本日の晩酌 - あい田

「新しい生活様式」などといいながら、その実態は「古い生活様式」を死守するための一時的な「我慢」に過ぎません。その事実を端的に示すのが、金曜に決まって呑み屋が混むという現象です。これは取りも直さず、大量の労働者が一斉に働いて一斉に休む「古い生活様式」の所産に他なりません。その悪しき慣習が病原体の出現を招いた以上、まずそれを慎むのが本来あるべき「新しい生活様式」の出発点と自分は思います。かかる信念を保ちつつ、飲食店の支援と両立させるため、金曜の晩は持ち帰りという選択に落ち着きました。「あい田」が11日ぶりの登場です。
比較的短い間隔での再登場となったのは、今週から品書きが改められたからでもあります。前回変わったのは六月の第三週だったため、先代の品書きは三週間で書き換えられたことになります。一月以上変わらなかったそれまでに対し、異例の早い模様替えです。その分見直しも小幅にとどまり、七品のうち四品はそのまま持ち越されました。高温多湿により保存が難しくなってくるのに合わせて、食材と調理を改めて見直したのかもしれません。
「魚真」の持ち帰りが打ち切られたことについては既報の通りです。先日「あて」を訪ねたときも、生ものの持ち帰りを近々休止する可能性を告げられました。激減した売上を補う手段として機能してきた持ち帰りも、時節柄厳しくなってきたということでしょう。そのような中、初期から一貫して持ち帰りを続けているのが「月肴」と当店です。あちらが前日までの予約制になった今、当日の夕方まで注文できることの価値はますます大きくなってきました。貴重な選択肢の一つとして、これからも世話になりたいと思う一軒です。

★酒菜あい田
東京都千代田区九段南4-1-10 グランドメゾン九段南1F
03-5215-6239
1700PM-2200PM(LO)
日祝日定休

鮎の風干し唐揚げ
冷し夏野菜の炊き合せ
富士桜ポークしゃぶ肉のもずく酢和え
焼き穴子と韮の卵とじ
枝豆の塩昆布漬け
さば燻製
とまとの土佐酢漬け