日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

豊穣の加賀を行く - 帰着

2017-10-01 23:50:40 | 近畿
帰宅しました。北海道へ向かったにもかかわらず、西の方から、それも列車で戻ってくるという不可思議な結末もあり、長旅が終わったという実感が全く湧きません。旅の終わりを最も実感していたのは、釧路を出て十勝、旭川、札幌と転戦していた北海道編の終盤です。しかし、本当の最終日には雨に降られたり、乗船前に慌てたりして、終わりをしみじみ実感するどころではありませんでした。その後の北陸編はあたかも全く違う旅のように感じられ、北海道の続編という実感は最後まで希薄なままでした。札幌までは旅の起承転結があったのに対して、そこから先の流れを見失っています。北海道から東北を南下していく、あるいは逆に北上していくという行程が腑に落ちやすいのに対し、北海道、北陸、近畿という全く異なる地域を掛け持ちする意義が、よく分からなくなってきたのが実情です。しかし、再び実現できるかどうかも分からない貴重な機会だけに、異なる活動の集合体で終わらせたくはありません。この経路を採ったからこその発見を、一つでも多く持ち帰りたいものだと思います。
次回は米原を起点に活動を再開し、四年ぶりに北近畿を周遊する予定です。長い休みの後だけに気が引ける面はあるものの、またも一日休みをとり、四日の日程にすることを考えています。連休の前と後のどちらを休むかは天候次第です。連休の後を休み、最終日が平日となった場合、この時期恒例の東名集中工事に重なってしまうため、影響を回避する目的も兼ねて、さらに一週延ばすことも検討します。
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豊穣の加賀を行く - ひかり536号

2017-10-01 22:04:58 | 近畿
旅先に車を置いて一旦帰るという奇策を、東北、北海道からは何度も使ってきましたが、西日本を起点にするのは初めてです。米原から最終の「ひかり」で帰路につきます。当日中に帰京できる最後の列車は10分少々後に出る「こだま」ですが、名古屋で「のぞみ」に乗り換えるより、空いた「ひかり」でそのまま帰れる方を選んだ次第です。

実は、米原から自走で帰ることも一応可能ではあったのです。前回の活動で福井を出たのは九時過ぎでしたが、今回はそれより二時間近く前に敦賀を出ており、単純に考えれば一時台の帰着も不可能ではないように思われました。しかし、今回の帰りはともかく、次回再び近畿まで走る気力が起こらないとでも申しましょうか。高速料金の割引が大幅に縮小されたことにより、燃料代、高速代を合わせると新幹線の運賃、料金の合計と大差がなく、実質的には駐車料相当の違いしかありません。その駐車場が一日あたり300円の格安だったこともあり、列車で往復できる安楽さが勝りました。
もちろんよいことばかりではありません。週末は車を取りに必ず近畿へ戻ることになるため、天候次第で活動を見送ったり、目的地を振り替えたりすることはできなくなります。しかし、北海道から近畿までの縦断を、今季の目玉と位置付けた以上、北陸までで切り上げるのはいかにも中途半端です。天候にかかわらず決行する意志を持っていたからこそ、車を残して帰るのだともいえます。

米原を起点にした理由として、往復するにあたっての利便性が高いこと、駅前に格安の駐車場が多いことが挙げられます。それとともに決め手となったのは、再開後の行程の選択肢が広がることです。すなわち、米原を起点にすれば、京都、丹波、丹後、若狭の順で時計回りに進んでも、逆回りに進んでも移動距離に大差がありません。天候に応じて柔軟に対応するつもりです。

★米原2104/ひかり536(536A)/2308東京
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豊穣の加賀を行く - 半月ぶり

2017-10-01 21:44:11 | 近畿
敦賀から北陸道に乗ったものの、一般道でも十分間に合うことに気付き、木之本まで一区間だけ走って下り、そこから8号線を経由して米原に着きました。新潟から610km, 出発から2960km走ったところで北陸編は終了です。
道東道の無料区間に乗ったのを除き、新潟まで走った初日以来、半月ぶりの高速道路だったことになります。一般道だけでよく走ってきたものだというのが実感です。帰りの列車の30分以上も前に着き、これなら敦賀から一般道でもよかったかと思いきや、駅前の駐車場が料金前払いという変わった仕組みで、勝手が分からず手間取ったため、全区間一般道では最後にまたも慌てていたと予想されます。短縮効果の大きい区間だけ乗り、浮いた時間が大きく生きたという点で、高速道の使い方としてはまことに理想的でした。
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豊穣の加賀を行く - 敦賀温泉

