ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する私と、皆さまにお届けするブログです

ビルボード 全米 Top40 1986年8月23日付 マドンナ Madonna - Papa Don't Preach

2022-08-21 20:12:10 | 1986年ビルボードTop40
1986年8月23日付ビルボード All American Top40、2週目の1位はMadonnaの"Papa Don't Preach"。Madonnaですが、もちろん皆さんご存知のスーパースター。83年に"Holiday"が初めてのTop40ヒット、それからたった3年ですが、この曲で10曲目のTop40ヒットで、8曲目のTop5ヒット、5曲目のTop3ヒット、Like a Virgin"、"Crazy for You"、"Live to Tell"に続き、4曲目のNo.1となりました。

2位は4位からアップ、Steve Winwoodの"Higher Love"。Steve Winwoodですが、60年代からブリティッシュロックシーンで活躍しているスーパースター。伝説的なロックバンド、Trafficや、Blind Faithで活躍、グループではアメリカでのシングルヒットはありませんが、81年に、"While You See A Chance"が最高位7位の初のソロヒットを記録、この曲で2曲目のTop10ヒットで、初のTop3ヒットとなりました。
3位は6位からアップ、Bananaramaの"Venus"。Bananaramaですが、イギリス出身のガールグループ。Top40には、84年に"Cruel Summer"が最高位9位を記録、この曲が2曲目のTop40ヒットで、初めてTop3まで上がってきました。
4位は2週間続けた3位からダウン、Belinda Carlisleの"Mad About You"。Belinda Carlisleですが、もちろんThe Go-Go'sのリードボーカルです。The Go-Go'sが1985年に解散して、ソロでの初めてのヒットがこの曲で、最高位3位の大ヒットになりました。
5位は2位からダウン、2週間の1位を記録した大ヒット、Peter Ceteraの"Glory of Love"。映画『The Karate Kid Part II』の挿入曲です。Peter Ceteraですが、もちろんChicagoのオリジナルメンバーで、メインボーカリスト。この前年の85年にバンドを抜けてソロ活動を開始、この曲がソロ初めてのヒットでもちろん初めてのNo.1です。Chicagoでは、この時点で、2曲のNo.1ヒットを含め9曲のTop5ヒットを持っています。

この週2週目の1位はMadonnaの"Papa Don't Preach"。最終的にもこの2週間の1位で、年間チャートは29位。年間35位の前ヒット"Live To Tell"を上回る順位を記録しました。

Madonnaですが、もちろん皆様ご存知のスーパースター。初めてのレコードのリリースは、シングル"Everybody"が1982年、アルバムは、翌年1983年の7月にデビューアルバム『Madonna』をリリース。シングルの初のヒットは、1983年の12月に"Holiday"をリリースして、最高位は16位でした。それからこの時まで、まだ3年弱しか経っていないのですが、この時点で既にこの曲で4曲目のNo.1ヒット、10曲のTop40ヒットを持っています。

そのMadonnaですが、3枚目のアルバム『True Blue』を1986年6月にリリース。まずはファーストシングルの"Live to Tell"が1週間の1位を記録、前述のように年間チャートも35位を記録します。そして"Papa Don't Preach"が2曲目のシングルで、2曲連続の1位を記録しました。 アルバムのプロデューサーは、Madonna自身に、アメリカのミュージシャンでプロデューサーのStephen Bray、ソングライターのPatrick Leonardの3人が担当しています。『True Blue』ですが、それまでのアルバムが、ダンスミュージック主体の音楽であったのに比べ、ストリングスが参加するなど、大人の雰囲気たっぷりのアルバムでした。

この曲"Papa Don't Preach"ですが、題名の「Papa Don't Preach」にまずは驚きました。早速「Preach」を辞書で引くと「説教」。「お父さんお説教しないでね」ですか。で、軽薄な曲かなぁ、と思いきや、イントロからストリングスが流れます、この異色のイントロから驚きの連続でした。うーん、凄い曲を作るものです。はっきり言って、この曲で、本当の意味でのマドンナファンになったかもしれません。
曲の作者はMadonnaに、ソングライターのBrian Elliot。曲は、"未婚、未成年での出産"という、当時のアメリカ社会の問題を取り上げたものでした。そんなことを知ってから聞くと、また、ぞくぞくするような曲でありました。

この『True Blue』ですがですが、5週間の1位、アルバム年間チャートでも、1986年が37位で、1987年が11位。2年連続の年間チャート入りの大ヒットアルバムとなりました。
このアルバムからのファーストシングル"Live to Tell"についても、大人の雰囲気たっぷりの良い曲でした。私のブログでは紹介しませんでしたが、この曲"Papa Don't Preach"の方が、インパクトありすぎました。"Live to Tell"については、また機会があったら紹介します。
マドンナですが、"Like a Virgin"の時には、いつまでこの人気、続くのかなぁ、と、思っていましたが、この『True Blue』で、まさに真のスーパースターになったのではないでしょうか。


