ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する皆さまにお届けするブログです

ビルボード Billboard All American Top40 1988年9月3日付 シカゴ Chicago - I Don't Wanna Live Without Your Love

2024-09-01 20:00:00 | 1988年ビルボードTop40
1988年ビルボード Billboard All American Top40、1988年9月3日付、2週目の1位はGeorge Michaelの"Monkey"。George Michaelですが元Wham!のメンバー、Wham!で6曲のTop40ヒット、ソロになってからのヒット、Aretha Franklinとのデュエットを含め、この曲で通算13曲目のTop40ヒットで、11曲目のTop3ヒット、Wham!での"Wake Me Up Before You Go-Go"、ソロでの"Faith"などなんとこの曲で通算8曲目のNo.1となりました。

2位は4位からアップ、Guns N' Rosesの"Sweet Child O' Mine"。アメリカのハードロック、ヘビーメタルバンドGuns N' Roses、デビューアルバム『Appetite for Destruction』から、初のTop40ヒットがついに第2位、ヘビメタバンドとしては初のNo.1まであと一歩のところまで上がってきました。

3位は5位からアップ、Robert Palmerの"Simply Irresistible"。Robert Palmerですが、初のTop40ヒットが1978年の"Every Kinda People"。以来、ソロではこの曲で6曲目のTop40ヒット、The Power Stationの3曲を含めると、この曲で9曲目のTop40ヒット、No.1の"Addicted to Love"など、3曲目のTop3ヒットとなりました。

4位は2位からダウン、Elton Johnの"I Don't Wanna Go On With You Like That"。もう一歩のところでNo.1とはなりませんでした。Elton Johnですが、もちろんみなさんご存じですね、70年代初めから多くの大ヒットを出しているスパースター。初めてのTop40ヒットは1970年に8位を記録した"Your Song"。そして、1972年に"Crocodile Rock"が初めてのNo.1ヒットを記録、あまりにたくさんのヒットがあるので正確かどうか自信がありませんが、この曲で40曲目のTop40ヒット、6曲のNo.1ヒットを含め15曲目のTop5ヒット、11曲目のTop3ヒットとなりました。

5位は3位からダウン、Chicagoの"I Don't Wanna Live Without Your Love"。Chicagoですが、もちろん皆さんご存知、60年代にデビューしたアメリカンロックバンド。この曲がなんと31曲目のTop40ヒットで、"If You Leave Me Now"、"Hard to Say I'm Sorry"の2曲のNo.1ヒットを含め、11曲目のTop5ヒットで、7曲目のTop3ヒットとなりました。

この週5位はChicagoの"I Don't Wanna Live Without Your Love"。最高位は8月27日付の1週のみの第3位、年間チャートは48位。Elton Johnと並んで上がってきましたが、残念ながら3位を最高に、エルトンと一緒に下がってしまい、3曲目のNo.1に届きませんでした。

Chicagoですが、アメリカンロックを代表するバンドとして、もちろんみなさんご存じですよね。デビューは1960年代。デビューアルバム『Chicago Transit Authority シカゴの軌跡』のリリースは1969年。名曲"Questions 67 and 68"、"Introduction"、"Beginnings"などなど、初期のシカゴの名曲が詰まった名盤で、アルバムチャートではいきなりの17位、大成功をおさめます。

シングルヒットとしては、"Questions 67 and 68"が71位と、初のHot100ヒットとなり、次のアルバム『Chicago(Chicago II)』からは、"Make Me Smile" が最高位9位、"25 or 6 to 4"「長い夜」が最高位4位の大ヒットとなります。

さらに、1976年になって、ロックバラード"If You Leave Me Now"が、ついにバンド初のNo.1を記録、その後も"Hard to Say I'm Sorry"が2曲目のNo.1となります。デビュー以来のブラス・セクションを取り入れたブラスロックに、リードボーカルPeter CeteraのAORロックバラードを合わせ、大人気アメリカンロックバンドとしてヒットを積み上げていきます。

そのChicagoですが、バンドに大きな転機が訪れます。1984年の『Chicago 17』を最後に、デビュー以来リードボーカルのひとりとしてバンドの中心メンバーだったPeter Ceteraが、バンドを脱退します。この『Chicago 17』で、いずれも最高位3位を記録した"Hard Habit to Break"、"You're the Inspiration"の両曲もPeter Ceteraがリードボーカルですので、その影響は大きいものでした。

Peter Ceteraの代わりに加入したのが新しいボーカリストJason Scheff、作成されたアルバムが『Chicago 18』。ファーストシングルの「長い夜」"25 or 6 to 4" ニューバージョンが最高位48位どまりと、Chicagoどうなる、と心配でしたが、続くシングル"Will You Still Love Me?"が最高位3位を記録するヒットとなりました。この曲は、Jason ScheffとBill Champlinの二人でボーカルをとる、新生シカゴを象徴する曲でした。こちらをご覧ください→→→

