ウォルター・クレイン
ある国の美しい姫が遠い国の王子と結婚することになった。その母親の妃は多くの金銀の宝と、ものいう馬と侍女をひとりつけて姫を旅に出したが、途中で姫は侍女に罠をかけられてしまう。侍女は自分が姫になりすまして王子と結婚し、姫をがちょう番の女に落とす。しかし嘘が長く持つはずはなく、不思議ながちょう番の女の評判は王の耳にも届き、王は真実を知る。侍女は処刑され、王女は王子と幸せに暮らす。
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うそと本当の物語ですね。真実の姫はがちょう番に落とされても誇りもその心も美しさも失わないのです。どんなに暗いところにいようとも、それは必ず王の耳にも届く。田舎に平凡に暮らしていた美女の話が、遠い外国の大統領の耳にも届いたように。