2017-10-01 19:17:33 | 温泉
前回福井を訪ねたとき、県下に何軒もの銭湯が健在なのを知りました。敦賀でも三軒の銭湯が盛業中です。再び経路上無駄なく寄れることを重視し、敦賀温泉に立ち寄ります。浴場のみならず脱衣場から外観に至るまで、大小各種のタイルで仕上げた造りが印象的です。

★敦賀温泉
敦賀市津内町1-14-15
0770-22-2368
1530PM-2200PM
月曜定休
入浴料430円
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豊穣の加賀を行く - ヨーロッパ軒

2017-10-01 18:14:37 | B級グルメ
六時を回ってすっかり暗くなりました。帰りの列車が米原を出るのは九時過ぎ、あと三時間と思っても、瞬く間に時間が過ぎていくのは経験上分かっています。敦賀で手早く風呂と腹ごしらえを済ませますが、ここから先は時間との戦いになりそうです。
最後が敦賀となったことで、今回もヨーロッパ軒のカツ丼をいただけることになりました。経路上無駄なく寄れることを重視し、駅前店を訪ねます。福井の本家の伝統を受け継ぎつつも、独自の進化を遂げたのが敦賀のヨーロッパ軒です。福井の店舗も昔懐かしい雰囲気のところが多いとはいえ、昭和40年代、50年代から何一つ変わらないかのようなこちらの店内の雰囲気には唯一無二の個性があります。品書きも値段こそ書き換えられてはいるものの、それ以外は長年変わっていないように見えます。店内の雰囲気に合わせ、あえて昔ながらの体裁を守っているのでしょうか。アルマイトのやかんに入ったお茶が出てくるところも秀逸です。
純然たる和風建築はともかく、この手の食堂を昔のままの姿で残していこうという動きはなかなかありません。今のままでも十分貴重ではありますが、あと十年、二十年経ったときには一層価値が出てきそうな一軒です。

敦賀ヨーロッパ軒駅前店
敦賀市清水町2-19-1
0770-22-4640
1100AM-2000PM
祝日除く月曜及び火曜定休
カツ丼864円
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豊穣の加賀を行く - 新保駅

2017-10-01 17:52:07 | 北陸
工事現場を出てさらに進むと落石除けが、次いで山中信号場のスイッチバックの遺構が現れ、そこから大小いくつものトンネルが続くという見応えのある光景が展開。しかし、杉津に着いたところで光量の限界に達してしまい、残りの区間は走り抜けるだけとなってしまいました。只今新保駅の跡地まで峠を下りたところです。
全体の半分ほどしか撮影にはならなかったものの、周囲の状況がどうにか分かるうちに走り通せそうなのは幸いです。展開次第では近畿編の帰りも敦賀を通る可能性があります。日中に通るようなら最後に再挑戦していくのも一案でしょう。
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豊穣の加賀を行く - 迫り来る現実

2017-10-01 16:31:36 | 北陸
大桐駅を出て少し走ると、いかにもかつての鉄道らしい大築堤が現れ、その築堤沿いに工事現場のプレハブが建っているのが見えました。よくよく見れば新北陸トンネルの工事現場です。この下には斜坑が延びているのでしょうか。この峠越えの旧線に取って代わったのが北陸トンネルなら、それに取って代わろうとしているのがこの新北陸トンネルです。迫り来る現実を見せつけられる光景でした。
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豊穣の加賀を行く - 大桐駅

2017-10-01 16:18:47 | 北陸
旧線をたどって最初に現れる遺構らしい遺構が旧大桐駅です。旧線を転用した県道を走っていくと、道の左側にかつてのホームの一部が現れ、今まさにかつての線路の跡を走っていることを実感できます。
ホームの上には動輪と輪軸、それに駅名標を模した記念碑代わりの案内板が三つ並びます。ホームに沿ってソメイヨシノらしき木が並んでおり、語弊を承知でいえば清水の三保ふれあい広場を彷彿させる眺めです。しかしあちらと違うのは、現住しているのかもよく分からない民家が一軒ある以外、周辺に人家が一切見当たらないことです。今庄方に北陸道の高架が見え、秘境の趣こそ希薄ながら、ここに長編成の列車が発着したとは俄に想像しがたいものがあります。兵どもが夢の跡というべき光景です。
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豊穣の加賀を行く - 南今庄駅