続くアルバムが『Chicago 19 』。1988年にリリースされ、このアルバムは、『Chicago 18』までプロデューサーとしてシカゴのAOR路線を支えたデビッド・フォスターと別れ、プロデューサーにはRon Nevisonを迎えて作成されました。Ron Nevisonですが、ロック系ミュージシャンの数々の大ヒットアルバムを手掛けた人気プロデューサー、1985年のハートの大ヒットアルバム『Heart 』は彼のプロデュースによるもの、前作よりもロック色の強いアルバムとなりました。

その『Chicago 19 』からのファーストシングルがこの曲"I Don't Wanna Live Without Your Love"。曲の作者は驚いたことに、Diane WarrenとAlbert Hammondの共作。このソングライターコンビは、StarshipのNo.1ヒット"Nothing's Gonna Stop Us Now"の作者です。

この曲"I Don't Wanna Live Without Your Love"ですが、リードボーカルはBill Champlin。ロックバラードではありますが、Peter Ceteraの時代のAOR系のバラードとは違い、Bill Champlin のボーカルが活きる、ロック色も強い曲でした。力強いカッコいいバラード曲だったです。1位になれなくて残念でした。

今週    先週    song    /    artist
1 1 MONKEY / GEORGE MICHAEL
2 4 SWEET CHILD O' MINE / GUNS N' ROSES
3 5 SIMPLY IRRESISTIBLE / ROBERT PALMER
4 2 I DON'T WANNA GO ON WITH YOU LIKE THAT / ELTON JOHN
5 3 I DON'T WANNA LIVE WITHOUT YOUR LOVE / CHICAGO
6 8 PERFECT WORLD / HUEY LEWIS & THE NEWS
7 6 FAST CAR / TRACY CHAPMAN
8 13 WHEN IT'S LOVE / VAN HALEN
9 15 IF IT ISN'T LOVE / NEW EDITION
10 16 I'LL ALWAYS LOVE YOU / TAYLOR DAYNE
11 9 LOVE WILL SAVE THE DAY / WHITNEY HOUSTON
12 17 ANOTHER PART OF ME / MICHAEL JACKSON
13 18 NOBODY'S FOOL(THEME FROM "CADDYSHACKⅡ) / KENNY LOGGINS
14 20 IT WOULD TAKE A STRONG STRONG MAN / RICK ASTLEY
15 25 DON'T WORRY BE HAPPY / BOBBY MCFERRIN
16 7 ROLL WITH IT / STEVE WINWOOD
17 22 ONE GOOD WOMAN / PETER CETERA
18 10 1-2-3 / GLORIA ESTEFAN & MIAMI SOUND MACHINE
19 19 ALL FIRED UP / PAT BENATAR
20 12 HANDS TO HEAVEN / BREATHE
21 26 I HATE MYSELF FOR LOVING YOU / JOAN JETT & THE BLACKHEARTS
22 11 MAKE ME LOSE CONTROL / ERIC CARMEN
23 24 HERE WITH ME / REO SPEEDWAGON
24 30 LOVE BITES / DEF LEPPARD
25 14 SIGN YOUR NAME / TERENCE TRENT D'ARBY
26 32 DON'T BE CRUEL / CHEAP TRICK
27 28 PLEASE DON'T GO GIRL / NEW KIDS ON THE BLOCK
28 34 A NIGHTMARE ON MY STREET / D.J. JAZZY JEFF & THE FRESH PRINCE
29 36 DON'T BE CRUEL / BOBBY BROWN
30 21 HOLD ON TO THE NIGHTS / RICHARD MARX
31 31 I DON'T WANT TO BE A HERO / JOHNNY HATES JAZZ
32 38 FALLEN ANGEL / POISON
33 40 WHAT'S ON YOUR MIND / INFORMATION SOCIETY
34 42 STAYING TOGETHER / DEBBIE GIBSON
35 39 LOOK OUT ANY WINDOW / BRUCE HORNSBY & THE RANGE
36 52 RED RED WINE / UB40
37 29 MISSED OPPORTUNITY / DARYL HALL & JOHN OATES
38 33 SAYIN' SORRY / DENISE LOPEZ
39 27 JUST GOT PAID / JOHNNY KEMP
40 47 WHAT YOU SEE IS WHAT YOU GET / BRENDA K. STARR

コメント (18)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« トレイシー・チャップマン Tr... | トップ | パット・ベネター Pat Benata... »
最新の画像もっと見る

