日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

明かり煌めく仙台へ 2020 - なみなみ

2020-12-30 20:59:04 | 居酒屋
おのちゃんで知ったのは、「要請」に従い九時で札止め、十時で完全閉店するということです。これは、系列店も同じ扱いとなっている可能性が高いことを意味します。「おのちゃん」では軽く一杯やる程度にとどめて失礼し、時報までに入れるよう「なみなみ」へ駆け込むと、店長からは15分、20分ほど猶予はあるとの説明が。言葉に甘え、まず七勺で注文し、突き出しとともにいただくという経過です。
今日は年内の最終営業日でもあります。しかし、自分が年内最後の客になるかと思いきや、さらに二人が相前後して飛び込みました。こちらと同じ考えの人物が、他にもいたということになります。そのうちの一人に店長が説明していたところによると、国分町に関する限り、ほぼ全ての店が同調したようです。都内では、無理無体を毅然として突き放す店も少なくありません。実際のところ、駅前の方まで行けば、開いている店はあるかもしれないとの発言が。先月訪ねたときにしてもそうでしたが、特定の繁華街を目の敵にする風潮は、地方においてとりわけ根強く感じられます。仙台ではもちろん国分町です。何者が仕切っているのかは謎ながら、界隈の店に対してはとりわけ強い「要請」がなされたということなのでしょう。
三月に訪ねたとき、売上は前年比で半減したと聞きました。その後の経過も考えると、今の苦境はなおさらでしょう。当店にとっては最後まで踏んだり蹴ったりの一年になってしまいました。しかし、そのような中での来店に対する礼だと称して、店からは刺し盛りが奢られるという粋な計らいが。しみじみ感謝しつついただき、酒を三杯干したところで辞去しました。

なみなみ
仙台市青葉区国分町2-5-7 Ys51ビル1F
022-267-2332
平日 1800PM-200AM(LO)
日祝日 1800PM-2300PM(LO)

天上夢幻・水鳥記・宮寒梅
お通し二品(もつ煮・菜の花おひたし)
お造り三点
せせり
月見つくね
アスパラ豚巻き
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明かり煌めく仙台へ 2020 - おのちゃん

2020-12-30 20:08:00 | 居酒屋
宿に一旦退却し、一息入れて出直しました。国分町をひとしきり歩いた限りでは、10時閉店の「要請」を多くの店が受け入れている模様です。駆け足で回るとしてもあと二軒が限度でしょう。まずは「おのちゃん」を訪ねます。
定禅寺通りの欅並木を見渡せるカウンターは唯一無二、明かりが灯るこの時期ならばなおさらです。現店長への交代を機に酒と肴は簡素化され、客層も様変わりしたものの、やはりここだと決めていました。そのつもりで店へ乗り込むと、カウンターの中ほどに一人だけ先客が。通されたのは一番奥の窓際でした。一見して特等席のようでありながら、そうでもないということが経験上分かっています。外の様子を眺めるには、真横を向くに近い形になるからです。しかし、積雪した外の様子を見渡せるという点で、今回に関する限りはあながち悪くはありません。このカウンターで一年を締めくくれるのは幸いです。

居酒屋おのちゃん
仙台市青葉区国分町2-14-25 仙台リッチホテル2F
022-267-1909
1800PM-200AM(LO)

高清水
お通し(さきいかとセロリの和え物)
ソーセージ二種盛り合わせ
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明かり煌めく仙台へ 2020 - 光のページェント

