日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

世知辛い世の中 2018秋

2018-09-10 22:45:56 | 旅日記
デジタル全盛の昨今、フィルム写真が追いやられていく状況を、このblogでも度々嘆いてきましたが、最近さらなる追い討ちをかける出来事がありました。フィルムの入手が一筋縄ではいかなくなってきたのです。
一箱五本で買えたフィルムがバラ売りに一本化され、値段もわずかとはいえ引き上げられて、現像代を含めた一本当たりの出費はついに二千円を超えました。それは一応想定の範囲内だったものの、看過しがたいのは欠品が常態化してきたことです。先日もまとめ買いをするつもりが品切れとの返答につき、取り寄せを依頼せざるを得ませんでした。このことから窺われるのは、売れ行きががますます鈍ってきたことから、在庫を減らして切れ次第発注する形に切り替えた可能性です。それを見越して早めに手を打ったからよかったものの、下手をすればフィルムを調達できないまま出発しなければならないところでした。
そのようなとき、駆け込み寺となってくれていたのがキタムラですが、こちらについても雲行きが怪しくなってきました。TSUTAYAの運営会社に買収され、店舗網が維持されるかどうか何ともいえなくなってきたからです。仮に店舗が維持されたとしても、業態が大きく変わる可能性は十分にあり、その過程でフィルムの取扱いがさらに縮小、場合によっては廃止されることも考えられます。万一予想が的中すれば、旅先での補給手段を失うことになりかねません。
繰り返してきた通り、レコードに根強い愛好家がいるのと同様、フィルム写真にはデジタル写真をもって代えることのできない楽しみがあります。フィルムが販売される限り、これからも撮り続けるという考えは変わりません。しかしここまで値上がりし、あまつさえ入手もままならないということになると、一駒一駒を大切にする必要が出てきます。酒と同様、ここぞという場面を選び、少しずつ消費するよう心がけるつもりです。
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