルジャジーラが英語放送
http://www.tokyo-np.co.jp/flash/2006111401000446.html
 カタールを拠点とするアラビア語の衛星テレビ局アルジャジーラが初の英語放送を15日に開始する。CNNやBBCなど米英系が支配的な国際報道に風穴をあける狙い。“圧制国家”が多数派の中東で異例の「自由な報道」を続ける同局の世界進出に注目が集まっている。
 「われわれは発展途上国を拠点とする唯一の国際メディア。独自の視点があり、英語放送の意義もそこにある」。同局のハンファル局長は記者会見などでこう説明。途上国のニュースに重点を置き、英語で発信することで「西側発に偏った情報の流れを逆転する」と述べ、アラブの発言力拡大に野心をうかがわせた。
 カタールのハマド首長が出資する潤沢なオイルマネーを背景に、拠点放送局をドーハ、ロンドン、ワシントン、クアラルンプールの4カ所に設置。CNNなどからの引き抜きを合わせ約500人のスタッフをそろえた。
 同局の売り物は、アラブ各国政府や米欧に対する歯に衣着せぬ批判。1996年の誕生後、アラブ民衆が「家の中でしか言えなかったことを堂々と放映するテレビ局」(米タイム誌)として中東の世論に大きな影響力を持つに至った。
 今夏のレバノン危機でエジプトやサウジアラビア政府が、イスラエルと戦う民兵組織ヒズボラへの支援を避けた際には、トークショーの出演者が「ヒズボラ支持の民意を無視し(対米関係など)既得権益の維持しか頭にない」と痛烈に批判。
 しかし、イラク戦争やレバノン危機など紛争の度に、民間人犠牲者の悲惨な遺体を延々と映し「殉教者」と称する報道姿勢には「民衆の怒りを扇動している」との批判も。米政府高官は「事実に基づかない大衆迎合的な米批判」が問題だと指摘。ウサマ・ビンラディン容疑者の声明を独占報道していることに「プロパガンダの手伝い」との反発もある。
 米国でアラビア語報道を続けるモハメド・エルメンシャウィ氏はアルジャジーラの存在意義を評価した上で「イスラム組織に独占された討議の場から、左派や国家主義者、リベラル陣営にも等しく開かれた場へと転身しなくてはならない」と注文を付ける。
 英語放送は当面、非アラビア語圏のイスラム教徒らが住む西欧やアジアの約4000万世帯が対象。米国では大手ケーブルテレビ会社などが「どんな反発を巻き起こすか」と模様眺めの姿勢で放映には非協力的という。(カイロ共同)
(2006年11月14日 17時55分)

読売新聞
アル・ジャジーラ、アラブ初の英語放送始まる
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20061115i113.htm
 【カイロ=長谷川由紀】カタールの衛星テレビ「アル・ジャジーラ」は15日、英語による24時間ニュース放送を開始した。
 米CNN、英BBCなど国際ニュース報道を席巻する欧米メディアに対抗し、「中東の視点」(同テレビ)から報道するのが目的で、アラブメディアでは初。
 英語版は、本社のあるドーハ、ロンドン、ワシントン、クアラルンプールの放送センターから放送。米政権やアラブ指導者などから批判も浴びた母体のアラビア語放送とは、原則として独立して取材、報道するのが特徴で、欧米メディアから花形キャスターや記者、ディレクターらを引き抜き、独自の体制を整えた。 中東や欧州、アジアなどで8000万世帯の視聴を目指す。当面、生放送は12時間だが、徐々に24時間生放送に切り替える予定。放送はウェブサイトでも視聴可能という。
(2006年11月15日21時14分 読売新聞)

新興民主主義レバノン、韓国、台湾の政局が同時進行で混迷・・・

2006-11-14 06:55:13 | 中東
久々にレバノンのニュースをチェックしていたら、あらら、レバノンでも反シリア派主導内閣の中の親シリア派が国際法廷設置に反発して閣僚辞任、政局混迷とはな・・・。しかも「両派の対立」「倒閣運動」「要求が通らなければ大規模デモも辞さない構え」「デモにはデモで対抗する」「弱みにつけ込んで倒閣を目指している」など、なにやらデジャヴュな展開・・・。

