聖ルチア伝説の画家
小アジアの司教ニコラスはある日、とても貧しい家があるのを知った。三人の娘があるが、結婚をさせるにも持参金もなく、それどころか身売りさせねばならないほどだったのだ。それを哀れんだニコラスは、夜中に密かにその家に金貨を投げ入れた。そのとき暖炉に靴下が吊り下げられてあり、金貨はその中に入った。おかげで娘たちは身を落とさずにすんだという。
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サンタクロースのもとになったお話ですね。聖ニコラスのような人はいました。金を恵むなどということは、情けのかけ方を間違っているようだが、昔はそれもいいことにすることができたのです。社会の体制が今よりもずっと未熟だったからです。それが、クリスマス・イヴに世界中の子供たちにプレゼントを配る、妖精のようなおじいさんの話に発展した。大人になればだあれも信じなくなるというサンタクロースですが、本当はいるのですよ。何もかもをやってくれる、妖精のようにありがたい存在は、いるのです。