日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

色づく秋の長崎へ - いなせや 真

2018-09-14 22:49:21 | 居酒屋
名酒場には事欠かない京都ですが、本日に関する限りどこへ行くかについての迷いはなく、「きのした」へ最初に行くのも、その次に「赤垣屋」を訪ねるのも想定通りでした。それらで力尽きるかと思いきや、今夜はなおも余力があります。続いて立ち寄るのは「いなせや 真」です。
「きのした」を選んだ決め手は季節感にあり、「赤垣屋」については平日の姿を知るのが目的でした。当店についていえば、酒がいよいよ酣の時期に入ってきたという事情があります。しかし、その認識が表面的に過ぎなかったことに気付きました。まず冷酒をいただいてから、二杯目にひやおろしを所望したところ、「ない」というまさかの返答があったのです。
蔵の温度と外気温が釣り合う頃に出荷するのがひやおろし、秋頃に味が乗るのが秋上がりだというのが店長の弁です。その分類に従うと、西日本では本来の「ひやおろし」にはまだ早く、せいぜい「秋上がり」をいただけるに過ぎないということなのでしょう。両者の違いには無頓着だっただけに、目から鱗の小話でした。

いなせや 真
京都市中京区六角通烏丸東入ル堂ノ前町231 イヌイビル1階
075-251-6605
平日 1800PM-2330PM(LO)
日曜 1800PM-2230PM(LO)
不定休

近江藤兵衛・北島・常きげん
桃山大根たくあん
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色づく秋の長崎へ - 赤垣屋

2018-09-14 21:17:22 | 居酒屋
先月京都を訪ねたとき、平日の宿泊という貴重な機会を得ながらも、身体が酒を受け付けず、呑み屋には寄らないという異例の結果に終わりました。その時点では、翌月に再挑戦できるなどとは思いませんでした。図らずも巡ってきた機会を活かさない手はありません。そのとき訪ねるつもりだった「赤垣屋」の暖簾をくぐります。

この店を平日に訪ねておきたかったのは、直近の二度にわたって土曜に訪ね、客層が若干変質しているように思われたからです。しかし結論からいえば、今日についても客層にほとんど違いはありませんでした。つまり、曜日を問わずこうなる可能性が高いということになります。
客層が変わってしまった店といえば、旭川の「独酌三四郎」仙台の「源氏」、奈良の「蔵」といったところが挙げられます。いずれも教祖が古くから推奨してきた老舗中の老舗です。このうち「独酌三四郎」については、昨秋訪ねた時点では元の姿を取り戻していました。「源氏」についても、先月平日を狙って再訪したところ、本来の姿に近いと感じました。ところが「蔵」では、曜日を問わず客層が変質してしまいました。つまり、当店でもどちらかといえば「蔵」に近い現象が起きているということです。
初期に訪ねた当時には、名前で呼ばれる御常連が多かったと記憶しています。ところが、今回その手の御仁はわずかに一人で、残りは古い酒場で呑む習慣など持ち合わせてはいないように見受けられました。長年の常連客が、他のお客に挟まれて呑む光景を、語弊を恐れず例えるならば、外来種に席巻されて数を減らした在来種のようもあります。
そもそも、繁華街でも何でもない半端な場所にある店へ、外国人が予約を入れてやってくるという時点で、客層が変わってきたのは明らかです。京都という場所柄、以前も外国人を見かけることはあったものの、それは相当旅慣れした飛び込みらしき方々でした。媒体がなまじ普及をしたことにより、さほどの関心もない層までが押し寄せるという、有名店特有の現象がここでも起きているようです。

そのようなわけで、教祖をして「京都へ行くことは赤垣屋へ行くことである」とまで言わしめた至高の価値は、若干損なわれてしまったというのが結論です。ただし幸いにも、「蔵」と違って騒がしさに眉を顰めるような場面は今のところありません。このまま踏みとどまってほしい、できれば元に戻ってほしいというのが勝手な願望です。

赤垣屋
京都市左京区川端通二条下ル孫橋町9
075-751-1416
1700PM-2230PM(LO)
日曜及び月曜の祝日定休

名誉冠二合
突き出し(春雨和え物)
焼豆腐
ロールキャベツ
万願寺青とう
子芋煮
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色づく秋の長崎へ - きのした

