忌まわしき「中止」によって空白の一年が生まれるかと思いきや、地方大会に関する限りそうでもないと気付いてきました。今更ながら追ってみれば、そこそこ話題があるものです。それらを綴って行くのも一興と思い至りました。手始めに今月上旬までの出来事を振り返ります。
・第1日(6/21)
実質的な緒戦は岩手の地区予選でしたが、主催者はそれに先立つ六月下旬の「交流試合」を緒戦と位置付けているようです。
各都道府県による独自大会との位置付けだけに、大会の進め方にも細部で違いが出てきます。とりわけ独特なのが福岡です。県下を南部と北部に分け、それぞれの地区内で戦う前半と、全県で戦う後半に分けるのが例年の流れでした。今年はそれを北九州、福岡、筑豊、筑後の四地区に細分化し、それぞれの決勝までで打ち切るという仕組みです。しかも、それぞれの地区の戦い方が異なります。
トーナメントで戦われる北九州と筑豊の両地区に対し、福岡と筑後ではリーグ戦があります。前者では40チームを14組に分け、その順位によってトーナメントの組み合わせを決めます。筑後では19チームが6組に分けられ、7回制のリーグ戦を勝ち抜いた各組の上位2チームがトーナメントに進出できるという仕組みです。さらに、筑後ではそのリーグ戦に参加しないチーム同士の交流試合というものがあり、リーグ戦に先行する形で戦われたのでした。
異例づくしの開幕戦を制したのは、空前絶後の選手権無敗記録を保持する三池工でした。かつての覇者が頂点を目指すことなく退場するという、一抹の淋しさを感じさせる出来事ではありましたが、ダブルヘッダーをいずれも20点差以上の圧勝で飾ったのはさすがです。ただしこれは、本来なら5回または6回でコールドとなるはずの試合が9回まで戦われたための結果でもあります。降って湧いた騒動の煽りを食い、本大会に臨むことなく退くチームに、せめてもの花道を用意するという目的もあってのことでしょう。世知辛いご時世にあって、何とも粋な計らいでした。
・第2日(7/1)
福岡に続いて開幕したのが岩手です。全国か地方かの違いこそあれ、頂点を目指す戦いとしては、これが実質緒戦といってもよいものでした。長距離移動を悪とみなす世知辛いご時世を反映し、全国一広い県土を七地区に分けて予選を行い、何故か半端な31チームで本大会を戦うのが今季の方式です。そのような仕組み上、多くとも2試合勝てば本大会進出という形になり、この日も4試合中3試合が代表決定戦でした。
・第3日(7/3)
雨天中止を一日挟み、前日からの順延を含め、4地区で9試合の開催でした。趣味的な見地からは不来方の初戦突破が特筆される一日でした。
・第4日(7/4)
岩手はまたもや全試合流れたものの、実質初の週末に愛知、沖縄両大会が開幕し、福岡でもリーグ戦が始まって、交流試合を含む3大会32試合の開催でした。特段変わったところのない沖縄に対して、愛知では県内を東三河、西三河、知多、名古屋、尾張の五地区に大別し、さらに八つあるブロックに再編成するという仕組みが採られました。名古屋に三つ、東三河に二つ、 西三河と尾張にそれぞれ一つのブロックを割り当て、残る二つのうち一つを名古屋と尾張、もう一つを名古屋と知多で分け合うという組み合わせです。 来月上旬の決勝まで、土日祝日のみを使って戦われます。
・第5日(7/5)
岩手で試合が再開され、試合数は倍増して4大会63試合の開催でした。そのうち半分近い30試合を占めたのは愛知ですが、延長にもつれ込んだ試合が5試合あり、そのいずれもが10回での決着でした。これは取りも直さず、10回以降をタイブレーク制とする今季特有の現象でもあります。かねがね申してきた通り、好試合を一瞬にして台無しにするタイブレークなる仕組みに自分は一貫して否定的です。百歩譲って例年通り12回まで戦っていれば、5試合の結果がどれだけ変わっていたかと仮想させられます。世知辛いご時世を象徴するかのような試合結果でした。
・第6日(7/6)
長きにわたった休校により教育機関の日程が詰まっている今季、高校野球も週末を中心に戦われます。再び岩手大会のみの開催に戻り、この日の7試合をもって地区代表の31チームが出揃いました。
・第7日(7/8)
岩手の地区予選の終結後、一日の空白を挟んで始まったのが鹿児島大会です。鹿児島の見所といえば離島勢ですが、ご多分に漏れず今季は地区予選制が採られました。九州一広い県土が七つの地区に分割され、16の地区代表が本大会に進出するという、北海道の支部予選に最も近い仕組みです。9チーム10校が出場する離島勢は、種子島と屋久島からなる熊毛地区と、奄美諸島からなる大島地区に二分され、前者は種子島、後者は徳之島で戦われることとなりました。緒戦を飾ったのは大島地区の2試合で、徳之島と沖永良部が次戦に駒を進めました。