今週 先週 song / artist
1 1 PAPA DON'T PREACH / MADONNA
2 4 HIGHER LOVE / STEVE WINWOOD
3 6 VENUS / BANANARAMA
4 3 MAD ABOUT YOU / BELINDA CARLISLE
5 2 GLORY OF LOVE(THEME FROM "THE KARATE KID PART Ⅱ) / PETER CETERA
6 7 DANCING ON THE CEILING / LIONEL RICHIE
7 9 TAKE MY BREATH AWAY(LOVE THEME FROM "TOP GUN") / BERLIN
8 5 WE DON'T HAVE TO TAKE OUR CLOTHERS OFF / JERMAINE STEWART
9 8 RUMORS / TIMEX SOCIAL CLUB
10 10 THE EDGE OF HEAVEN / WHAM!
11 12 SWEET FREEDOM(THEME FROM "RUNNING SCARED") / MICHAEL MCDONALD
12 15 FRIENDS AND LOVERS / CARL ANDERSON & GLORIA LORING
13 14 YOU SHOULD BE MINE / JEFFREY OSBORNE
14 18 BABY LOVE / REGINA
15 24 STUCK WITH YOU / HUEY LEWIS & THE NEWS
16 20 WORDS GET IN THE WAY / MIAMI SOUND MACHINE
17 11 LOVE TOUCH(THEME FROM "LEGAL EAGLES") / ROD STEWART
18 23 YANKEE ROSE / DAVID LEE ROTH
19 13 SLEDGEHAMMER / PETER GABRIEL
20 30 WALK THIS WAY / RUN-D.M.C.
21 25 THAT WAS THEN, THIS IS NOW / THE MONKEES
22 27 MAN SIZE LOVE(FROM "RUNNING SCARED") / KLYMAXX
23 31 DON'T FORGET ME (WHEN I'M GONE) / GLASS TIGER
24 33 LOVE ZONE / BILLY OCEAN
25 19 ALL THE LOVE IN THE WORLD / OUTFIELD
26 16 DANGER ZONE / KENNY LOGGINS
27 34 THE CAPTAIN OF HER HEART / DOUBLE
28 39 DREAMTIME / DARYL HALL
29 28 RUMBLESEAT / JOHN COUGAR MELLENCAMP
30 17 SUZANNE / JOURNEY
31 40 TWO OF HEARTS / STACEY Q
32 32 TAKEN IN / MIKE + THE MECHANICS
33 21 INVISIBLE TOUCH / GENESIS
34 22 ONE STEP CLOSER TO YOU / GAVIN CHISTOPHER
35 35 HANGING ON A HEART ATTACK / DEVICE
36 46 WHEN I THINK OF YOU / JANET JACKSON
37 42 OH PEOPLE / PATTI LABELLE
38 54 THROWING IT ALL AWAY / GENESIS
39 47 PRESS / PAUL MCCARTNEY
40 44 HEAVEN IN YOUR EYES / LOVERBOY

コメント (31)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« タイメックス・ソーシャル・... | トップ | ディバイス Device - Hanging... »
最新の画像もっと見る

