色鉛筆の絵も、何枚も描いているうちに、だいぶ上達してきたので、もう一度描いてみたくて、描きました。これからしばらく、物語の余韻にひたりつつ、絵を紹介していきたいと思います。
白髪金眼長身、若者の姿をした聖者です。わたしは、「聖域の聖者」と呼んでますが。
彼は別章には出てきませんが、物語の中では一番好きな登場人物です。そりゃあ、何せ、かっこいいですから。しかも、わたしが男だったら、ぜひやりたいってこと、やってくれますから。単身、地球のど真ん中のど真ん中に、突っ込んでいく。自分の全身全霊の力をまるごと、ぶつけて、挑戦していく。あれは、神の領域だ。でもやらねばならない。神が、来いとおっしゃるならば!
いいなあ、男は、これがやれるもんね。すごいわ。
でも、彼は、人類をはるかに超えた存在です。人類にはこの真似は、当分は、できない。地球上で、正しいことをする男はみな、敗れていく。イエスのように。そして、敗北の沼の底でのたうち、苦い泥をなめ続けている。
そのまま、泥の底に溶けて、消えていき、男をやめる男もいるでしょう。でも、中には、自分の中の正しい男を金剛石のように固まらせてゆくやつもいる。きっといる。負けてなるものかと、屈辱に耐え続けているものもいる。はずだ。
待っている。みんなが、待っている。正しい、本当の、男が、人類の男が、敗北の底から、もう一度、立ち上がってくれることを。人類は、そして、神様は。
立ち上がるか。君は。