2017-10-01 16:02:33 | 北陸
今庄から先は嶺北と嶺南を隔てる峠が立ちはだかります。その峠を北陸トンネルで貫く現北陸本線に対し、旧線は車道に転用されており、こちらはそれをたどって敦賀へ向かうことになります。新線と旧線が分かれる地点に位置するのが、ホームと待合室のみの南今庄駅です。今庄市街から山間に分け入っていく県道の交通量はまばらで、構内には熊出没を警告する物騒な看板が立っています。
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豊穣の加賀を行く - 若狭屋

2017-10-01 14:51:40 | B級グルメ
福井では蕎麦よりカツ丼という主義ではありますが、今庄へ来たなら無碍に素通りするのももったいない話です。かつての旅籠を改装した渡りに船の蕎麦屋があったため、こちらでおろしそばをいただいていきます。残念ながら今庄産ではないものの、大野産のそば粉を使った十割そばです。
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豊穣の加賀を行く - 今庄駅

2017-10-01 14:05:49 | 北陸
続いて訪ねるのは今庄駅です。かつて杉津越えの前進基地として栄え、蒸気機関車時代の給水塔も残るこちらの駅、久々に再訪すると、コンクリート平屋建ての駅舎が、格子窓を使った和風に改装されていました。駅前広場も整備中であることからして、つい最近改装されたのかもしれません。
和風の装いは、駅周辺に残る今庄宿の町並みにちなんだものでしょう。実は、国道から駅へ向かう道に入るなり、中山道の野尻宿にもどことなく似た、狭くて曲がりくねった旧街道が現れたため、宿場の入口に車を置いて歩いてきました。この後も街道沿いを歩きつつ戻ります。近畿編ではこの手の古い町並みも主題の一つになりそうです。
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豊穣の加賀を行く - 湯尾駅

2017-10-01 13:07:38 | 北陸
続いては湯尾駅を訪ねます。背の高い片流れの屋根を持つ山小屋風の木造駅舎は、北海道でよく見かけた平成初期の駅舎を彷彿させる佇まいです。
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豊穣の加賀を行く - 南条駅

2017-10-01 12:41:09 | 北陸
12時過ぎのサンダーバードまで粘ってから切り上げました。初見だったことに加えて、途中から空全体が薄雲に覆われてしまい、会心の出来までには至らなかったのが惜しまれます。しかし、新幹線の開業まで、この区間の北陸本線を積極的に記録していくつもりです。今回の経験は次なる活動に活かされるでしょう。
この後は再び駅に寄りつつ南下していきます。昨日並みに晴れてくれれば福井に戻りたかったところ、この空模様では片道一時間近くもかけて戻る意義が乏しいからです。まずは町の施設と同居する南条駅を訪ねました。
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豊穣の加賀を行く - 蝉の声

2017-10-01 10:41:28 | 北陸
福井から南下してきたのは、目当ての撮影地があったからに他なりません。湯尾のカーブで列車を撮ります。
整然と杉が並んだ小高い山の斜面に沿って、北陸本線の列車が緩い左カーブを切りつつ迫って来るというのがここの絵柄で、線形、背景とも手本通りの列車写真を撮影できる、福井から敦賀にかけての区間では最も知られたお立ち台です。しかるに自身これまで縁がなく、新幹線の開業前に訪ねるのが喫緊の課題となっていました。
王子保の駅から国道を進んでいくと、おそらくこの周辺だろうと思われる緩いカーブが見えてきました。次の瞬間刮目させられたのは、線路際に蕎麦畑が広がっていることです。これなら線路際に張り付いて列車を撮るより、引いた場所から蕎麦畑を入れて撮った方がよいかもしれません。この後通過する特急二本をお約束の構図で撮った後は、蕎麦畑と組み合わせて撮れるかどうかを試してみます。
ちなみに、もう一つ驚いたのは蝉の声が聞こえてきたことです。西日本に関していえば、10月に蝉の声を聞いたことは何度かあり、それ自体特段珍しいことではありません。しかし、ツクツクボウシだけでなくミンミンゼミの声を聞くのは初めてのような気がします。最後に蝉の声を聞いたのは先月中旬の出発前です。それから半月もの間、自分の知らないところで蝉が奮闘していたかと思うと、感慨深いものがあります。
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豊穣の加賀を行く - 王子保駅

2017-10-01 09:16:34 | 北陸
昨日は北陸本線の駅を訪ね歩いたにもかかわらず、ほぼ何の成果も得られないまま終わりましたが、性懲りもなく沿線の駅を訪ねて南下します。大土呂、北鯖江の次に立ち寄るのは、武生の一つ隣の王子保駅です。戦後の建築らしき木造駅舎は、北鯖江と同様一見すると無味乾燥ながら、駅前の丹精された花壇が見事です。
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