そういえば、距離はまったく違うし、文化圏もまったく違うんだけど、台湾とレバノンって似ているところがけっこう多い。まず気温の推移もほぼ同じ(台湾のほうが若干暑い)、海洋貿易立国である点、さらに地政学的に微妙な位置にあるため大国の干渉が強く、エスニック(台湾は言語、レバノンは宗教)の対立、アイデンティティの分裂や曖昧さがぬぐえないところも共通している。また最近市民デモなど動員型運動を通じて民主化を勝ち取ったところも通じる。
ここで大国の干渉と最近市民動員型で民主化を勝ち取ったという点では韓国も当てはまるのだが、奇しくもこの三カ国ともに微妙に異なる理由と背景であるとはいえ、ほぼ同じ時期に同じように政局が混迷・・・。民主主義の難しさを改めて感じさせる事例である。

もっとも、欧米日などの「成熟かつ安定した先進民主主義国家」も、歴史的には同じような経過をたどって成熟させてきたのであって、他人事と笑うことは禁物だろう。ただそのわりに米国系のマスコミには自国の19世紀のどうしょうもない腐敗と混乱を棚に上げて新興民主主義を嘲笑する傾向があるのはおかしい。
レバノン、韓国、台湾の新興かつ脆弱な民主主義の混迷も、必要不可欠な通過儀礼である。それを笑うとしたらつまり「民主主義は世界普遍で、当たり前に求めるべきもの」という米国のネオコンあたりの宣伝がウソだったといっているようなものである。
やはり暖かく見守るしかないし、日本は世論と政府が一丸となって、こうした不安定な新興民主主義を守り立てる方策を考えるべきではないだろうか。これは日本がやるべきだろう。米国あたりがやると余計混乱に拍車をかけ、複雑にしてしまいそうなので蒙御免。
(なぜか今日は寝付きにくいので、また起きてブログを書き込むことにした。マージダ・ルーミー2006年アルバムを聴きながら。外は雨・・・)


読売
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20061113id24.htm
(2006年11月13日23時45分 読売新聞)
レバノンの親シリア閣僚6人辞任、国際法廷設置に反発
 【カイロ=柳沢亨之】レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラなどに所属する親シリア派閣僚計6人が11日から13日にかけて、辞任を発表した。
 シリアの関与が指摘されているハリリ・レバノン元首相暗殺事件を巡り、シニオラ首相ら反シリア派が国際法廷設置を急いでいることに反発した。今夏のイスラエル軍の攻撃で再燃した親シリア、反シリア両派の政権内での対立は国際法廷問題で一気に激化、レバノンは重大な政治危機に直面した。
(略)
 首相任命権を持つ親シリア派のラフード大統領は12日、「内閣は違憲」と総辞職を促した。これに対し首相は辞表の受理を拒否している。
 さらに深刻なのが、親シリア、反シリア両派が街頭での直接行動を扇動し始めたことだ。ヒズボラは12日、以前から示唆していたデモ実施方針を改めて強調。一方、反シリアのイスラム教ドルーズ派幹部らも「デモにはデモで対抗する」と宣言し、不測の事態に発展する可能性もある。
(略)
 一方、ヒズボラが倒閣運動を実行に移したことについては、後ろ盾のシリアとイランの意向との見方も根強い。米国には先の中間選挙前後から、イラク情勢打開のためシリア、イランとの対話を求める動きがある。このため反シリア派には「米国からの支援が揺らぐ懸念」(外交筋)が強い。レバノン消息筋は「イラン、シリアが反シリア派の弱みにつけ込んで倒閣を目指している可能性もある」と見る。


朝日
http://www.asahi.com/special/MiddleEast/TKY200611130169.html
レバノン6閣僚が辞意 ポスト巡り首相と対立
2006年11月13日20時23分
 1000人を超える死者を出したイスラエルとシーア派組織ヒズボラの戦闘が8月に終わったレバノンで、シニョーラ首相ら反シリア派と、ヒズボラを中心とする親シリア派の対立が深まっている。親シリア派は閣僚ポストの分配などをめぐる論争から、閣僚5人が11日、辞任を表明。13日にも、さらに1人が辞意を表明し、政界はマヒ状態となった。
 シニョーラ首相ら反シリア派は、欧米や中東のスンニ派産油国からの援助で復興を進め、イランから武器供給を受けて国軍をしのぐ武力を持つヒズボラ軍事部門を解体しようとしている。
 しかし、ヒズボラは「イスラエルを利するだけ」と武装解除を拒否。逆にシニョーラ政権と対立するキリスト教野党勢力などと連携し、「挙国一致内閣で外国の干渉から国を守るため」として閣僚ポストの3分の1を親シリア派側に譲るよう求め、各派が協議していた。
 フネイシュ水資源相(ヒズボラ)らシーア派閣僚5人が11日の協議後に辞任を表明。要求が通らなければ大規模デモも辞さない構えをみせた。
(以下略)


