前橋市議会議員中島もとひろの“私たちの子どもや孫の世代のために!”

前橋市議会議員中島もとひろのブログです。日々の活動や愛する故郷“前橋”への熱い思いを、このブログを通じてお伝えします!

環境対策は市民・行政・企業の明確化を!

2008-01-06 23:58:57 | Weblog
 今朝の地元新聞1面に、県内市町村で容器包装廃棄物の回収が見積もりを1割から2割下回っているという記事が載っていました。

 リサイクル法の施行により、容器包装いわゆるプラの回収がスタートしました。これは素晴らしいことです。しかし、なかなか思うように行かない。残念ながら現状では当然であると思います。

 リサイクルはその名の示す通り、しっかりとした循環の輪ができなければうまく行きません。その際、市民・行政・企業の役割分担が必要不可欠です。しかし、現状ではそこがあいまいです。特に日本では、企業責任が不十分であると言わざるを得ません。

 私が数年前に県環境アドバイザー有志の皆様と環境先進国視察に訪れたドイツでは、企業責任が明確になっていました。ドイツでは市民はグリューネクンプトと言われるマークのついている容器包装は全て一緒に排出でき、回収もしてくれます。回収は日本のように市町村ではなく、企業が容器包装の素材に応じた拠出金で設立されたデュアルシステムドイチュランドという会社が行います。ちなみに、日本ではこの回収を行政が行っているということは、その回収費用を税金でまかなっている、すなわち私たち市民が負担しているということになります。ドイツで感心したのは、リサイクルの輪がまさにシステムとして成り立っているということです。先程、容器包装の素材に応じた拠出金と申し上げましたが、一口でリサイクルに負担のかかる容器包装には高い負担金がかけられ、負担のかからない容器包装には負担が軽くなっています。例えば、紙とビニールが一緒になったような複合財は負担金が高く、紙のように比較的負担の軽い容器包装には低い負担金が設定されています。そのため、ドイツではより負担金の軽い素材、すなわちリサイクルしやすい素材へと向かいます。当然ですよね。企業としてはできるだけコストを抑えたい訳ですから。しかし当然、企業もその拠出金のいずれかは価格に反映させているでしょうね。それはある意味市民の責任であり、更に市民はリサイクル促進のため、グリューネクンプトのマークのついた容器包装をしっかりと分別し、排出する責任もあります。更に、これにはいわゆるゴミの有料化もセットになっています。私が訪れた世界の環境首都と言われているドイツのフライブルグでは、先程のグリューネクンプトのマークのついた容器包装やビン、残渣(いわゆる残飯)は無料、それ以外のどうしてもリサイクルできないものだけが有料とされていました。そのため、市民も当然、余計な負担はしたくないので、自然と分別・リサイクルが進むという仕掛けです。ちなみに、ドイツでは、日本では使い捨てのペットボトルも昔の日本のビンと同じくリターナブルとなっています。日本では使い捨てのコカ・コーラのペットボトルがドイツでは再利用のペットボトルとなっているのです。何か日本人がバカにされているような気がしました。

 ちなみに、今から数年前の私が市議会議員時代の前橋市のゴミ処理費が約37億円。全て税金でまかなわれています。ゴミは決して“タダ”ではありません!また、前橋市では、当時45㍑のゴミ袋1袋当たりのゴミ処理費用は約200円。例えばその半分を市民が負担するとすれば、毎週可燃ゴミを週1回出して月400円~500円。2回出しても800円から1,000円です。(ドイツの手法を採用すれば、プラは無料です。)これが高いか安いか?それだけではありません。数年前に前橋市でつくった新しい最終処分場の土地の取得費や建設費は併せて120億円余。これも使い方によってはどのくらいもつのか分かりません。またいっぱいになれば次を確保しなければなりませんが、今の時代なかなか場所の確保も難しいでしょうし、間違いなくこれまで以上にコストはかかるでしょう。こんなに沢山のお金を使って、自然を破壊しているのです。本当に残念です!ここまで読んでくだされば、皆様、答えは一目瞭然であると思います。

 このところテレビ等で報道されている通り、環境問題は私たち人類にとって今や喫緊の課題です。また、こういった形でこれまでゴミ処理に費やしていた費用の半分20億円近いお金が浮くとすれば、財政難の今、さまざまな形で有効活用もできます。目先のことではなく、私たちの子どもや孫の世代のことを考えれば、私たちは市民・行政・企業としての役割・責任を明確にし、それらを受け入れなければなりません。


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