・第8日(7/9)
秋田が開幕し、鹿児島と合わせて2大会12試合の開催でした。秋田では8強までの戦いが県北、中央、県南の3地区に分割されるものの、形式上予選と本選の区分はなく、初戦の段階から1回戦として扱われます。
6チームで2枠を争う大島地区では、最低で1勝、そうでなくとも2勝した時点で本選進出となります。徳之島が昨日の今日で二戦目を突破し、大島とともに代表枠を勝ち取りました。
・第9日(7/10)
鹿児島の2試合が雨で流れ、秋田を含む2大会で11試合が戦われるにとどまりました。2回戦に入った秋田では明桜と金足農が初戦でいきなり相見え、接戦の末に前者が駒を進めています。
★岩手大会
・盛岡地区代表決定戦(7/3)
平舘1-3不来方
・盛岡地区代表決定戦(7/5)
盛岡農0-4岩手
・県北地区代表決定戦(7/5)
伊保内3-10x福岡
・一関地区代表決定戦(7/6)
一関一8-5一関二
一関修紅15-6一関高専
・盛岡地区代表決定戦(7/6)
盛岡工0-2盛岡一
★秋田大会
・1回戦(7/9)
秋田高専1-17秋田南
秋田工12-0仁賀保
平成23-0大曲農太田
・2回戦(7/10)
金足農0-3明桜
★愛知大会
・1回戦(7/4)
愛知商10-4名経大高蔵
西尾東9-1西尾
・1回戦(7/5)
昭和5-4明和
時習館2-3x豊橋中央
瀬戸窯3-2南陽
猿投農林5-4碧南(延長10回)
豊橋中央2-3x時習館(延長10回)
新城東作手0-32豊川
・2回戦(7/5)
刈谷工7-2知立(延長10回)
岡崎学園4-5x岡崎工(延長10回)
豊田3-4x豊野(延長10回)
★福岡大会
・筑後地区交流試合(6/21)
浮羽工1-22三池工
輝翔館・ありあけ新世1-23三池工
・筑後地区交流試合(7/4)
明善5-6小郡
・筑後地区1次予選(7/4)
久留米商8-2八女農
・筑後地区1次予選(7/5)
八女7-0久留米高専
★鹿児島大会
・大島地区1回戦(7/8)
徳之島8-4喜界
古仁屋・与論1-8x沖永良部
・大島地区代表決定戦(7/9)
奄美2-6徳之島
大島7-1沖永良部
・姶良伊佐地区1回戦(7/10)
国分19-3鹿児島高専
★沖縄大会
・1回戦(7/4)
八重山商工0-8八重山
具志川0-4八重山農林
宮古工・宮古総合実1-7中部農林
・1回戦(7/5)
未来沖縄9-6浦添
・第1日(6/21)
実質的な緒戦は岩手の地区予選でしたが、主催者はそれに先立つ六月下旬の「交流試合」を緒戦と位置付けているようです。
各都道府県による独自大会との位置付けだけに、大会の進め方にも細部で違いが出てきます。とりわけ独特なのが福岡です。県下を南部と北部に分け、それぞれの地区内で戦う前半と、全県で戦う後半に分けるのが例年の流れでした。今年はそれを北九州、福岡、筑豊、筑後の四地区に細分化し、それぞれの決勝までで打ち切るという仕組みです。しかも、それぞれの地区の戦い方が異なります。
トーナメントで戦われる北九州と筑豊の両地区に対し、福岡と筑後ではリーグ戦があります。前者では40チームを14組に分け、その順位によってトーナメントの組み合わせを決めます。筑後では19チームが6組に分けられ、7回制のリーグ戦を勝ち抜いた各組の上位2チームがトーナメントに進出できるという仕組みです。さらに、筑後ではそのリーグ戦に参加しないチーム同士の交流試合というものがあり、リーグ戦に先行する形で戦われたのでした。
異例づくしの開幕戦を制したのは、空前絶後の選手権無敗記録を保持する三池工でした。かつての覇者が頂点を目指すことなく退場するという、一抹の淋しさを感じさせる出来事ではありましたが、ダブルヘッダーをいずれも20点差以上の圧勝で飾ったのはさすがです。ただしこれは、本来なら5回または6回でコールドとなるはずの試合が9回まで戦われたための結果でもあります。降って湧いた騒動の煽りを食い、本大会に臨むことなく退くチームに、せめてもの花道を用意するという目的もあってのことでしょう。世知辛いご時世にあって、何とも粋な計らいでした。
・第2日(7/1)
福岡に続いて開幕したのが岩手です。全国か地方かの違いこそあれ、頂点を目指す戦いとしては、これが実質緒戦といってもよいものでした。長距離移動を悪とみなす世知辛いご時世を反映し、全国一広い県土を七地区に分けて予選を行い、何故か半端な31チームで本大会を戦うのが今季の方式です。そのような仕組み上、多くとも2試合勝てば本大会進出という形になり、この日も4試合中3試合が代表決定戦でした。
・第3日(7/3)