31 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
パパお説教しないで! (音時)
2022-08-21 20:39:33
http://neverendingmusic.blog.jp/archives/11833728.html
この曲は歌っている内容をぜひ知ってほしい一曲ですね。ビデオも最後まで見てもらうと…。でも途中飛んだり跳ねたりするマドンナ、お腹の中の子は大丈夫か?と心配したりもしました(^_^;)
 以前やっていたブログでこの曲を紹介したときに、2015年頃でしたか、当時の女子高生に「この曲に合わせてクラスの女子みんなで踊ることになってます!」とコメントをもらった時に、お父さん世代として複雑な思いがした思い出もあります(苦笑)
Unknown (太ったボンジョビ ( ^ー°)v)
2022-08-21 20:53:59
実はこの曲、深夜の麻雀、傍らで流したラジカセのFEN(岩国米軍、夜はやたら感度がイイ)を流していたのですが、他の三人は洋楽興味ゼロ。
エアロスミスのキングズ&クイーンズがかかってノリノリな私!当然三人は手作りに夢中。
ところがこの次になかなかイモーショナルな曲が!
「いいなぁ💕」と思っていたら「これ、マドンナ?」と虚を突かれ、私オロオロ。
ホントでした、言われれば声はマドンナそのもの。
リブトゥテルがサントラ?だったからか、新曲もアルバムもノーマークでしたし、第一、石田豊さんでかかる前でしたので、知らなかったんですよね。
ポップスに興味のない友達(ポートピア殺人事件で学校休みの彼、フーターズのとき登場)に先んじられるとは何たるお恥ずかしいお話。
あん時の麻雀が大学最後だったかなあ、懐かしい。
翌朝バイトの同居人に「お前ら何を朝までしょーるんならー!」と激怒されました。またまた自分語りでごめんなさい😫
イントロから (星船)
2022-08-21 21:30:08
音時さんこんばんは。
この曲、イントロからゾクゾクする曲でした。曲の題名から受ける印象と、実際の曲の内容とはだいぶ違いました。
箇所も拝見しましたが、とっても良い歌詞でした。PVのラストですが、やっぱりパパは娘を守っていくのですね。いい曲だったなぁ。
大学の時は (星船)
2022-08-21 22:05:11
太ったボンジョビさんこんばんは。
そういやぁ、私も、高校生の時は周りに洋楽ロックを聞く友人がいたけれども、大学になったら、みんな日本の歌だったなぁ、麻雀の時どんな曲かけていたっけ?覚えていないのは多分日本の歌で興味なかったでしょう。
土曜の夜だけは、全米Top40を聞かなきゃならないので、麻雀断っていましたっけ。
Unknown (太ったボンジョビ ( ´-ω-`))
2022-08-21 22:20:44
だっはっは、4回生でしたので土曜は呑み(就職活動中なのに)、平日は誰かのトコで麻雀が多かったですな。
あとこの頃はアッチもソコソコで…へへ。でもどっちかと言えば金曜のアッシー君でもありましたです。
んで、それにも関わりますが、この時のパパドン、ちょっと……とも思ったんですよね。
2回生のときに同クラスの娘が先輩と妊娠&結婚!ビックリしましたが、まぁ本人が幸せそうだったんで、あと金持ちの娘だったし、まあそれはそれで。
で、それなりにナンパな学校でしたが、回りにはあとはいっさい「しくじった…」な奴らがいませんでしたよ。
というのもこの86年といえば、空前の、BIGディジーズwithアリトルネーム(翌年のプリンスさんの歌詞)の蔓延の恐怖!
避妊以上に感染回避!をわれわれ自らがオカモトさんを味方に、ビクビクしながらもしかし、ピクピクと頑張っていたわけで…。
なのにメリケンでは普通にしくじったパターンが社会問題になってるんスか?と違和感を感じたものでした。
薬害なんちゃらもやたらニュースになりましたしね。
ちなみにティーチャープリッチャー、は誰の歌詞だったのかな?ストーンズだったかなー?
前作と一変 (hannah)
2022-08-22 00:41:47
星船さん、こんばんは。
そうですね、確かにこの曲のイントロのストリングスで今までもMadonnaのイメージとは変わりました。
♪Live To Tell♪もそうでしたけど、単なるノリのいい曲ではなくて、説得力ある曲も増えました。
前作はN.Rodgersの色が出ていましたが、今回はその色もなくなり新たな路線を模索しているようですね。
Bエリオット (240)
2022-08-22 06:37:58
おはようございます。
これもまたヒットしましたね~。
PVもヘビロテしていたような記憶が。
この辺りでマドンナも只者ではない…風でした。
作者を見て思い出しましたが、ブライアン・エリオットが発表した(多分)唯一のソロアルバム、もちろんこの時期よりずっと前に発表したものですが、かなりSSW系の名盤。後追いでこっちの名盤を聴きましたが、「Papa Don't Preach」とは全く違う曲調にビックリした記憶があります。
Unknown (blackmore1207)
2022-08-22 12:49:41
こんにちは。
アルバム「true blue」は名作ですね!
マドンナの作曲家/作詞家としての才能が本格的に開花したのがアルバムで、ほぼ全曲にライターとして参加しています。
ストリングスが重厚感を与えている最強ポップチューン「Papa Don't Preach」、キャッチーなメロディとスピード感が見事な「Open Your Heart」、また哀愁のラテンメロディ溢れるサウンドで日本でも大ヒットした「La Isla Bonita」など、一回聴いたら忘れないポップかつロックな名曲ばかりが並んだ一枚でした。
Unknown (かんた)
2022-08-22 19:57:43
そういえばこの直後、シンディ・ローパーが『トゥルー・カラー』をリリースしたんですよね。
マドンナが『トゥルー・ブルー』を発表すれば、シンディが『トゥルー・カラー』を発表。
シンディがアルバムから『チェンジ・オブ・ハート』をリリースすれば、今度はマドンナが『オープン・ユア・ハート』をリリース。
この時期のライバル同士の「似たものタイトル対決」は、ちょっと見ものでした。
短い名前の重病 (星船)
2022-08-22 21:19:44
太ったボンジョビさんこんばんは。
4回生はねぇ、そりゃあ楽しかったなぁ、みんなそうですよね。
で、86年というと、私は社会人3年目か、いろいろ忙しかったなぁ、あんまり洋楽も聞く暇なかったか。
プリンスさんのは「短い名前の重病」ですか、そうか、86年頃からだったか、エイズが日本でも確認されて、かなり話題にはなっていましたのを思い出しました、が、なんか、海外のこと、っていう感じではありました。

コメントを投稿

1986年ビルボードTop40」カテゴリの最新記事