2018-09-14 19:52:02 | 居酒屋
馬鹿の一つ覚えといわれても、まずはここだと決めていました。毎度おなじみ「きのした」を訪ねます。
このところ、京都を訪ねたときにはまず例外なくこの店に立ち寄っており、六月には二週連続などということもありました。寄らなかったのは、到着が遅くて時間的に無理な場合に限られます。つまり、事実上必ず寄るといってもよい状況です。これほどまでに愛用するようになったのは、何の手がかりもなく自力で探し出したことからくる愛着、繁華街から適度に離れた静かな立地に加え、品書きに織り込まれる繊細な季節感が秀逸だからでもあります。夏が優勢ながらもさりげない秋の気配を感じた前回の品書きが、一月経ってどう変わるかに興味があった次第です。
その品書きは鰹、秋刀魚、松茸、蓮根、梨、無花果などの風物詩で彩られる一方、鱧が今なお健在なのに土地柄が感じられます。その鱧が鰹、秋刀魚、剣先イカともども刺身に盛り込まれたため、残りはてらいのない組み立てを選びました。酒はもちろんひやおろしです。
独酌の先客がこちらと入れ替わるようにして席を立つと、店内は図らずも貸切となりました。週末にお客がたった一人では商売あがったりでしょう。しかし、少なくともこちらにとってはあながち悪くありません。表を車が通る度、タイヤが水を切る音が扉越しに聞こえてきます。降りしきる長雨に、秋到来をしみじみ感じるひとときです。

旬味きのした
京都市中京区二条通寺町東入ル榎木町92-7 佐野ビル1F
075-213-2929
1730PM-2200PM(LO)
火曜定休

風の森・南方
突き出し二品
お造り盛り合わせ
車えび・梨・レンコンの白和え
いちじく揚げ出し
鯖ずし
赤だし
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色づく秋の長崎へ - ホテル杉長

2018-09-14 19:33:04 | 近畿
何のたたりか九月の長雨、雨が再び降ってきました。幸い傘を差すまでには及ばず、そのまま投宿して一息ついたところです。今回もホテル杉長の世話になります。
本日はあくまで野暮用が名目だったため、宿を手配してもらうことも可能ではあったのです。しかし、京都の宿が前回以上に空いており、この宿を五千円で押さえることができたため、迷わず自腹を切りました。傍目には物好きと思われるかもしれませんが、十畳間を借り切れてこの値段なら、他人様の金を使って気兼ねするよりこちらがよいに決まっています。自分にとってここ以上の宿はありません。

早々と投宿したため、七時台には一軒目に入れることになりました。金曜の晩だけに混み合う可能性はなきにしもあらずですが、宿の空きようからして身構えることはないでしょう。どうにかなるだろうと楽観しています。
それより問題なのは、最近頓に落ちてきている酒量です。前回の実績からすると、一軒目でほぼ満腹になり、二軒目で申し訳程度に呑み直し、最後にうどんかラーメンを別腹に入れるというのが現実的なところでしょうか。しかし先月と違うのは、酒がいよいよ酣の季節に入ってきたことです。長崎の酒には多くを期待できないため、多少の無理も辞さない覚悟で臨みます。
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色づく秋の長崎へ - 村上開新堂

2018-09-14 18:06:44 | B級グルメ
野暮用を終えた後、バスで市街に移動してきました。投宿し、一風呂浴びて出直したいところではありますが、その前に済ませておくべきことがあります。立ち寄るのは村上開新堂です。
実は、明日の野暮用に土産を持参するつもりでいたところ、前日にすっかり失念してしまい、列車の中で今更ながら気付いたのです。しかし、京都の方に京都土産というのもいただけません。手ぶらで向かうのもやむなしかと諦めかけていたところ、唐突に閃いたのが村上開新堂のロシアケーキでした。実は亡き祖父の好物でもあります。贈答用の他にもう一箱買ったため、帰り次第お供えにするつもりです。

村上開新堂
京都市中京区寺町通二条上ル東側
075-231-1058
1000AM-1800PM
日祝日及び第三月曜定休
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色づく秋の長崎へ - 新福菜館