2020-12-30 19:40:12 | 東北
物騒なご時世の煽りで東北各地の祭りはことごとく中止に追い込まれ、その波は仙台の七夕まつりにも押し寄せました。しかし光のページェントだけは規模を縮小しながらも開催中です。一日当たりの点灯時間を縮める代わりに開催期間を延長し、新年も三が日と直後の三連休は点灯する予定で始まるも、お上による「要請」の発動により時間がさらに短縮され、今夜については七時から九時までのわずか二時間に限られてしまいました。しかし元々二時間かけて見物するほどの規模ではありません。中止にならなかっただけありがたいということもできます。
市街にもわずかとはいえ雪が積もっていることは既報の通りです。それに加えて今年はもう一つの見所があります。満月の夜に重なったのです。密集を避けるという大義名分の下、中央の遊歩道は閉鎖され、三脚を立てての撮影もご法度ではありますが、横断歩道が遊歩道を横切る一角から眺めれば、朧げな月が欅並木に重なっています。
光のページェントといえば、思い出すのが震災の年です。倉庫に保管していた電球を津波にさらわれ、一時は中止も検討されたものの、各地の有志から贈られた電球を使って開催されたのでした。色合いが微妙に違う電球も、そのような経緯があってのことと知った上で眺めると、しみじみ感慨深かったのが思い出されます。ある意味ではあのとき以上の混乱に見舞われた今年も、満月が印象的な場面を演出してくれました。
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明かり煌めく仙台へ 2020- ICHIRYU

2020-12-30 18:32:07 | 居酒屋
仙台に着くのを二日延ばしたことによる収穫は多々ありました。ただし、代償もなかったわけではありません。暮れもいよいよ押し迫った30日、年末年始の休みに入る店は次第に増えてきます。居酒屋はさておき、問題は牛タンをどこでいただくかでした。同じく30日に訪ねた昨年は、一隆の分店が開いていて救われました。しかし、虫のよい話は二度まで起こりません。太助も雅も休んでおり、既出の中では「閣」だけが頼みの綱でした。ならばそちらへ行くかというとさにあらず。かねがね気になっていた店が開いていたため、急遽そちらに飛び込みました。
ICHIRYUなる屋号の通り一隆の系列店です。跡取りが独立して始めた店と小耳に挟みました。「なみなみ」と「久遠」がある虎屋横丁の西の外れ、年季の入った雑居ビルの二階という立地は、本店よりも分店を彷彿させるものがあります。暖簾をくぐるや、大音量で流れる音楽に面食らうも、この期に及んで後には引けず、そのままカウンターに着席。牛タン、味噌カツの二枚看板に加え、当地名物の三角揚げを筆頭にいくつかの肴を揃えた品書きは、やはり分店と同様です。ただし、宮城の地酒が揃っているのは特筆されます。その中から「特急ひばり」なる珍品を選び、然る後に牛タンをいただくという流れに落ち着きました。
この牛タンが出色です。長めの待ち時間を経て運ばれてきたのは、牛タンを山盛りにした横長の皿でした。半分ずつに切ったものが12枚あるため、実質六枚相当ということになります。それを定食にしても二千円少々なら、今のご時世においてはかなりのお値打ち品です。太助に比べやや小ぶりなところと、ご飯に白飯を奢るところは一隆の伝統を受け継ぐ一方、切り分けの厚さが一見して違います。直接比べたわけではないため確たることはいえないものの、「閣」と互角かもしれません。
あちらを引き合いにしたのは、厚く切るだけが能ではないからです。一隆の牛タンといえば、一口で噛み切れる柔らか目の食感が特徴のところ、厚く切られたこちらのタンには歯応えがあります。去年分店でいただいたハーフタンに近いといえば近いものの、噛むほど滲み出る味わいと焼き加減の絶妙さはこちらが上です。名店の技法を採り入れつつも、さらなる独自性を加えて昇華された、唯一無二の味わいでした。音楽が耳障りなのは玉に瑕ながら、それを差し置いてもまた来たいと思わせる価値がここにはあります。
店を出てから気付いたことがあります。名刺に書かれた店主の姓が佐藤、つまり分店の親方と同じなのです。本店の跡取りかと思いきや、実は分店のお身内なのでしょうか。真相のほどはいずれ再訪したときに訪ねてみることにしましょう。

ICHIRYU
仙台市青葉区国分町2-8-2 八百重ビル2F
022-266-0308
1800PM-2230PM(LO)
日祝日定休

特急ひばり
突き出し(肉じゃが・イカと山葵の和え物)
牛タン焼
定食セット
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明かり煌めく仙台へ 2020 - 冬将軍