18 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (かんた)
2024-09-01 20:48:43
ビル・チャップリンのバラード・ナンバーには驚かされましたが、それよりなによりこの曲、全米3位まで上がっていたんですね。
『17』『18』と立て続けにファースト・シングルが不発。
これにより「シカゴのファーストシングルはヒットしない」というジンクスまで生まれましたが、そのジンクスを見事に打ち破ったのが、この曲でありました。
そののち彼らはこのアルバムから、あの『素直になれなくて』をもしのぐ成功を収めた楽曲を世に送り出すわけですから、本当にこのころのシカゴって、80年代の中でいちばん勢いがあった時期だったのではないでしょうか。
返信する
Unknown (太ったボンジョビ ♪(´ε`* ))
2024-09-01 20:54:29
またまたビデオはお初です。しかし綺麗なおねーさんですね😃なのにあんましアップというか正面が映ってないのが不満(`ε´  )プソプソ
しかしチカゴがこんなナンパなビデオヤっていたとは…。
長い夜86とスチルラブミーをベスUSAで見たときには「やはり格調高いスなぁ☺️」と思っていたのですが、みんなモデたいのね♥️うふふふ。
返信する
続いて登場 (hannah)
2024-09-01 21:23:42
星船さん、こんばんは。
途中までタイトルが同じで仲良くランクアップしてきた大御所が、続けての登場ですね。
しかもお互い70年代末の低迷期を脱して80年代ではコンスタントなヒットです。
プロデューサーはD.Fosterではなかったんですね。
そのためかB.Champlinのヴォーカルもロックっぽく聴こえます。
返信する
力強い歌声が気に入ってます (音時)
2024-09-01 21:32:11
https://neverendingmusic.blog.jp/archives/16317833.html 今月、ビル・チャンプリン(ジョセフ・ウィリアムス、ピーター・フリーステッド)のCWFが来日します。ビルの力強い歌声、大好きです。
 シカゴのこの曲、とても好きなのですが、ビデオはダメダメです。"おバカで時代遅れ"という形容詞で紹介されています。
返信する
3度の頂点 (星船)
2024-09-01 22:28:21
かんたさんこんばんは。
そうか、そういえば『17』『18』と、ファーストシングルはいまいちでしたが、次がTop3に入る大ヒットでした。
シカゴは、ブラスロックでアメリカンロックのトップに君臨した70年代、ピーターセテラのバラードでの大ヒットの80年代前半、そしてビル・チャンプリンとジェイソン・シェフの2枚ボーカルの80年代後半と、3度の頂点を極めた奇跡のグループですね。
返信する
PVは (星船)
2024-09-01 22:32:40
太ったボンジョビさんこんばんは。
なるほど、ビデオよく見てみましたが、おねーさん方なかなかの美形でしたね。音時さんのブログにもありますが、PV創世記のような作りの動画でしたが、メンバーの方々は楽しそうで、まあそれは良かった。
返信する
メロディアスながら力強いロックバラード (星船)
2024-09-01 22:37:57
音時さんこんばんは。
ビル・チャンプリンの来日はもうすぐですね。音時さん行きますか?
シカゴの、70年代初めころからのファンの方々には、ビル・チャンプリンが目立つ『Chicago 19 』は、これはシカゴじゃない!っていうのでしょうけども、私はこの頃のシカゴの曲、メロディアスながら力強いロックバラードが大好きです。
ビデオは、違和感なく見ていましたが、そういわれて再度見ると、"おバカで時代遅れ"、とも言えますが、懐かしのPVを見ているようで、私はそんなに悪くはないような。
返信する
ロックっぽいバラード (星船)
2024-09-01 22:41:01
hannahさんこんばんは。
そうなんですよ、デビッド・フォスターがいなくなって、やっぱり変わりましたよね。スターシップのボーカルを変えたような。でも、私はそこが良かったと思います。
ロックっぽいバラード、ビル・チャンプリンのボーカルには、そんな曲が一番合っていますよ。
返信する
Unknown (ダーク・ディスコ)
2024-09-02 08:45:42
シカゴはコンスタントにシングルヒットを出し続けていたわけですが、セテラ時代の17まではアルバムも毎回トップ10に入っていたのにシェフ時代の18は最高位35位、19は最高位37位とだいぶ見劣りしてしまいます。アルバム・アーティストとしてのシカゴはもう終わってしまったということなのでしょうか。あと、この曲のビデオ初めて見ました。当時はビルボードのチャートにはMVの有無が、アーティスト表記の手前に菱形のマークで付いていたのですが、この曲は無印のままなので無いものだと思っていました。評判が悪くてボツになっていたのかな?最近出たジャパニーズ・シングル・コレクションに世界初DVD化という表記があります。
返信する
息の長い大人気ロックグループ (星船)
2024-09-02 16:57:36
ダーク・ディスコさんこんにちは。
そうですね、シカゴは、シングルヒットは70年代初めからコンスタントにありましたが、それでも、浮き沈みがありました。
デビューから、特にシカゴ9と10で、いっかい頂点を極め、その後多少低迷したのですが、「17」がものすごいヒットになりました。それに比べると、「18」「19」は見劣りしますが、それでもプラチナヒットアルバム、やっぱり息の長い大人気ロックグループでしたね。
返信する

コメントを投稿

1988年ビルボードTop40」カテゴリの最新記事