2018-09-14 13:27:20 | B級グルメ
小一時間の余裕を持って京都駅に戻りました。目当てはもちろん新福菜館の中華そばです。
昼時の混雑も多少は落ち着いたかと思いきや、店先にはなお数人の待ち客が。とはいえ、回転の早さを考えればそれほど待たずに済みそうです。いささかの迷いもなく列につくと、10分ほどの待ち時間で通されるという結果でした。思ったよりもかかったものの、第一旭の行列に比べればどうということはありません。あちらへ先に行けたのは大きかったことになります。
新福菜館の場合、都内の支店でほぼ遜色ないものをいただくことができます。味だけに関していえば、わざわざ京都でいただくべき必然性は薄れたわけです。しかし、今回本店を再訪してさすがと思ったことがあります。熟練した若い衆らの職人芸は、支店が真似しようとも一朝一夕では追いつけません。常連客が朝から一杯やる光景も本店ならではです。味については互角としても、雰囲気は断然ここだと改めて思います。

新福菜館
京都市下京区東塩小路向畑町569
075-371-7648
900AM-2200PM
水曜不定休
中華そば700円
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色づく秋の長崎へ - 市電ひろば

2018-09-14 11:12:24 | 近畿
一日乗車券を買い、駅からバスに揺られてきました。梅小路の市電ひろばを訪ねます。
梅小路といえば京都鉄道博物館ですが、あれは一度訪ねてもう十分と見切りました。しかしながら、すぐ近くに市電の車両が保存されていると最近知りました。以前訪ねた2001号車とは別物です。雨天という条件下で待ち時間をどう過ごすかと考えたとき、まず浮かんできたのがここだった次第です。
こちらにも電車があるのに気付かなかったのは、京都鉄道博物館から少し離れているからです。水族館の隣に、広島港の電停を彷彿させる高い屋根で覆われた空間が造られ、そこに電車が四両鎮座しています。そのうち二両は開放され、残る二両のうち一両は売店、もう一両は喫茶店という組み合わせです。
市電在りし頃の展示は何もなく、その点では横浜と仙台の市電保存館に及びません。しかし、四両まとめて、それも屋根付きの好条件でということになると、常設の展示としては国内屈指です。我が国初の電車が走った京都の街に、ふさわしい施設が造られたのを幸いに思います。
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色づく秋の長崎へ - 第一旭

2018-09-14 09:52:39 | B級グルメ
今年に入って京都を四回訪ねたにもかかわらず、京都駅には一度も寄らないという珍現象が続いていました。しかし、本日は駅前で野暮用がある関係上、否応なしに寄らざるを得ません。寄ったついでに第一旭のラーメンをいただきます。
収容力が小さい第一旭が空いていれば迷わず入り、待ち客が出ていれば新福菜館へ行くという基準については、何度か語った通りです。しかし今回、多少待っても第一旭に行きたいという考えがありました。というのも、京都駅を素通りすることが増えた結果、この店にも一年以上の無沙汰となっていたからです。都内にも支店がある新福菜館と違い、この味だけは京都でなければいただけません。次の機会がいつになるかも分からないだけに、四の五のいってはいられないという事情がありました。
幸い待ち客の姿はなく、テーブルも半分空いているという予想外の結果に。カウンターも空いていたためこちらに通されました。とはいえ、このような現象が瞬間的にしか起こらないのは経験上分かっています。その後次々お客が入り、待ち客こそないものの相席が出るようになりました。絶妙な間合いで入れた幸運に感謝します。

第一旭
京都市下京区東塩小路向畑町845
075-351-6321
500AM-200AM
木曜定休
特製ラーメン850円
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色づく秋の長崎へ - のぞみ5号

2018-09-14 06:44:16 | 関東
今回も少し遅めの出発です。二週ぶりとなる「のぞみ5号」で旅立ちます。「いい日旅立ち・西へ」が流れる西日本所属車が運用につきました。
本日は昼過ぎから野暮用があります。その野暮用に合わせるなら11時台の列車で間に合い、この時間に出る必要は全くありませんでした。それでも早起きしてきたのは、野暮用まで五時間近くが浮く以上、これを活かさない手はないと思ったからに他なりません。しかし、そうして出たはよいものの、今のところこの持ち時間を活かすための妙案がありません。貸自転車で市街を走るつもりでいたところ、昼まで雨などという予報が出てしまったからです。早く上がってくれればもちろん自転車を借りますが、そうでなければ中華そばをいただくのがせいぜいでしょうか。あちらへ着くまでの間に時間の使い道を考えてみます。

★東京630/のぞみ5(5A)/848京都
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