2020-12-30 17:49:52 | 東北
国道48号線で県境を越え、さらに上って仙台に着きました。出発から830km走ったところで本日の走行は終了です。ある程度覚悟していた通り、東根を出てからは路面が真っ白でした。県境を越えてもしばらく積雪が続き、愛子でようやく路面の雪がなくなるという経過です。仙台市街に入っても、歩道と路肩は積もっています。現在地の気温は氷点下1.5度、冬将軍到来を実感させる寒い夜となりました。
雪道を自分の車で走ったのは、実質二年ぶりのことです。新潟からあの道が延々続いたとすれば、途中で挫折し引き返したかもしれません。昨日まで穏やかな気候が続いてくれて助かりました。しかし人間は勝手なものです。あのまま終われば拍子抜けしていたでしょう。雪道を最後に少し体験できたという点で、最善の結果となってくれました。
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明かり煌めく仙台へ 2020 - 酒屋源八

2020-12-30 16:07:46 | 酒屋
国道287号線に入り、谷地まで走り通しました。長井から白鷹にかけて一時的に雪が少なくなったものの、それ以外の区間は見渡す限りの雪景色でした。しかも路面に薄く積雪してきたところです。これ以上積もる前に峠を越えてしまうに限ります。仙台での夜の部を控えていることもあり、肉そばも見送って先を急ぎますが、せめて酒だけ買っていきます。立ち寄るのは酒屋源八です。

酒屋源八
西村山郡河北町谷地字月山堂684-1
0237-71-0890
900AM-1900PM
水曜定休
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明かり煌めく仙台へ 2020 - 西大塚駅

2020-12-30 14:57:54 | 東北
寄り道は控えると言っただけであり、一切しないと述べたわけではありません。例外の一つとして西大塚駅があります。先月も暗い中で立ち寄りはしたものの、日中に再訪するのは去年の花見以来です。雪が早くも乾いてきました。峠でどうなっているかが気になります。
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明かり煌めく仙台へ 2020 - 牡丹雪

2020-12-30 14:44:08 | 東北
赤湯を出るや、雨がみぞれ混じりに変わって、宮内の市街では牡丹雪になりました。この雪が乾けば路面に積もるでしょう。そうなる前に走りきってしまった方が賢明です。この後は寄り道を極力控えて走ります。
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明かり煌めく仙台へ 2020 - 地酒蔵ゆうき

2020-12-30 14:19:41 | 酒屋
赤湯で寄るべき場所の一つに、近年酒屋が加わりました。続いては地酒蔵ゆうきを訪ねます。一見すると量販店のようでありながら、目移りするほど充実した地酒の品揃えは、自身が知る限り羽生の「ぎょうだ」と並ぶ双璧です。今回もかなり逡巡した末に、先ほど寄った高畠にちなんで米鶴を選びました。山廃純米吟醸の生原酒という触れ込みの一本です。

地酒蔵ゆうき
南陽市椚塚1605-4
0238-43-6333
900AM-2100PM
元日休業
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明かり煌めく仙台へ 2020 - あずま湯

2020-12-30 13:30:48 | 温泉
国道13号線を再び下って赤湯の町に入りました。まだ白昼ではありますが、100円で風呂に入れるならむざむざ素通りする手もありません。今日はあずま湯に立ち寄ります。

★あずま湯
南陽市赤湯2956-7
0238-40-2924
600AM-1100PM/1300PM-2100PM
木曜定休
入浴料100円
泉質 含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉
泉温 61.2度
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明かり煌めく仙台へ 2020 - 金ちゃんラーメン

2020-12-30 12:34:14 | B級グルメ
正午過ぎの列車を撮って切り上げました。冷たい小雨が降る中で立ち続け、身体の芯まで冷えました。温かいものが何よりありがたい状況で、近くに「金ちゃんラーメン」があるのは渡りに船というほかありません。久々に高畠店を再訪します。
谷地店と同様に、味噌ラーメンが品書きの筆頭にあることからすると、当店では中華そばよりこれなのでしょう。しかし、米沢店との違いを確かめたいということもあり、あえてチャーシューメンを注文。五枚ある巻きチャーシューを丼の縁に貼り付けたような出で立ちは、当店最大の特徴です。しかし、具の構成と味わいはきわめて近いものがあります。一口目に立ち上るカエシの甘い香りが次第に薄れていき、その代わり自家製の縮れ麺とスープがなじんでくるという変化も同様です。一方、常時満席で回転する米沢店に比べ、お客の入りが適度なのは当店の美点といってよいでしょう。窓際の小上がりを一つ借り切って、悠然といただくことができました。

