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世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

ミダス王の審判

2018-11-02 04:11:17 | 青空の神話


フランチェスコ・プリマティッキオ(工房)

ある日アポロンとパーンが音楽の腕比べをした時、パーンは素朴な笛を吹き、アポロンは見事な竪琴を弾いた。山の神トモーロスはアポロンを勝利者に選んだが、パーンを崇拝していたミダスはそれに異を唱えた。怒ったアポロンはミダス王の耳をロバの耳に変えてしまった。ミダス王はそれを恥じて帽子でいつもそれを隠していたが、理髪師だけにはそれを隠せなかった。理髪師は決して秘密をもらしてはならないと約束させられたが、黙っていることができず、草原に入って穴を掘りそれに向かって、「王様の耳はロバの耳」と言ってまた穴を埋めた。しかしこの後、野原に葦がはえ、葦が「王様の耳はロバの耳」と風に吹かれてささやいたので、みなに秘密が漏れてしまった。



パーンは牧羊神、角がありあごひげをはやし山羊のような足をして、好色でニンフをみかけると追い回していたと言います。そういうものと太陽神アポロンが争ったということは、理性と不道徳が争ったという意にとれます。ミダス王は不道徳をとったので、そんなやつの耳は動物の耳と同じだと、アポロンは言いたかったのでしょう。しかしミダス王には不道徳を恥じる心もある。ロバの耳が知れ渡ってしまった後、王は理髪師を死刑にしようとしたが、結局は許したので、それに感じたアポロンはロバの耳を直してあげたと言います。




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