MrHARAKIRIのホビーと雑記の日々

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青少年健全育成条例改正案反対

2010-12-13 00:36:38 | 国際・政治

こんばんは。皆さんは年賀状は出しますか?私の場合、メールで・・・というのは気軽でいい(メーリングリストなら一度に登録している全員に送れますし)ですが、イマイチな気がして、年に一度、しかも、年始の挨拶の年賀状ぐらいでしか交流がなくなってしまった人にぐらい、ちょっとした手間は惜しみたくないと考えてしまいます。「そんな細い交流しかなくなったなら別にいい」とお考えの方もいらっしゃるでしょうが、私の場合、この程度であれ、何かしらで繋がっていれば交流が腐る事もないと考えます。


今日の雑記
さて、今日はちょっと真面目な話を。
11月下旬あたりからネット上で騒がれ始めていましたが、青少年健全育成条例の”改正案”が提出されましたね。今回の場合、議会に提出されるまで、その内容がほとんど情報として伝わってこず、採決まで1ヶ月ないという、前回のように時間を与えて、大げさになるのを防ぎ、さっさと成立させたいという意図が見え隠れします。しかも、前回反対した民主党は、「曖昧な部分が修正された」として賛成にまわる可能性が高いとの事。う~ん、民主党さん的な、”曖昧なところ”が修正されたからといって賛成(まだ確定ではないようですが、そう発言している議員がいるみたいです)って・・・。内容をもっとみましょうよ。
この条例案”児童ポルノ”というものがクローズアップされていますが、その実、導入賛成派は”正義”、反対派は”悪”という、反対派にとっては、実に抵抗しにくい”子供の健全な育成”を盾(隠れ蓑)に、憲法に保障された”表現の自由”に制限をかけるものだという本質があるんですよね。
特に今回の”改正案”はひどい。前回否決された原因となった”非実在少年”という象徴的、かつ、いかにも反対されそうな言葉は”意図的に”排除されつつ、文面を読めば、その規制範囲が、前回より広がっているんですよね。”犯罪行為を不当に賛美、誇張するような表現”なんていうのは、設定年齢が18歳未満でなくても適用範囲に入りますから、前述の”非実在少年”的な言い方をすれば、”非実在成年”にまで広げている事になりますし、”犯罪行為を不当に賛美、誇張するような表現”などというのは、”公序良俗に反する”という文句に劣らず曖昧で、行政のサジ加減ひとつでどうとでも取れ、排除する事が出来るという事。
私のスタンスとしては、どのような表現であれ、表現する自由、それを発表する自由はあるべき。無論、未成年に見せる見せない(いわゆる18禁などの年齢制限)に関しては、ゾーニングを、今以上にキチンとしなければならないとは思いますが、表現そのものを禁止するというのは、断じてあってはならないと思っています。
児童ポルノに関しては、”子供を性の対象にするな”というのは賛成ですが、だからといって、存在もしていない人物を描く漫画やアニメの内容にまで踏み込んで規制するというのは狂気の沙汰でしょう。もはや、どちらが現実と空想の区別がついていない”危険な”人なんでしょうか。
どうも一緒くたに議論しているようですが、子供を性の対象にする”児童ポルノ”と、”子供の健全な育成”とは全く別物でしょう。性を取り扱うものに関して、年齢に応じてわけるのは”子供の健全な育成”だとしても、子供を性の対象にする児童ポルノは、主に大人側の問題であって、子供の健全な育成とは分けて考えられるべきものなんじゃないんですかね。
また、今回、実写映像、小説は対象から外れていますが、ここを分けている”正当な理由”の説明が都側から一向に出てこない。記事などで、「実写や小説は含まれない。だから表現の自由の制限ではない」みたいなコメントを都の担当者がしたとの事ですが、単に色んなジャンルの作家さんや団体の分断を狙ったんでしょうが、まるで”漫画やアニメは創造物ではない。従って、表現の自由の枠から外れる”とでも取れるような発言に危険を感じます。
あと、拡大解釈とか、陰謀とか、大げさに煽り立ててるのは~みたいに嘲笑している方々がいますが、行政の介入が”できない”のと”できる可能性がある”のとでは、天と地ほどの差があるという事を自覚してください。規制賛成派は、”拡大解釈はない”みたいな事を言っていますが、そんな文言や、それに類する文言もどこにも書かれておらず、言葉のみ。実際に拡大解釈が行なわれたとしても、条例案の文言にない以上、どうとでもなるもの。事実、今回は青少年健全育成条例”改正案”であり、すでにある青少年健全育成条例の内容を、拡大解釈し作られた内容だというのは、見比べてみればわかるんじゃないですかね?どこが”拡大解釈はない”んでしょうか。3月頃、今回の案の修正前のものが提出された時にも記事にし、その時にも述べましたが、あえてもう一度言います。確かに数年程度では、限定された規制でしょう。でも、十年単位で見た場合は?事実として、今回、規制範囲の解釈を大幅に踏み越えてきた以上、これから先、改正案が議題に挙がる度に規制範囲が広がる事は目に見えているんじゃないでしょうかね。今回は”性”の部分だけ槍玉に上がっているようですが、”犯罪行為を不当に賛美、誇張するような表現”となってる以上、他のあらゆる表現が規制対象になりうるわけで、当然、実写や、小説、果ては、文字まで対象になる”可能性がある”んですよ。「2次オタざまぁwwww」とか「ロリしね」と言って自分は関係ない思っている方々は、どうも反対派=ロリコンみたいなレッテルを貼りたいみたいですが、表現する自由自体が制限されようとしているのに、わざとなのか気づいていないのか、問題を矮小化しすぎなんじゃないですかね?マスコミもこの問題を、自分達には関係ないと思っているのか、あまり取り上げていませんが、自分達の範囲にまで規制が及んだ時、助けてくれる人がいればいいですけどね。そういえば、今回の改正案は有利とみてか、早速、またしても”子供の健全な育成”を理由に、ネット規制の話が出ているみたいですしね。
私は大阪に住んでいますが、なぜ東京都の条例にここまで言うのかといえば、出版や流通、アニメ制作など、あらゆる物で東京が中心にあり、そこが規制されるということは、事実上、日本中が規制されたのと一緒という事です。これらの企業や個人が、表現を規制された東京都を出ればいいと思うかもしれませんが、企業や個人にも、そこに基盤がある以上、そう簡単にいかないでしょう(費用の問題もあります)。移すにしても準備が必要で、その準備をしている段階で、ドンドン産業自体が衰えていくのが目に見えており、一度、壊れたものを元に戻すのには、これまで発展してきた時間と同じぐらい時間が必要になるかもしれませんし。
とりあえず、東京国際アニメフェアへの出展を取りやめる大手企業さんもでてきましたし、これで可決となれば、東京で行なわれるアニメや漫画の大きなイベントとしてコミケ・・・移転という事になるかもしれませんね。次回は仕方がないにしても、規制内容が内容だけに、受入先が決まれば、そちらに移るのかもしれませんね。

追記

私のような素人の指摘などより、もっと具体的に、どのような事が問題なのか詳しく知りたい方は「青少年健全育成条例 反対」等のキーワードでググってください。山ほど関連サイトが出てくるはずです。具体的なサイトをいくつかご紹介しようと思ったのですが、直リンクしていいものかわからないので、閲覧者の皆さんにはお手数をおかけしますが、このような紹介方法にさせていただきました。