雨天中止を一日挟み、前日からの順延を含め、4地区で9試合の開催でした。趣味的な見地からは不来方の初戦突破が特筆される一日でした。
・第4日(7/4)
岩手はまたもや全試合流れたものの、実質初の週末に愛知、沖縄両大会が開幕し、福岡でもリーグ戦が始まって、交流試合を含む3大会32試合の開催でした。特段変わったところのない沖縄に対して、愛知では県内を東三河、西三河、知多、名古屋、尾張の五地区に大別し、さらに八つあるブロックに再編成するという仕組みが採られました。名古屋に三つ、東三河に二つ、 西三河と尾張にそれぞれ一つのブロックを割り当て、残る二つのうち一つを名古屋と尾張、もう一つを名古屋と知多で分け合うという組み合わせです。 来月上旬の決勝まで、土日祝日のみを使って戦われます。
・第5日(7/5)
岩手で試合が再開され、試合数は倍増して4大会63試合の開催でした。そのうち半分近い30試合を占めたのは愛知ですが、延長にもつれ込んだ試合が5試合あり、そのいずれもが10回での決着でした。これは取りも直さず、10回以降をタイブレーク制とする今季特有の現象でもあります。かねがね申してきた通り、好試合を一瞬にして台無しにするタイブレークなる仕組みに自分は一貫して否定的です。百歩譲って例年通り12回まで戦っていれば、5試合の結果がどれだけ変わっていたかと仮想させられます。世知辛いご時世を象徴するかのような試合結果でした。
・第6日(7/6)
長きにわたった休校により教育機関の日程が詰まっている今季、高校野球も週末を中心に戦われます。再び岩手大会のみの開催に戻り、この日の7試合をもって地区代表の31チームが出揃いました。
・第7日(7/8)
岩手の地区予選の終結後、一日の空白を挟んで始まったのが鹿児島大会です。鹿児島の見所といえば離島勢ですが、ご多分に漏れず今季は地区予選制が採られました。九州一広い県土が七つの地区に分割され、16の地区代表が本大会に進出するという、北海道の支部予選に最も近い仕組みです。9チーム10校が出場する離島勢は、種子島と屋久島からなる熊毛地区と、奄美諸島からなる大島地区に二分され、前者は種子島、後者は徳之島で戦われることとなりました。緒戦を飾ったのは大島地区の2試合で、徳之島と沖永良部が次戦に駒を進めました。
・第8日(7/9)
秋田が開幕し、鹿児島と合わせて2大会12試合の開催でした。秋田では8強までの戦いが県北、中央、県南の3地区に分割されるものの、形式上予選と本選の区分はなく、初戦の段階から1回戦として扱われます。
6チームで2枠を争う大島地区では、最低で1勝、そうでなくとも2勝した時点で本選進出となります。徳之島が昨日の今日で二戦目を突破し、大島とともに代表枠を勝ち取りました。
・第9日(7/10)
鹿児島の2試合が雨で流れ、秋田を含む2大会で11試合が戦われるにとどまりました。2回戦に入った秋田では明桜と金足農が初戦でいきなり相見え、接戦の末に前者が駒を進めています。
★岩手大会
・盛岡地区代表決定戦(7/3)
平舘1-3不来方
・盛岡地区代表決定戦(7/5)
盛岡農0-4岩手
・県北地区代表決定戦(7/5)
伊保内3-10x福岡
・一関地区代表決定戦(7/6)
一関一8-5一関二
一関修紅15-6一関高専
・盛岡地区代表決定戦(7/6)
盛岡工0-2盛岡一
★秋田大会
・1回戦(7/9)
秋田高専1-17秋田南
秋田工12-0仁賀保
平成23-0大曲農太田
・2回戦(7/10)
金足農0-3明桜
★愛知大会
・1回戦(7/4)
愛知商10-4名経大高蔵
西尾東9-1西尾
・1回戦(7/5)
昭和5-4明和
時習館2-3x豊橋中央
瀬戸窯3-2南陽
猿投農林5-4碧南(延長10回)
豊橋中央2-3x時習館(延長10回)
新城東作手0-32豊川
・2回戦(7/5)
刈谷工7-2知立(延長10回)
岡崎学園4-5x岡崎工(延長10回)
豊田3-4x豊野(延長10回)
★福岡大会
・筑後地区交流試合(6/21)
浮羽工1-22三池工
輝翔館・ありあけ新世1-23三池工
・筑後地区交流試合(7/4)
明善5-6小郡
・筑後地区1次予選(7/4)
久留米商8-2八女農
・筑後地区1次予選(7/5)
八女7-0久留米高専
★鹿児島大会
・大島地区1回戦(7/8)
徳之島8-4喜界
古仁屋・与論1-8x沖永良部
・大島地区代表決定戦(7/9)
奄美2-6徳之島
大島7-1沖永良部
・姶良伊佐地区1回戦(7/10)
国分19-3鹿児島高専
★沖縄大会
・1回戦(7/4)
八重山商工0-8八重山
具志川0-4八重山農林
宮古工・宮古総合実1-7中部農林
・1回戦(7/5)
未来沖縄9-6浦添