ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する皆さまにお届けするブログです

ラヴァーボーイ Loverboy - Lovin' Every Minute of It(1985年の洋楽 Part44)

2021-11-11 22:48:22 | '85年洋楽
1985年の洋楽ヒット曲を紹介するシリーズのPart44はLoverboyの"Lovin' Every Minute of It"。最高位は11月2日付の第9位。年間チャートは、年度の途中にかかったからでしょうか、圏外になってしまいました。

Loverboyですが、カナダカルガリー出身のロックグループ。ボーカルのマイク・レノとギターのポール・ディーンが中心になって結成された5人組。
1980年にデビューアルバム「Loverboy」を発表、収録の"Turn Me Loose"が本国カナダやオーストラリアで大ヒット、アメリカでは最高位35位の、デビューシングルで初めてのTop40ヒットになりました。

その後も大ヒットまでには至りませんでしたが、3枚目のアルバムまでに、Top40ヒットシングルは計5曲。最もヒットしたのが最高位11位を記録した"Hot Girls in Love"でした。
その間、 Mike Reno がハートの Ann Wilsonとのデュエット"Almost Paradise"が最高位7位、年間57位と大ヒットシングルとなりました。この曲は映画『フットルース』のサントラ収録曲ですね。こちらをご覧ください→→→

この曲"Lovin' Every Minute of It"ですが、彼ら4枚目の同名アルバム『Lovin' Every Minute of It』からのファーストシングルカット。
曲の作者はRobert John "Mutt" Lange。 Robert John "Mutt" Langeといえば、人気のソングライターです。Def LeppardやAC/DC、Bryan Adams、Michael Boltonなどなど、いい曲作ります。こちらをご覧ください→→→

Loverboy、この曲の最高位が9位と、最もヒットしたシングルとなりましたが、その後もシングルヒットが計3曲、今でも活動を続けています。
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ビルボード 全米 Top40 1985年11月9日付 ヤン・ハマー Jan Hammer - Miami Vice Theme

2021-11-07 22:07:04 | 1985年ビルボードTop40
1985年11月9日付ビルボード All American Top40、この週も1位の交代がありました、これでついに5週連続の1位交代です、2位から上がって1位はJan Hammerの"Miami Vice Theme"。Jan Hammerですが、チェコスロバキア出身のプロデューサー、ピアニスト、キーボードプレイヤー。テレビドラマ『特捜刑事マイアミ・バイス』のテーマ曲のこの曲で初めてのTop40ヒットがついにNo.1獲得です。

2位は1週のみの1位からダウン、Stevie Wonderの"Part Time Lover"。Stevie Wonderですが、もちろん皆さんご存知のソウル界の、いや音楽界のスーパースター。デビューは60年代、早くも63年には"Fingertips – Part 2"が初めてのNo.1ヒット、その後も数多くのヒット曲を重ね、この曲でなんと9曲のNo.1、14曲目のTop3ヒットになりました。
3位は4位からアップ、Tears For Fearsの"Head Over Heels"。イギリス出身のデュオTears For Fears、アメリカでの初ヒット"Everybody Wants to Rule the World"、続く"Shout"と、2曲連続の1位を記録、さらに続いてシングルカットされたこの曲で、3曲連続のTop3ヒットとなりました。
4位は6位からアップ、Glenn Freyの"You Belong To The City"。Glenn Freyですが、もちろん皆さんご存知、The EaglesでDon Henleyとともに、ボーカリスト、ソングライター、ギタリストとして活躍し、イーグルス活動停止後、ソロではこの曲で6曲目のTop40ヒット、最高位2位の"The Heat Is On"に続く2曲目のTop5ヒットです。この曲、1位のJan Hammerと同じくテレビドラマ『特捜刑事マイアミ・バイス』サントラ収録曲です。
5位は7位からアップ、Starshipの"We Built This City"。Starship、ルーツは60年代のJefferson Airplaneまでさかのぼります。その後、1974年にJefferson Starshipとなり、さらに1984年、ジェファーソン・エアプレイン創設メンバーのポール・カントナーがバンドを去ったことにより、Starshipとなりました。Starshipとしては初めてのヒットですが、Jefferson Airplane時代の最高位5位の"Somebody to Love"、Jefferson Starship時代の最高位3位の"Miracles"と合わせて3曲目のTop5ヒットです。