The Daily Star
http://www.dailystar.com.lb/article.asp?edition_id=1&categ_id=2&article_id=76853
1113 Crippled Cabinet will still discuss Hariri court

http://www.dailystar.com.lb/article.asp?edition_id=1&categ_id=2&article_id=76850
1113 Sfeir accuses opposition of rejecting international support

http://www.dailystar.com.lb/article.asp?edition_id=1&article_id=76832&categ_id=17
1113 editorial: Why won't Lebanon's politicians come clean with the public?

http://www.dailystar.com.lb/article.asp?edition_id=1&categ_id=2&article_id=76852
1113 March 14 points finger at Tehran, Damascus

産経(共同電)
http://www.sankei.co.jp/news/061112/kok007.htm
1112
シーア派5閣僚が辞意 レバノン情勢再び緊迫

読売
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20061111i306.htm?from=main3
レバノン首相、元首相暗殺の国際法廷設置で国連案支持

月刊「アジア遊学」86号でアラブ特集

2006-11-05 02:17:22 | 中東
国文学・歴史学学術書出版社の勉誠出版が発行している、アジア歴史・民族学の専門月刊誌『アジア遊学』が、今年4月に出た86号では「特集 アラブの都市と知識人」と題してはじめて中東地域を対象にした特集を組んでいる。
同誌はこれまで特集としては東アジアが主で、しかも中国中心主義には距離を置いて、台湾やチベットにも好意的な特集を組んでいた。
中東の一部も「西アジア」となるため特集にしたが、ただ今後はどうやら日本の地域史を特集の重点にする模様。

レバノンの戦後(ハーレ・フレイク地区の廃墟など)

2006-08-24 01:04:09 | 中東
イスラエルとレバノンのヒズボッラーの間の戦争はいったん停戦となった。その後イスラエルがゲリラ的な攻撃を展開しているが、ヒズボッラーの自制によっておおむね停戦状態は維持されている。
今回の戦争によって、19日現在までの判明分で、レバノンでは1287人が死亡、そのうち一般市民が1140人、さらにその中で30%が12歳以下の子供、負傷者が戦闘員と市民合計で4054人に達した。被害をこうむった住居建物が1万5000棟、橋80箇所、道路96箇所。経済被害は75億米ドル、うちインフラが15億ドル(完全復興まで1年から1年半)、建物被害が20億ドル(完全復興ま3-5年)と見積もられている(レバノン英字紙デイリースター、フランス語紙ロリアン・ルジュール、アルハヤー英語版などによる)。
1ヶ月強の戦争でこれだけの被害が出たのはレバノン史でも例を見ない。
#被害状況などについては、今週末にでもまとめたい。

レバノンの知人何人かと戦争以来はじめて電話がつながったので、状況を聞いてみた。

ベイルートは爆撃が激しかった地域を除いては、今週に入ってから市民生活がほぼ戦前に近い状態になっているそうで、戦争中は途絶えがちだった電気も元の状態に戻り、戦中も出ていた水道も普通に出ているようだ。ガソリンの入手しやすくなり、セルビスも普通に動いているという。
空港や市内のところどころ開いていた爆撃による穴も、応急措置ですぐに復旧したらしい(もっとも、すべてのインフラや道路は応急措置で作られたようなものだし)。
「さすがレバノンは戦争に慣れている、あっという間に立ち直っている」とあまり冗談にはならないのだが、ある日本人は感心していた。この辺の臨機応変というか、リスクや変化への対処の早さは、台湾人にも通じるものがある。

ただ、ベイルートでも爆撃が激しかった南部のハーレ・フレイク地区(日本の新聞ではハレト・フレイクとしていることが多いが、ター・マルブータは読めないだろう、普通)だけは別のようで、レバノンのポップス歌手パスカル・マシュアラーニーの事務所から送られてきた写真や情報によると、建物が破壊されたり、爆撃で火災になったりするなどして廃墟となった。撤去工事の粉塵が舞うため住民はマスクをつけている人が多いようだ(写真はパスカルが同地区を慰問に訪れて、生活物資などを支援したときのものらしい)。

ベイルート北部にいるキリスト教徒は、「まだ治安はよくない。ヒズボッラーが銃を持って徘徊しているし、各地の検問や警備も厳しい。もし今来る人がいるなら、2週間くらい様子を見てからにしてほしい」といっている。