金ちゃんラーメン 高畠店
東置賜郡高畠町福沢西町1562-2
0238-57-5275
1100AM-1430PM/1730PM-2000PM
第一水曜終日及びその他の水曜夜の部定休
チャーシューメン820円
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明かり煌めく仙台へ 2020 - 山形新幹線

2020-12-30 09:57:10 | 東北
今日こそ先を急ぐかというとさにあらず。まずは山形新幹線を撮影します。開業以来三代目となる新車への置き換えが発表される中、今の姿を記録しておこうという寸法です。
山形新幹線を撮った経験は必ずしも多くありません。これは、花見以外で山形を訪ねる機会が多くないのに加えて、撮影に適した場所が少ないという事情によります。しかし、車窓から眺めた上での心当たりはありました。高畠から赤湯にかけての、周囲に田圃が広がる直線区間です。勘だけを頼りに車を走らせ、探り当てたのは県道の跨線橋でした。元々狙っていた赤湯側はそれほどでもなかったものの、高畠側の眺めが上々です。雪原を一直線に線路が貫き、ほどよい距離を置いた場所に駅があって、彼方に雪化粧した山々が連なります。視界が広々しているため、作画は自由自在です。短いレンズで雪原を大きく入れても、長いレンズで遠景を引きつけてもよく、線路に寄って正面がちに撮っても、離れた場所から斜めがちに撮ってもよいという仕掛けです。しかも、非常時にもかかわらず下り列車は増発され、一時間につき二本程度はやってきます。まずは時間を気にせず粘ってみるつもりです。
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明かり煌めく仙台へ 2020 - ホテルモントビュー米沢

2020-12-30 08:21:43 | 東北
長岡、若松、米沢の順に駒を進めてきましたが、宿については他と比べるまでもなく即決してきました。昨晩世話になったのはホテルモントビュー米沢です。
今回は久々に朝食をいただきました。素泊まりで済ませるつもりが、予約サイトで押さえるとき、手違いにより朝食付のプランを選んでいたのです。この朝食が進化していました。以前いただいた朝食は、最上階のレストランで一人前ずつ提供されるものでした。当時は無料だった中町フジグランドホテルの朝食と比べても大差のないもので、料金に見合った価値まではないというのがそのときの印象でした。それが今ではバイキングに変わり、会場もロビー階のレストランに移っていました。法華クラブに比べると見劣りはするものの、品数豊富で多くの品が手作りと見受けられ、かつての朝食との違いは歴然としていました。しかも感心させられるのは、全ての品を小皿に取り分け、一つ一つにラップをかけていることです。感染症対策なのは明らかとしても、これほど徹底している例は自分の知る限り他にありません。
ここまでするなら、かつてのように一人前ずつ提供した方がよかろうと最初は思いました。しかしその理由の一端を知ることになります。利用客の多くは学生風の青年で、客層がビジネスホテルのそれとはやや違いました。その青年らと客席係のおばちゃんによる会話から分かったのは、当館が合宿制の教習所の宿舎になっているらしいということです。次代を担う若者に、朝から満腹になってもらうため、手間のかかるバイキングをあえて維持しているということなのかもしれません。かつてない苦境の中でも、精一杯のことをしようという気概は天晴れです。
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明かり煌めく仙台へ 2020 - 五日目

2020-12-30 07:51:37 | 東北
おはようございます。昨晩は「河岸や」一軒限りで切り上げ、大人しく宿に戻りました。米沢に泊まった翌日は、お昼に「金ちゃんラーメン」へ行くのを恒例としてきましたが、昨日のうちに行ったことによりその必要はなくなります。早めに距離を稼いでいき、今度こそ仙台まで走りきるつもりです。
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