さて、今週も、皆さんの予想どおりでしょうか、1位のJan Hammer"Miami Vice Theme"の紹介です。この1週のみの1位、年間チャートは27位。アメリカで初めてのシングルヒットが大ヒットとなりました。

Jan Hammerですが、チェコスロバキア・プラハ出身の音楽プロデューサーであり作曲家、キーボード・シンセサイザープレイヤーで、ドラマーでもあります。60年代から音楽家として活動を開始、70年代中頃には彼がリーダーとなるアルバムも発表します。

また、スタジオミュージシャンとしても活躍、1976年に発表されたJeff Beckのアルバム『Wired』には、プロデューサーとして、またシンセサイザープレイヤーとして参加しています。Jeff Beckのアルバムには、他にも『There & Back』や『Flash』などにも参加しています。日本でもヒットした"Blue Wind(蒼き風)"の曲の作者はJan Hammerですね。

この曲"Miami Vice Theme"ですが、テレビの人気刑事ドラマ『特捜刑事マイアミ・バイス』の主題歌。曲の作者はもちろんJan Hammer自身。プロデューサーも彼が務めています。
アルバム『Miami Vice soundtracks』からは、他にも、この週4位のGlenn Freyの"You Belong To The City"が最高位は2位と大ヒットシングルになりました。この2曲のヒットにより、サウンドトラックアルバムも大ヒット、アルバムチャートではなんと11週間の1位を記録する大ヒットアルバムとなりました。

さて、インスツルメント曲のヒットですが、映画「Beverly Hills Cop」のサウンドトラックからHarold Faltermeyerの"Axel F"がこの85年の6月に最高位3位を記録していまして、それ以来の大ヒットインスツルメント曲となりました。
1位となると、1982年5月に1位を記録した映画「炎のランナー」主題歌Vangelisの"Chariots of Fire"以来となります。→→→こちらをご覧ください。その前となると、1980年のHerb Alpertの"Rise"となるでしょうか?

MTVですが、テレビドラマのミニエピソード形式になっています。James Crockett刑事とRicardo Tubbs刑事に追われる逃亡者がJan Hammerです。

インスツルメント曲の1位獲得曲ですが、この曲を最後に長い間無くなります。次となると、なんと30年近く過ぎた2013年のBaauerの"Harlem Shake"まで間が空くことになります(この曲がインスツルメント曲と言えるかどうかは、はなはだ疑問ですが)


こちらは、2016年にハリウッドで開催されたJeff Beckの"Blue Wind(蒼き風)"です。シンセサイザーを演奏している普段着のおじさんがJan Hammerですね。なんというカッコ良い曲でしょうか。