ちなみに、芸能ニュースを集めている Albawaba Entertainment によると、私が取材したことがある歌手は、戦争中ほとんどは中東各地のコンサートをキャンセルし、レバノンにとどまって、戦後は慰問や献金をしているようだ。ただ、ミリアム・ファーリスちゃんは外に逃げていたみたい。まあこれはさもありなん。キャピキャピしているから、爆音にびっくりしてキャーって逃げたんだろう。まあ、かわいいから許すが、とどまってほしい気もする。
またびっくりしたのはパスカル。戦争中もとどまったけども、カナダ・パスポートも持っていて逃げようと思えば逃げやすかったみたい。こういう多重にパスポートもっていて、足腰軽いのは、台湾人と似ているなと思った。

国連決議にもとづきようやく停戦

2006-08-15 02:00:31 | 中東
国連安保理においてイスラエルとレバノンのヒズボッラー双方に敵対行為の停止を求める第701号決議が戦闘開始からちょうど1か月目を迎える11日夜(NY時間)に採択され、13日までにイスラエル、レバノン政府とヒズボッラーが停戦に合意、決議が発効する14日GMT午前5時には双方が戦闘を停止した。
ただし、イスラエルがパレスチナ人の自決権を承認せず、軍事覇権主義を保ったままで、そのためヒズボッラーも武装解除に応じる理由もないとしている以上、根本的な戦争不安要因が解決されたわけではないから、今後ともレバノンおよび周辺地域は不安定なままである。

それにしても、一ヶ月強にわたる無意味な戦闘行為によって、レバノンでは1100人を超える死者と3500人を超える負傷者、しかもそのほとんどが民間人という悲惨な事態となり、避難民も貧困層を中心として100万人、経済的損失は50億ドル以上に上った。軍事力が強いイスラエルは相対的に被害は少ないものの、それでも戦闘員を中心に120人以上が死亡、そのうち民間人は40人あまりでパレスチナ人がその半数を占めるという。
ここから見られることは、何度もいうように戦争は弱い立場の人によりしわ寄せをもたらすということだ。確かにレバノンは内戦からの復興過程で貧富の格差は拡大していたし、平和が貧困を拡大する場合もある。しかし、戦争ともなると貧困そのものが生命の危機をもたらす。

レバノンでは、南部を中心に道路が寸断され、ライフラインも絶たれ、生活物資がいきわたらない状況になっているだろう。
とりあえずの停戦となった今、国際社会は政府からNGOまで、こぞってレバノンの避難民支援と再建に取り組まないといけないだろう。

レバノンにあるルナンの故居(写真2枚)

2006-08-01 04:18:51 | 中東
エルネスト・ルナン Ernest Renan(1823-1892)といえば、「国民とは何か Qu'est-ce qu'une nation ?」「イエスの生涯 Vie de Jésus」をはじめ、社会学・神学関係の著作で知られるフランスの思想家である。そのルナンは一時期、姉のアンリエットHenrietteとともにレバノンに住んでいたことがある。
それはベイルートから北に36kmに位置する世界最古の都市Jbeilジュベイル(フェニキア名ゲバルGebal、西欧名ビブロスByblos)からさらに北に3kmあまり行ったところにあるアムシートAmchit(3amshiit)という村に、ルナンとその姉が1860-61年に住んだ故居と、姉の墓がある。アムシートは19世紀の商人の家が立ち並ぶことでも一種の観光スポットである。実際、瀟洒な感じの家が多い。

最近のレバノン行きで(6月3日)ルナンの故居を訪ねた。
ジュベイルからタクシーを1万レバノンリラ(700円)でハイヤして往復した。最初はアンリエットの墓があるノートルダム教会(Eglise Notre-Dame)に向かった。教会の裏側の木陰に墓がひっそりとあった。
ところが、ルナンの故居がどこかわからない。教会の近所には家がなくて、人に聞けない。と思ったら、レバノン人の青年二人が近くを歩いていた。訊ねたところ彼らもそれを探しているという。教会から小道を下がったところに、人が住んでいる家があり、そこで青年たちが場所を聞いていた。どうやら知っているらしい。それにしたがって、タクシーの運転手に行ってもらった。青年は別に自家用車で向かった。
わりと大きめでやはり瀟洒で教会風の建物だった。今はレバノン人が住んでいるようだったが、壁にルナンの故居であることを示すフランス語の標識が埋め込まれていた。周囲も木々にあふれ、閑静な高級住宅街という趣きだった。

ところで、アムシートもジュベイルも今回の戦争で、レバノンの軍事関係施設があるという理由で攻撃が加えられたらしい。よもやジュベイルの遺跡群やルナンの故居は攻撃対象になっていないだろうが、それにしてもイスラエルは狂っている。

写真上:ルナン故居、下:ルナン故居を示す標識