日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

色づく秋の長崎へ - 帰着

2018-09-18 22:24:19 | 中国
東京駅で列車を降り、一旦自宅に戻ってから出直し、一日を乗り切って帰宅しました。長崎への旅はこれにて完結です。

比較的直前だったにもかかわらず、「サンライズ」の手配に成功したのは幸運でした。しかし、連休の最終日ということもあり、岡山から乗った時点で空いた個室がほとんどないのが分かりました。こうなると俄に浮上するのがシャワーの問題です。
実は、以前カードが売り切れて、シャワーを浴び損なったことが一度だけあります。出雲か瀬戸か、どちらかのシャワー室が故障で使えなかった影響もあり、何度かのぞいてみたものの一向に空かず、仕舞いにカードが売り切れてしまったのでした。今日ほどではないにしても、そこそこ汗をかいていたため、心地よく休めなかったのが思い出されます。乗客が相当増えたことを考えると、今回も二の舞になりかねないと懸念されたわけです。
兵庫との県境を越えたあたりで行ってみると、果たして10号車にあるシャワー室は埋まっており、出雲の編成に至ってはカードが早くも売り切れていました。こうなると、瀬戸も遅かれ早かれでしょう。姫路が迫ったところで再度向かうとまたしても埋まっており、あまつさえラウンジには順番を待っていると思しき乗客の姿もあります。これでは取り付く島がありません。一日汗にまみれた挙げ句、そのまま休まなければならないという、最悪の事態を一時は覚悟しました。
しかしここで咄嗟に閃きました。とりあえずカードだけ先に押さえ、落ち着く頃を見計らうことにしたのです。一旦個室に引き上げながらも急いで買いに戻り、出直したのは日付が変わってからでした。案の定、カードは既に売り切れていたものの、押さえたカードでシャワーを浴び、ようやくさっぱりするという顛末です。是が非でも一風呂浴びたいという渇望が、咄嗟の閃きを生んだという点で、「必要は発明の母」の諺通りとなりました。今後の乗車に際しても、カードは早めに押さえておくことになるでしょう。

そのようなわけで、シャワーについてはどうにか勝ちを拾った一方、車窓に関しては何から何まで予想通りでした。六甲山に吹田と稲沢の操車場など、山側ならではの車窓もないわけではないものの、いかんせん海側と比べてしまえばごく地味だということです。そのような中、翌朝目が覚めたとき、列車が切り立った斜面をなぞっているのに気付きました。興津から由比にかけての、駿河湾が車窓に広がる区間です。咄嗟に飛び起き、デッキでしばし車窓を眺めてから個室に戻りました。
分厚い雲に覆われる中、所々に切れ間があって、夜が次第に明けていくのが分かりました。既に日が昇っていた初夏の頃とは、当然ながら全く違う車窓でした。今年はあと三回九州へ行く機会を作れる見込みであり、帰りはいずれも「サンライズ」の世話になるつもりでいます。日の出が遅くなるにつれて、この車窓がどう移り変わるかが楽しみです。
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