今週 先週 song / artist
1 2 MIAMI VICE THEME / JAN HAMMER
2 1 PART TIME LOVER / STEVIE WONDER
3 4 HEAD OVER HEELS / TEARS FOR FEARS
4 6 YOU BELONG TO THE CITY / GLENN FREY
5 7 WE BUILT THIS CITY / STARSHIP
6 3 SAVING ALL MY LOVE FOR YOU / WHITNEY HOUSTON
7 15 SEPARATE LIVES (THEME FROM WHITE NIGHTS) / PHIL COLLINS & MARILYN MARTIN
8 5 TAKE ON ME / A-HA
9 10 BE NEAR ME / ABC
10 18 LAY YOUR HANDS ON ME / THOMPSON TWINS
11 20 BROKEN WINGS / MR. MISTER
12 17 NEVER / HEART
13 14 ONE NIGHT LOVE AFFAIR / BRYAN ADAMS
14 16 YOU ARE MY LADY / FREDDIE JACKSON
15 9 LOVIN' EVERY MINUTE OF IT / LOVERBOY
16 21 WHO'S ZOOMIN' WHO / ARETHA FRANKLIN
17 8 FORTRESS AROUND YOUR HEART / STING
18 13 I'M GONNA TEAR YOUR PLAYHOUSE DOWN / PAUL YOUNG
19 22 LOVE THEME FROM ST. ELMO'S FIRE / DAVID FOSTER
20 11 OH SHEILA / READY FOR THE WORLD
21 27 ONE OF THE LIVING / TINA TURNER
22 12 LONELY OL' NIGHT / JOHN COUGAR MELLENCAMP
23 23 AND WE DANCED / HOOTERS
24 30 SOUL KISS / OLIVIA NEWTON-JOHN
25 32 SLEEPING BAG / ZZ TOP
26 28 SO IN LOVE / ORCHESTRAL MANOEUVRES IN THE DARK
27 26 BOY IN THE BOX / COREY HART
28 33 ALIVE & KICKING / SIMPLE MINDS
29 35 ELECTION DAY / ARCADIA
30 31 PERFECT WAY / SCRITTI POLITTI
31 36 I MISS YOU / KLYMAXX
32 19 I'M GOIN' DOWN / BRUCE SPRINGSTEEN
33 25 SUNSET GRILL / DON HENLEY
34 34 THE NIGHT IS STILL YOUNG / BILLY JOEL
35 43 PARTY ALL THE TIME / EDDIE MURPHY
36 37 GIRLS ARE MORE FUN / RAY PARKER JR.
37 39 SISTERS ARE DOIN' IT FOR THEMSELVES / EURYTHMICS AND ARETHA FRANKLIN
38 40 WRAP HER UP / ELTON JOHN
39 42 RUNNING UP THAT HILL / KATE BUSH
40 - SAY YOU, SAY ME / LIONEL RICHIE
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ジョン・クーガー・メレンキャンプ John Cougar Mellencamp - Lonely Ol' Night(1985年の洋楽 Part43)

2021-11-04 22:02:23 | '85年洋楽
1985年の洋楽ヒット曲を紹介するシリーズのPart43はJohn Cougar Mellencampの"Lonely Ol' Night"。最高位は10月12日と19日の第6位。年間チャートは86位でした。

John Cougar Mellencamp、皆さんご存知、正統派アメリカンロックを代表するミュージシャンです。
まずは1976年にジョン・クーガー(John Cougar)でデビュー、1983年にジョン・クーガー・メレンキャンプ(John Cougar Mellencamp)と改名し、さらに1991年からは本名のジョン・メレンキャンプで活躍しています。なので、この曲の時はジョン・クーガー・メレンキャンプ(John Cougar Mellencamp)と名乗っていました。

さて、そのJohn Cougar Mellencamp、初めてのシングルヒットは1979年に最高位28位を記録した"I Need a Lover"。
そして1982年にリリースした彼の5枚目のアルバム『American Fool』で大ブレイクします。
このアルバムからは、まずは"Hurts So Good"が最高位2位ながらも年間チャート8位の初めての大ヒット、続くシングル"Jack & Diane"は4週間の1位で年間7位の、"Hurts So Good"を上回る大ヒットになりました。アルバムも9週間の1位、年間4位の超大ヒットアルバムとなります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください→→→

"Lonely Ol' Night"ですが、曲の作者はJohn Mellencamp自身。彼の8枚目のアルバム『Scarecrow』からのファーストシングルカット曲です。
アルバム『Scarecrow』ですが、残念ながら最高位は2位、1位の獲得はなりませんでしたが、1986年のアルバム年間チャートで3位の超大ヒットアルバムとなりました。
この曲ですが、まさにJohn Cougar Mellencampを象徴するようなストレートなロック。気持ちいいロックンロールです。
レギュラーチャートでは6位が最高位でしたが、Top Rock Tracksでは5週間の1位を記録したロック部門では年度を代表する大ヒットでした。
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